2023年6月17日土曜日

岡島レポート・2019 W杯・備忘録 183 ~M 3~

                                             2019 W杯・備忘録 183

~  M 3 ~
 
2019W杯第3試合、FRA 23-21 ARGという結果が残されている。
 
試合前のコイントス、FRAギラドが投げて・FRAがキックオフを取り・ARGが陣地を決める。
 
以下、大文字はFRA、小文字はARGのリスタート
 
K¹ l¹ s¹-P¹-l² L¹ l³ s² s³-P²-pg*(10) D¹ P³-pg¹(10)     0- 3 (14分)
 
K² d¹ T¹(12)・G¹(10)                      7- 3 (17分)
 
k¹ T²(9)G²(10)                         14- 3 (21分)
 
k² s-f¹ S¹ p¹-PG¹(10)                     17- 3 (29分)
 
k³ P-l⁴ P-l⁵ s⁵ P-s-p² L² p³-L³ p-PG²(10)        20- 3 (40分)
 
38分、ARGゴール前でのFRAノックオン⇒ARGスクラムの笛のあと、TMOからのレポート(レフリーは映像確認せず)でARG・ハイタックル=「p⁴」と判定が変わり、FRA10番がボールをセットしている間に銅鑼の音、PGが決まって・ハーフタイム
 
k⁴ P-l⁶ t¹(4)g¹(10)                       20-10 (42分)
 
K³ S²-P-l⁷ l⁸ S³ l-P-l¹⁰ P¹⁰-l¹¹ t²(16)            20-15  (53分)
 
K⁴ L⁴ P¹¹-pg²(22)                        20-18  (60分)
 
K⁵ s⁷ TMO¹ P¹²-pg³(22)                     20-21  (67分)
 
K⁶ DG¹(22)                           23-21  (69分)
 
K⁵ l¹² l¹³ L⁵ L-p-PG*10) d² P¹³-pg*(15) D²
 
7814秒:FRA12番・危険なタックルの「P¹³」⇒7934秒:ARG15PGを狙うもわずかに外れる⇒7943秒:FRA23番インゴールでタッチダウン⇒8025秒:FRA22番ドロップアウトを蹴る→ARG22番自陣でキャッチし・センターラインを越えて・掴まり・ラック→ARGFRA10mライン付近で7フェーズ→7回目のラックでFRA21番・ターンオーバー→8120秒:FRA22番蹴りだしノーサイド
 
TMOでの映像確認は一回、レフリーが映像を見て・問題なしとした。
 
両チームの初戦、ENGと同組で決勝ラウンドに進むためには、勝たねばならない・負けてはならない試合だった。
ARG、勝てた試合であり、勝っていたはずの試合だった。
試合内容を見ると、「P」の数は、FRA13ARG5。しかも、FRAは「P¹⁰」の後と「P¹¹」の後の二回、レフリーから警告を受けていた。そして、「P¹²」後に相手選手を衝いて10mポイントを下げられてもいる。FRAの伝統的素行の悪さ⇔ARGの想定外のディシプリンが際立っていた。
前半の大きな山場・分岐点の一つが、FRAゴール前5mでの「P⁶」でスクラムを選択したこと。結果論だが、タッチに蹴りだしてラインアウトからの再開(後半の2トライはこのパターン)か、PG3点を入れていれば、試合展開は変わっていた。しかし、試合の流れから見れば、それ以前にARGのスクラム機会は4回あって、1回目と3回目はFRAのコラプシングのP4回目はFRAのアーリーエンゲージでFKとスクラムで圧倒出来ていた。だから、スクラム選択は当然・必然でもあった。が、ARGにとって最大の誤算はレフリー(ガードナー(AUS)はJPN/IREの主審でもあった)がスクラムをコントロールできていなかったことかもしれない。このスクラム、まずARGがつっかけて(≒おそらく、多くのレフリーは、ARGのアーリーエンゲージ=FRAFKを与えたと思われる)、レフリー・両チーム一列目に話すも馬耳東風(FRAARG、英語で話されても…)、組み直し、二度目のスクラムはボールインの後、両チーム一列目が持ち上げられてしまい、組み直し、三度目のスクラム、両チーム一列目が落ちて、組み直し、四度目のスクラム、ボールインの後FRA・3番が押し勝って・ARGのコラプシング「p²」。チャンスを逃した。
それにしても、その直前の「P⁴」からのARG・タッチキックでFRAゴール前5mに迫り、「l⁴ P-l⁵」で取り切れれば、とか、その直後の「s⁵」、レフリーはARGのノックオンで、FRAのスクラムと判定したが、TMOからのレポートでFRA12番のノックオン(これは、あの大会以降であれば、半数のレフリーは故意のノックオンで「P」と判定するだろうと思われる。さらにその半数はペナルティトライ・イエローカードを出すだろう。)でARG・スクラムに差し替え。その直後の「P⁶」なので、FRAは連続3回の「P」、なんらかの「お咎め」があってしかるべきな気もする、などなど、突っ込みどころ満載のプレーの連続。
同様のFRAの「P」の連鎖(この時は、レフリーが二度、FRAキャプテンに警告)が後半の50分頃から。この流れで、1トライ・2PG20-21と逆転した。その直後のFRA・キックオフをキャッチしたもののターンオーバーされ、FRA3フェーズつなぎ、結果的に決勝のドロップゴールを決められる。このターンオーバー、FRAの「技あり」でもあるが、ARGからすれば、防げた・防がなければならなかったもの。まぁ、敗北したチームからは、さまざまな「たら・れば」が出てくるのだが…
 
ARGが勝っていたはずの試合だった」と未だに鮮明な記憶が残っているのは、72分:l¹³からの流れの中でARGが回している時にインターセプトしたFRA20番は明らかにオフサイド、なぜあのプレーを見落としたのか、スタジアムから見ていて驚いてしまった。そして、ラスト・ワンプレーでのFRA21番のターンオーバー、観戦していて「よくぞ、飛び込んでターンオーバーした!」と感動したが、後日、録画を見返すと、どう見ても、FRA6番のノットロールアウェー。この2つのプレーについては、試合直後のインタビューでARGHCが指摘していたが、まさしくその通り、実に気の毒だと感じている。
 
ともかく、ARGが「勝てる内容の試合」をし「勝っていたはずの試合」だったにもかかわらず、負けた。その結果、救われたのが大会全体だった。というのも、もし、ARGが勝っていたとすると、あの台風によって中止となったM34ENG/FRAの扱いが変わっていただろう。同日中止になったM35NZ/ITAITA・パリセが抗議したように、「仮に、主要国強豪国が台風のため試合ができず・予選リーグ敗退になれば、黙っておらず(現に、SCOはそういう圧力をかけた。)、WRは試合をなんとしてでも試合を行うだろう」という事態になっていた。そうなれば、より大会が盛り上がったかもしれないが、いろいろな不具合が生じた可能性も高い。その意味で、ARGがこの試合で負けていたことで大会は救われた(でも、試合をできずに大会を去っていった選手・チーム(ITACANNAM)は気の毒だった)。
 
AUS/FIJ、ほぼ100%、レフリーの誤審でFIJは負けた。
FRA/ARG20%ぐらいは、レフリーの誤審でARGは負けた…
 
令和5617

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