2019年10月31日木曜日

ムッシュー岡島さんの分析は・・・

当たらぬも八卦(決勝・前夜篇)
 【 総論的に… 】
 1 両チームとも 相手チームの良さを消してゆく 守りの堅い(鉄壁の守り)のチーム
  ロースコアの試合になりそう
  延長戦は?
(注)第3回大会決勝は、延長戦の末 RSA15PG3DG2vsNZ12PG3DG1)で南アの  初優勝。5回大会決勝は、延長戦の末 ENG20T1PG4DG1vsAUS17T1PG4)でイングランドの初優勝。ちなみに、敗れた豪のヘッドコーチが現イングランドHCのエディーさん。

 2 両チームとも 準決勝のトライは、スタンドオフの縦突破から。80分のうち、どのタイミングでみられるのか? 逆に、きちんと止めるのか?

 3 キッカーの出来に大きく左右される。ENGの第1キッカーであるファレル主将、準決勝では途中でキッカーを交代している。どうやら(?)満身創痍の中でのプレーではないか、と想像される。
(注)ファレルの準決勝での個人スタッツを見ると、1 ハンドリングエラー:2(複数回のハンドリングエラーは 両チームでただ一人) 2 タックル成功率 71%(タックル数:15、ミスタックル:6) センターでタックル機会数21回は 最多(ENGのもう一人のセンター11回(成功率88%)、RSA12番は10回(成功率90%)、13番は4回(成功率100%)  ファレルめがけて みんなが突進している!? + きちんと タックルポイントに位置している!?
 4 ENGの突破役8番・ブニポラと13番・トィランギをRSAのセンター・フランカー陣がきちんと前で止められるか?
 5 準決勝で「刺さりまくっていた」ENGの若い両フランカー・6番・カリー(21歳、この大会前12Caps)、7番・アンダーヒル(23歳、10Caps)がこの試合も炸裂するか?
 6 RSAのリザーブ・FW6人・BK2人がこれまでの試合同様、うまく機能するか?
 FW6人にすることによって、スクラムの1列目・2列目全員(1~5番)+3列目の一人を交代させ、後半のFW戦を有利に進めてきた。
 一方で、バックスを二人にしているリスクも常に存在している(幸いに これまでは顕在化しなかった。準決勝では、スクラムハーフの控えを出していない。)。すなわち、マルチプレーヤーのステイン(かつて東芝でもプレーしていた)を交代で入れた後で、ケガ人が出た場合、どうするのだろうか? おそらく、このことから、RSA以外のチームは、リザーブ8人をFW5BK3人にしている。
 7 XファクターとしてのRSA14番・コルビ。彼が爆発すれば(潜在能力は、みんなが認めている。)RSAに傾く。

【 杞憂であれば… 】
 1 ケガは怖い。
 両チーム、ここまで密度の濃い試合を重ねてきているので、かなり傷ついていて、交代しなければならないケガを負うリスクは高まっている。
   ENGは準決勝リザーブから出場したスクラムハーフ・ハインツが負傷したため、急遽、交代要員を本国から呼びリザーブに入れている。また、準決勝で途中交代した切り札・11番・メイ、それから先述した12番・ファレルは、ケガを抱えたままの出場では?
RSAでは、準決勝をケガで欠場した14番・コルビ。
 2 カード
 準々決勝対日本戦のRSA1番・ムタワリナの稲垣に対するタックルは「イエロー」だったが、TMOで見れば(主審・バーンズは瞬時に笛を吹き、ペナルティ・イエローを宣告した。)「レッド」になっていた可能性もある。
 また、準決勝対NZ戦でのENG22番・スレイドのタックルは、TMOの結果、「おとがめなし」となったが、見る角度によっては、ノー・バインドの「イエロー」に見える。
 これらの偶発的なプレーが出るか否か?
   もう一つは、「おバカなプレー」を誘う挑発に乗るか否か?気になるのは、ENG12番・ファレル、RSA9番・デクラーク
 3 天候
      雨よりも風。

【 ポジション別に準決勝のスタッツで見ると 】
(注)もちろん、ボールを動かし続けたNZと対戦したENGと負けないラグビーを仕掛けてたWALと対戦したRSAでは、条件が違い過ぎるので、単純なスタッツ比較は意味をなさないが…
 123番(スクラム一列目)
どちらも強い。RSAは、3人そろって、交代している。(後半8分)これに対して、ENGは、12番が後半30分、3番が後半7分。
123番は、スクラムの特別性から交代選手がケガした場合、元の選手が出場できる。したがって、他のポジションほどケガのリスクを考慮する必要がない。
RSAの換え方は感動的ですらある。なお、RSAの出場6選手、全員がタックル成功率100%。いい仕事をしている。
 45番(スクラム二列目)
モール・ラックでの核でもあり、ラインアウトのレシーバーとしても大活躍。
両チーム選手とも甲乙つけがたい。(ENG4番・イトジェ(24歳、29Caps)はマン・オブ・ザ・マッチ)ENG5番を後半15分交代させている。一方、RSAは、4番を後半13分、5番を後半18分に交代させている。力仕事の核を二人変えられる有利性が生きるか否か?
 67番(フランカー)
ENGの両フランカー、素晴らしい試合だった印象がある。
タックル成功率で見ると、
ENG6番 67%、 7番 89%  、7番の交代選手 100%
RSA6番 100%、 7番 90%  、6番の交代選手 100%
 8
チームの突破役
ENG8番は、35m走って、パス7
RSA8番は、45m走って、パスなし
 9
ENG(リザーブも含めて)パス94回 キック13回 パス/キック比 7,23
RSA          パス41回 キック19回 パス/キック比 2,16
RSAは、ハーフでキックを蹴るパターンが多い。
 10
ENG パス34回、ランメーター26m、キック10回 パス/キック比 3,4
RSA パス8回、ランメーター40m、キック9回 パス/キック比 0,89
RSAは、バックスで展開することが少ない。
RSA10番のパス/キック比は、1以下。であり、かつ、よく走っている。「見えている」ということか?
 1114
ランメーターが ENG11番(44分間出場)41m22番(36分間出場)18m14番 91m計 150m
これに対して、RSA11番 18m、 14番 24m 計 42m
RSA ボールが回ってこない・回してもらえないから 走れなかったのか?
Xファクター・コルビが入って どうなるのか?

【 勝負は時の運 or 正義は勝つ 】
準決勝 NZハカ時のENGの越境 未だに 胸につかえている。
① 確信犯だった(可能性が極めて高い)ことに加えて
② レフリーの注意を無視した という点で
単に 罰金で済ませる問題ではない。
特に レフリーの注意を無視したことは ラグビーの本質に触れている気がする。
たしかに、些細なことかもしれない。あるいは、NZ等だけにハカを行うことを試合前に認めるのはおかしいという主張があるかもしれない。そうであれば、事前にその点を主張し、整理しておくべきである。
ということから RSA がんばれ!

2019年10月29日火曜日

La Patisserie Cyril Lignac Paris

今日はAKIちゃんより、テレビでお馴染みの Cyril Lignac の美味しいケーキが届きました。

ムッシュー岡島さんからの報告・・・

あの試合 見れば見るほど 発見がある 興味深い試合でした。たしかに オールブラックスは強いけれど 一発勝負には弱い という 昔のオールブラックスに戻った気がしています。
準決勝の振り返りを書きました。

強いから勝ったのか、勝ったから強いのか?(準決勝篇)
 【 総論的に 】
準決勝4チーム、いずれのチームも1トライ1ゴールをあげている。勝負を分けたのは、PGでの得点。以前は、ゴール成功率が試合を左右していたが、このレベルでは、ほぼ100%。したがって、① 規律を守る=ペナルティを犯さない ② ペナルティを獲り(盗り)に行く、というのが戦略的に重要となる。
①は、一言で言うとスキル+耐久力=我慢、特に、自陣ではペナルティを犯さない。
②は、大別すると、②-1 スクラムで圧倒しコラプシングを獲る ②-2 ラインアウト・モールでコラプシングを獲る ②-3 ブレイク・ダウン、ラックでノット・リリース・ザ・ボール、ノット・ロールアウェイを獲る ②-4 相手を挑発する ②-5 その他に分けられる。
この点で、NZは、もともと②的な戦略に乏しい感じがしていた。逆にいうと、他の3チームは「勝ちにこだわって」②的な戦略をチームに落とし込めていた感じがする。
 結果として、
第一戦では、NZ11ペナルティを取られ、4PGを決められ、敗北した。ENGは6ペナルティを取られるものの全て相手陣内であり、PGは狙われていないし、決められていない。
第二戦では、WALは8ペナルティを取られ、4PGを決められ、RSA9ペナルティを取られ、3PGを決められたものの、PGの差で勝利した。

【 第一戦 ENG/NZ 】
1) 試合前の練習、NZはオールメンのアタック・ディフェンスを行わず、スクラムも組まず・ラインアウトも合わせず、極めて軽めの練習だけで引き上げた。(他の3チームは、きちんと体を当てていた。)これが、試合立ち上がりのENGのトライに繋がっているのかは定かでないが、謎である。ちなみに、試合終了後、NZのリザーブで途中出場した選手たちは、グランドで練習してから引き揚げている(少なくとも、この試合とその前の準々決勝対アイルランド戦終了後は実見した。試合終了後の練習は、NZのみ)
 2) NZ6番にS・バレットを先発で入れたのも謎。ハンセンHCは「戦略的な起用」と発言していたが、その戦略が顕在化しないまま、ハーフタイムで本職のケインに交替している。これは、選手に対しても悪いメッセージとなったのではないか。
 3) 後半16分、ENG陣内のラックでENGのペナルティ。レフリーの笛の後での「小競り合い」でNZ5番ホワイトロックがENG12番ファレルを押し倒したとして、ビデオが映され、ペナルティの差し替え。この試合の一つのターニング・ポイントとなった。このシーンは、不可解な行動の固まり。なぜ、笛が吹かれた後でファレルがボールの傍に近づいていったのか?通常であれば、クイックリスタートに備えて、自らのディフェンス・ポジションに一目散に戻るのではないか?本当に、倒されて頭を抱えるほど痛かったのか??そもそも、レフリーが笛を吹いた後も寝たままボールを離さないENG4番イトジェの行為は許されるのか???
かつて、『殴られた選手にペナルティを課したレフリーがいた。なぜならば、ラグビー選手は根拠なく人を殴ったりしない。殴られたのはそれなりの不行跡を犯したのであろう、と推定できる。自分(レフリー)は現認していなくても、殴られた事実がそれを証明している。これがラグビーの精神だ。』と教えられた気がする。プロ化した現代ラグビーは、現代社会同様、合法的な挑発行為はOK、手を出したら負け、という決まり。規律を守れなかったホワイトロックは単なる「おばかさん」だったのか…
 4) NZハカの時、ENGV字で取り囲んだ。2011年第7回大会の決勝NZ/FRAでは、FRAが逆V字で並びハカ開始とともに前進し、最後はハーフウェイライン上で一列になり、ハカ終了後、両軍選手がにらみ合った。FRA選手がハーフウェーラインを僅かに越えたシーンでは審判団が自陣に戻るように注意した。(確か、越境したことに対して罰金を支払わされたのでは?)ハカ時に越境してはいけない、というのは不文律、慣習法的に存在している。この試合のレフリーは、WAL人、タッチジャッジ2名はFRA人。当然、FRA人タッチジャッジが越境はだめと注意を与えたにもかかわらず、無視して相手陣に数人が位置したままハカが終わった。実際のところどうだったか勿論定かでないが、確信犯的に違反行為をしたことを許すべきではない。極めて非紳士的行為である。一方で、審判団の反応を見るために故意の越境をしたのではとも勘ぐれる。試合結果から見れば、この非紳士的行為は効果があった、とも言える。
 5) 「NZは強い、だけれどもワールドカップでは勝てない。」というのが、1991年以降のラグビー界の常識だった。すなわち、第2回大会から第6回大会まで優勝していない。1987年に優勝して以来、2011年第7回大会で優勝するまで、5大会続けて、決勝ラウンドで1敗し続けた。一発勝負に弱いという常識を打ち破ったのが、ヘンリー・ハンセン体制。今大会でハンセンHCは退任する。次回大会、おそらく、NZは優勝候補にあがるだろうが、果たして、昔のようにワールドカップと縁のないチームになるのか、どうか?

【 第二戦 RSA/WAL 】
1) 選手層の厚さの違いが如実に出た試合。現在のラグビーは15人ではなく、23人での戦い。WALは、この試合までにもケガで次々に選手を欠いてきていて、この試合でも、前半に、3番・14番がケガで交代。一方のRSAは、予定通りの選手交代を後半に行い最終的に勝利した。RSAが交代で投入したのは、FW6人とBK1人で、SHのリザーブは投入せず。
WALENGNZはリザーブ8人全員を投入している。)
2) 後半23WALがトライし、むずかしい位置からのコンバージョンをハーフペニーが決めて、完全に「負けない」WALペースになった感がした。そして、RSAのキックオフからのリスタートでも、うまく相手陣に入ることができ、残り10分を迎えた。いつもの試合であれば(?)相手陣にいたまま、もっと我慢強くフェーズを重ねるはずなのに、10フェーズ目でドロップゴールを狙って相手にボールを渡す。(トライを取ったシーンでは相手ゴール前で20フェーズを重ね、そこでペナルティを得ている。)それでも、相手フルバックのタッチキックで、まだ相手陣内のマイボールラインアウトで攻勢を続けられるはずが、ラインアウトが機能しなくなってきていた。
3) WALガットランドHCは名将と言われて久しいが、この試合のラインアウト、考え抜かれたラインアウトで長身ぞろいのRSAに対して、なんとか対抗できていた。が、残り10分でラインアウトの綻びが次々に出てきてしまった。これが直接的な敗因だったのでは。ただ、ガットランドWALらしいラグビーが最後まで展開された。
4) RSAから見れば、我慢比べをしながら体力勝負、しかも23人での体力勝負に持ち込んで、ゲームプラン通り、勝利を手にした、ということではないか。この点で、ENGRSAも的確なゲームプランの下、それを堅実に実行できる23人が揃っている、とも言い得る。

 【 興味深いスタッツ 】
 * タックル成功率

  ENG
  NZ
  RSA
  WAL
成功率(%)
     81
     89
     93
     82
タックル数
    147
    164
    147
     74
ミスタックル数
     34
     20
     11
     16
ENG、「よくささってた」印象があるが、タックル成功率は低い。81%は、準々決勝4試合8チームの数字よりも低い。一方で、対戦相手NZの攻撃力によるものとも考えられる。確かに、準々決勝のNZの対戦相手IRE82%であった。そうであるにも拘らず、ENGが完勝した。
ちなみに、個人スタッツを見ると、RSAフルバックのルルー選手、68分間出ていてタックル機会数ゼロ。RSAのディフェンスが優れているのか、WALのアタック力が乏しいからなのか…
* ランメーター/キックメーター

  ENG
  NZ
  RSA
  WAL
ラン(m)(a
    406
    639
    296
    182
キック(m)(b)
    873
    624
    872
    931
(a) / (b)
    0,46
    1,02
    0,33
    0,19
同じ80分を戦いながら、NZだけが走り回っていた感がある。
RSAとともにWALもゲームプラン通りの試合展開だったのかもしれない。WALはボール保持率61%、陣地支配率62%でもあり、理想通りの試合展開だったのであろう。そうでありながら、RSAの超現実主義に敗れた、とでも言えるのだろうか。
* パス回数/キック回数

  ENG
  NZ
  RSA
  WAL
パス回数(a)
    184
    211
     71
    115
キック回数(b)
     37
     28
     40
     41
(a) / (b)
      4,97
      7,54
      1,78
      2,8
5年前に、当時ジャパンHCだったエディさんは、こう言っていた。
『パスとキックの比率。これが世界のラグビーを読み解くカギです。ワールドカップに参加する世界のチームであれば、4回パスしたら、1回はキック、というのが一般的な比率です。ところが、ジャパンの場合は違います。111.パスが11回に対して、キックが1回。これがジャパンに最も適した比率だというのが私の結論です。』
(生島淳『エディー・ジョーンズとの対話』文藝春秋2015年 p52
 ちなみに今大会のジャパンのパス/キック比率は、対ロシア戦 5,08 、 対アイルランド戦 9,13 、 対サモア戦 4,35 、 対スコットランド戦 17 、 対南ア戦 7,85
 * オフロード
ENG 8 、 NZ 15 、 RSA 2 、 WAL 2
ENGは、8番・ブニポラが3回、13番トゥイランギが1
 ちなみに今大会のジャパンは、943812

 【 蛇足 】
3回、第6回大会の優勝は、RSA。第9回も優勝して「筋」を通すのか?
ちなみに、フランスは、第1回・第4回・第7回と決勝に進出して、3度準優勝している。

◎ ジェイミー・ジョセフをヘッドコーチに招聘したのは、今年5月にラグビー協会を追われた人びと。彼らの名誉は回復されないのだろうか?

2019年10月27日日曜日

11月5日のサイン会に合わせて・・・

在仏50周年記念作品集(ParisのFVW出版社・出版)のサイン会(美術評論家のGérard Xuriguera氏同席)の展覧会に合わせて、未だ、公表して居なかった(忘れて居た)1970年制作の作品がたまたま木枠から取り外されたまま見つかったので、木枠を手に入れて張り直し更に材木で仮縁を付けました。当時、日本から持参した8号の船岡キャンバスが手元に残って居たので油絵で描いた作品、美術学校のアトリエでは無く(アトリエでは大きな作品を描いて居たので)自宅のアパートで描いた作品、好き勝手に描いて居た感じ、当時としては珍しいフリーハンドで描いた油絵の作品、来月の5日に初公開します。それと今日は特別な日、午前3時より時計の針を1時間戻して、午前2時に、夏時間が従来の時間帯に戻り、日本との時間差は8時間に成りました。

Rugby World Cup ・準決勝は・・・

ラグビー・ワールドカップ27日は準決勝の南アフリカ対ウェールズ戦、両軍、堅い防御で前半はトライを奪えず、南アはSOポラードが3本のペナルティーゴール(PG)を決め、ウェールズもSOビガーが2本のPGを返して、南アが3点リードで折り返し、後半に入ると、両軍1トライずつを挙げ終盤まで競り合い、16―16の後半36分、南アはポラードが4本目のPGを決めて決勝点を挙げ、南アフリカが19―16で下し、3大会ぶりの決勝進出を決めました。11月2日の決勝(午後6時、横浜国際総合競技場)はイングランド対南アフリカで、2007年大会決勝と同じ顔合わせとなりました(この時は南アが15―6で勝ち2度目の優勝を飾っている)。ウェールズは初の決勝進出を逃し、決勝戦の前日、11月1日の3位決定戦はウエールズ対ニュージーランド戦です。
勇敢なデクラーク(右)

2019年10月26日土曜日

Incroyable Angleterre gagné demi-finale

決勝戦とも言える、準決勝の世界ランキング1位のニュージーランド(NZ)と同2位のイングランドの試合は、大方の予想と違い、19対7でバラ軍団の勝ちでした!、3連勝を目指すオール・ブラック(ス)は試合開始からいつもの重量感とスピードの攻撃を封じられ、バラ軍団の圧力に押され気味で前半、0対10、後半はワントライのみ・・・お互いの力を知り尽くした両者、ある意味でイングランドの完勝でした。今大会のイエローカード0のイングランド、監督の凄さも見せつけました。

正其さんからのニュース

イングランドのタックル、ディフェンスが凄かったです。穴がなかった。オールブラックスの見て楽しいラグビーが完全に封じられました。イングランドあっぱれでしょう。エディーは凄いですね。

台風がもたらした被害・・・

昨夜、宮城県で台風21号の影響による記録的な大雨で避難勧告が仙台市、女川町、大崎市、名取市、岩沼市、角田市、気仙沼市、避難指示は丸森町(25日20時46分時点)に発動され、最小限の被害にと願って居ましたが、台風15、19号の被災地を再び襲い、河川の氾濫は千葉、茨城、福島、宮城、埼玉の5県に及び、各地で浸水被害を与え、10人が死亡、1人が行方不明と報道されて居ました、ご冥福と1日も早い復興をお祈り申し上げます。

2019年10月23日水曜日

登米市の台風19号の被害は・・・

宮城・登米市「道の駅津山」今月26日仮オープンへ

10/23(水) 19:19配信
台風19号では、宮城県登米市津山町でも川が氾濫し、住宅に床上浸水などの被害が出ました。また町内にある「道の駅」も浸水被害を受け、10月26日の仮オープンを目指し復旧作業が続けられています。
 県北部の登米市津山町。台風により住宅57棟が床上、97棟が床下まで水に浸かる被害が出ました。このうち横山地区では近くを流れる南沢川から水があふれ、多くの住宅が浸水しました。被害を受けた住宅では23日も住民たちが荷物の片づけなどに追われ、浸水した住宅の回りでは、市から委託を受けた業者による消毒作業も行われました。
 また近くにある「道の駅津山」も1メートル以上浸水し、木工品や地元の野菜などを販売する施設が被害を受けました。23日は、古川工業高校の生徒がボランティアで駆け付け芝生の広場にたまった小石やごみを取り除く作業に当たっていました。
 道の駅は10月26日から仮設のテントで野菜などを販売する仮オープンを目指しています。                             
仙台放送から最終更新:10/23(水) 19:19

久しぶり、Olivier とランチ・・・

夏休み前にランチをして以来の再会、会社の昼休み時間のランチ、12時15分に会って、14時過ぎ迄、2時間近くお喋り出来ました、いつも若々しい彼と家族の話をして15時には帰宅出来ました。 

ムシュー岡島さんからの便り・・・

負けちゃいましたね…日本は力負けしたので ある意味 さばさば できます。
フランスの負け いまだに うまく消化できません。ノーサイドではなく 負けるが勝ち 次のフランス大会で より強くなるための 一里塚 ということなのでしょうね。準々決勝の雑文を書きました。

負けに不思議の負けなし(準々決勝篇)
 【 4試合を通じて 】
対戦相手の組み合わせ、試合内容ともに異なる4試合。現在のワールドラグビー実力国を二分すると、
① 六か国対抗構成国(ENGWALIRESCOFRAITA: 北半球ティア1)
  勝ちに拘る堅実なラグビー
② ザ・ラグビーチャンピオンシップ構成国(NZSAAUSARG: 南半球ティア1)
 ラグビーは①ボールゲームであり②格闘技でもある。ボールゲームの側面を重視する展開ラグビー・ランニングラグビー志向(NZAUS)と格闘技を重視するSA 、ARGは、南半球グループに属する前は、どちらかというと格闘技重視型、現在は展開ラグビー型へ移行中 (特に 4カ国で組織されているSANZAARが運営する「スーパーラグビー」(日本を拠点とするサンウルブズも来年まで参加)は、エンターテインメント性を追求していると言われている。)と言われており、これら10カ国のうち7カ国にティア2の日本が加わった8カ国で準々決勝が行われた。
QF1 : ENG(北)   vs AUS(南)
QF2 : IRE (北)   vs NZ(南)
QF3 : WAL(北)   vs FRA(北)
QF4 : JAP(ティア2) vs SA(南)
(注)日本は、北半球国であるが、プレースタイルは、どちらかというと南半球的。
 敗因を一言でいうと
AUS:ファンタジーを求めるも精度に欠けた
IRE:ラグビー総合力の差が出た
FRA:レッドカード
JAP:自力差(ティア1とティア2の差が如実に出た)
(注) たしかに 日本は アイルランド、スコットランドに勝った。勝因は、天の時:高温多湿 + 地の利:有利な(不可解な)レフリング + 人の和:長期間にわたっての合宿を積み重ねた(もちろん、これを成し遂げた人びとは称賛されてしかるべき。一方で、他のチームは、それができない金銭的・ビジネス的制約があったことも事実)の三点が 見事に結集されたことにあると理解している。したがって、日本がティア1にどこまで近づいているか、その試金石が対南アフリカ戦だった気がする。そして、勝つチャンスらしきものがなかったのも事実。
【 QF1 : ENG 40 vs 16 AUS 】
興味をひくスタッツから
ボール保持率 ENG 36%   AUS 64% (ゲームを通じて AUSがボール支配)
ランメーター ENG 275m  AUS 578m (AUSが走り回る)
ラン回数   ENG 71   AUS 153
パス回数 ENG 90   AUS 153 (AUSは走るとともにパスでボールもつなぐ)
キックで獲得した距離 ENG 731m AUS 391m
タックル数 ENG 193  AUS 86 (ちなみに ENGは準々決勝8チーム中最大)
他のチームは、QF2 NZ 145 IRE 147、 
       QF3 WAL 152 FRA 103
       QF4 SA 148 JAP 103
 AUSがボールを保持し、走り・パスするも、ENGが的確にタックルして止め、効率よく得点を重ねる。逆に、AUSのタックル数86は最小。唯一二ケタ。

ENGの「リアリズム・勝利重視」が如実に表れているのが、
ラック獲得数 ENG 48 AUS 113 (ちなみに ENGは準々決勝8チーム中最小
他のチームは、QF2 NZ 100 IRE 98、 
       QF3 WAL 75 FRA 90
       QF4 SA 68 JAP 87 )
 相手にボールを持たれて継続されることを厭わない・恐れない。むしろ、相手にボールを渡して走らせて、仕留めるポイントで確実に仕留める。無理にジャッカルを狙わない。マイボールは、素早く相手ゴール目ざして運び、無理にフェーズを重ねない(=ラック数の少なさ)
【 QF2 : NZ 46 vs 14 IRE 】
興味をひくスタッツから、
ペナルティを取られた数 NZ 13 IRE 6
他のチームは、     QF1 ENG 8 AUS 5、  
            QF3 WAL 6(イエロー1) FRA 8(レッド1
            QF4 SA 8(イエロー1)  JAP 8
8チーム中 NZは 最大のペナルティを取られている(しかも そのうちの一つは イエローカード)
 反則を犯さないことも大切だけど、反則を犯さないだけでは勝てない。
 スクラム   NZ 6/6 IRE 7/7
ラインアウト NZ 7/8 IRE 15/15
 セットプレー、IREは確実にすべてを確保。でありながら、なぜ完璧に敗れたのか?
 スタンドで見ていて、「手も足も出ない」と痛感した。
 仮説として、① 勝利のためのXファクターに欠けている(「教科書」通りのプレーは出来るが、すべて相手に読まれてしまっている。だから、セットピースからボールは確保できて、パスをしてみたものの、手詰まりになって苦し紛れにキックする…)
② 世界ランキングにさほど意味がない。
 エディー・ジョーンズがラグビーマガジン誌上で「ランキングに意味があるのは、ワールドカップの組み合わせ抽選まで(すなわち、ランキングに応じて組み分けが決まる。それ以降ワールドカップまでは(およそ2年間)選手選考チームの熟度を増してゆくリスク対応度の向上などに当てる)と言っていたが、まさに直近までアイルランドは好成績を上げ続けたが、チームの完成度は一年前にピーク、選手層は厚みを増さず(これはラグビー小国としては致し方ない、か)、リスク対応度も上げることができなかった。
  ワールドカップ・決勝ラウンドの試合は別物。
 ③ 1995年プロ化以降2000年を過ぎて ビジネスモードの現代ラグビーは ある種「総力戦」であり その国の「ラグビー力」がものをいう。
ラグビーは選手だけでなく、指導者・レフリーも重要であることはいうまでもない。
今大会のヘッドコーチの国籍は、以下の通り。
国籍
20チーム中
準々決勝8チーム中
準決勝4チーム中
NZ
7(NZ,WAL,IRE,JAP,SAM,GEO,FIJ
    4
       2
AUS
3(AUS,ENG,TON)
    2
       1
WAL
3(NAM,CAN,RUS)


ARG
2(ARG,URG)


SA
2(SA,USA)
    1
       1
FRA
1(FRA)
    1

SCO
1(SCO)


IRE
1(ITA)



 NZHCが幅を利かせている。
  ENGHCが一人もいないのは興味深い。
  ちなみに、自国籍人にしかチームを任せていないのは、SAFRAARG
  日本人コーチが海外で活躍する日は来るのか?
 また、今大会のレフリーの国籍は、
主審 : FRA 4, ENG 2, NZ 2, AUS 2, WAL 1, SA 1 12
準々決勝の笛を吹いたのは、QF1FRA QF2WAL QF3SA QF4ENG
 副審 : ENG 2, FRA 1, IRE 1, NZ 1, ARG 1, JAP 1 7
TMO   : ENG 2, NZ 1, SA 1 4
  たしかに IREは一時期ランキング一位に上り詰めたが、ラグビー力には欠けている。
  IREは日本と同じく 副審に一人出せているだけ。(ちなみに、SCOはゼロ)
  今後、日本がワールドラグビー界でどのような地位を占めてゆくのか、戦略が求められる。
 * 準々決勝4試合の主審は、QF1 ガルセス(FRA) QF2 オーウェンス(WAL
                                                  QF3 ペイパ―(SA) QF4 バーンズ(ENG
 このうち 第3戦のペイパーは、試合後ウェールズサポーターと共に 笑いながら肘打ちしている写真がSNS上で広まり フランス協会が猛抗議し ペイパーは謝罪し 準決勝の笛を吹かない(吹けない)ことになった。(このペイパーさん 日本vsサモアの主審です。)
  「外交力」って こういう時に どう動けるか・どう動かせるか。
  スコットランド・アイルランド そういう力がまったくなかったのも事実。
  準決勝 SF1 オーウェンス  SF2 ガルセス と決まったらしい。
 【 QF3 : WAL 20 vs 19 FRA 】
レッドカードさえなければ、あんな「おバカなこと」をしなければ…
ただし リスク管理的観点からすると ① 事前に 乱暴者をどう躾けるか。危ない選手を出さないという選択肢を持つべきでは と ② 事後措置として 14人で どう戦うか を 落とし込めていたのか など 教訓満載の試合です。FRAは、14人になっても20分以上は持ちこたえていたわけだし…
 興味をひくスタッツは、キックの距離メーターが、他の試合とは隔絶して大きいこと。
WAL 1,182m  FRA 1,163m        
他のチームは、 QF1 ENG 731m  AUS 391m
        QF2 NZ  837m    IRE   537m
                             QF4   SA     625m    JAP   408m
 一人減る前から 蹴り合いを繰り返している。いかにも、北半球の試合の典型。

【 QF4 : SA 26 vs 3 JAP 
力の差ははっきりしていた。
セットピース、特にラインアウトは弱すぎた(日本ボールラインアウト13機会のうち、4回スチールされている)。

 QF2:NZvsIREは スクラム・ラインアウトがきちんと取れた上で、それでもIREは「手も足も出なかった」。JAPは、それ以前に「手も足も出ない」…

興味をひくスタッツは、オフロードの回数
SA 2  JAP 12
他のチームは、 QF1 ENG 2  AUS 8
        QF2 NZ  14   IRE   3
                QF3  WAL  3    FRA  11
 明らかに ラグビー観が違う。
 一言でいえば、堅実さを志向する(すなわちオフロードの少ない)SAENGIREWAL と リスクをとる(?) NZAUSFRA

 これは国民性の表れでもあるが、HCの志向性でもある。
  日本は、エディ下ではほぼ厳禁だったのが、現ジェイミー下では推奨(もちろん、単に推奨するというのではなく、そのスキルアップに時間をかけている)されている。うまく「嵌まれば」スコットランド戦の稲垣のトライのように拍手喝采だが、リスクが高いことは厳然たる事実。
  今後の日本ラグビー、どうなっていくのか? 興味深い。
【 蛇足1 勝ちに不思議の勝ちあり(?) 】
でも 今回の4試合 勝つべきチームが勝った と感じている。
QF1:ENG 周到な準備・冷徹なリアリズム
QF2NZ ラグビー大国の実力
QF3WAL 負けないチームの真骨頂
QF4SA フィジカルの強さを前面に出して戦いきる

【 蛇足2 準決勝は? 】
不確定要素としての ①ケガ(試合前、試合中) ②カード ③レフリング
そして ④ポカ・おバカなプレー ⑤ビッグプレー
 SF1 : ENGNZともに隙がない(23人全員が高いレベル)。緊迫した試合が続くのか、それとも、不確定要素で試合が壊れるのか?
 SF2 : WALは もともと選手層が薄いのに加えて けが人続出。総合力でSA優位は動かない。 ただ 常に逆境下にありながら 勝ち続けてきた(というより 「敗けずにきた」と言う方が正確) 負けないチームWALの真骨頂が出るか? SAは 今大会 負けられない試合・勝つために全力で戦った試合がない(唯一 大会初戦の NZ戦があるが あの試合も 勝ちに執着する必要もなく 現に いい試合をしたけど 負けちゃってる) という経験不足が 緊迫した局面で どう出るのか?