4年に一度・ 4年以内に一度の総選挙 次は いつ・何が争点になっているのやら…
2019 W杯・備忘録 313
〜 スポーツマンシップ 〜
スポーツマンシップ わかっているような わからないような… 政治における「民主主義」 経済における「生産性向上」と同じように 呪文にしか受け取れない…
と感ずるのは 子供のころ 「スポーツマン精神に則り 正々堂々と戦うことを誓いま〜す!」という絶叫を 毎春夏 見・聞きしてきたせいであろうか…
広辞苑(第七版)では 「スポーツマンシップ:正々堂々と公明に勝負を争う、スポーツマンにふさわしい態度。スポーツ-パーソン-シップ」とある。
現行のラグビー憲章 「おわりに」の末尾 以下の通り 記されている。
ラグビーは完全にプロ化したが、娯楽スポーツとしての精神と伝統も守り続けている。伝統的なスポーツの特質の多くがうすらぎ、時には異議を唱えられる時代において、ラグビーは、高い水準のスポーツマンシップ、倫理的な行動、そして、フェアプレーを失わずにいることに、まさに誇りを持っているのである。
これまた わかったような わからないような… 娯楽スポーツって? … 高い水準のスポーツマンシップ / 倫理的な行動 / フェアプレー って 三つの違った概念?? … じゃあ 「倫理的な行動」でもなく「フェアプレー」でもない 「高い水準のスポーツマンシップ」って どんな態度・行動なの???
こういう どうでもいい疑問に 考えるヒントを与えてくれたのが 川谷茂樹著『スポーツ倫理学講義』(ナカニシヤ出版 2005年)。哲学/倫理学手法を適用して 「スポーツマンシップ」ほかを 感情論を横に置いて 深堀し 論点整理してくれている。
同書:第1講義・スポーツマンシップについて(1)−弱点を攻めるのは悪いことなのか?−では あの1992年夏:明徳義塾対星稜での 松井に対する五打席連続敬遠を 取り上げ 以下の論考によって 明徳義塾がスポーツマンシップに則っている と結論付けている。
「スポーツマンシップとは競技者としてあるべき姿を示す言葉」(p18)であり 「勝利の追求という大原則」(p24)である。だから 「スポーツを実践するためには単に基本的な身体能力だけでなく、相手の弱点を攻めるという「姿勢」とか「態度」のようなものが不可欠」(p23)であり 「この姿勢や態度が競技者を競技者として成立させているのだとすれば、これこそが競技者として最低限求められるスポーツマンシップではないでしょうか。」(p23)。
だから「「正々堂々」とか「礼儀正しく」とか「他人と協力しあって」とか、これらはすべて競技者を競技者たらしめている原理とは考えられません。」(p29)と明快に解説し 「「勝利を追求しない競技者」という概念は「丸い四角」という概念と同じように矛盾しており、したがってそんなものは存在することができません。」(p29)と明言している。これはこれで 痛快ではある…
第2講義・スポーツマンシップについて(2)−卓越性、強さ、勝利−では 「私たちには、勝ちにこだわり過ぎるのはあまりほめられたことではないという直感があります。」(p44)とはじまり「スポーツマンシップ理解を巡る対立の根底には、人の嫌がることをしてはいけない、だまし討ちは悪いことだという私たちの基本的な対人倫理(常識道徳)と、勝利のために弱点を攻めるというスポーツ独特の原理(倫理)との相克・対立が存在します。」(p44)と分析を進めてゆく。しかしながら、「「卑怯」は論拠にならない」(p51)と断定し 「競技そのものによって達成されるべき価値(=勝敗の決定)と、競技者によってその競技の内部で追究されるべき価値は異なり」「スポーツマンシップとは、競技そのものではなく、競技そのものではなく、競技者の従うべき原理です。そして、その大原則は、勝利の追求です。」としている。
第3講義・スポーツマンシップについて(3)−ルールとエトスーでは 「ルールを守らなければならないことは、小学生でも知っていることです。しかしじっさいには、勝つためにルールはしばしば破られます。勝利の追求とルールの遵守という二つの原理が衝突するのです。」(p70)ということについて 「勝利の追求が最高原則で、ルールの遵守はその下位原則にすぎませんから、基本的には、競技者は負けない範囲でルールに従えばよいのです。」(p103)とまとめている。
リーグワン第6節:ホンダ/NTT 52分:NTT・2番・藤村主将にイエロー J-Sportでは 「反則の繰り返し」と解説していたが レフリーの「シニカル グランディング」という声も聞こえてくる。公式記録では「不行跡」でのイエロー。
エッ? で 録画を見返してみると 2番が自陣22m内で 相手ボールキャリアーをタックルし・自らも倒れる⇒タックルを受けた相手選手がボールを繋ぐ⇒2番は倒れたまま・次なるボールキャリアーにタックルしている。
う〜む。タックラーが倒れたままプレーするのは 競技規則第14条タックル・5に違反し 罰はペナルティ(=イエローではない)。競技規則第9条不正なプレーでは 前回 紹介したとおり 「健全なスポーツマンシップに反するようなこと」は カード対象。
どうやら 「スポーツマンシップに反している」から イエローになった と 類推できる。
魔法の言葉 スポーツマンシップ!?
「法三章」の下「人治(=レフリーにお任せ)」で裁くには無理があり どうしても「法治」にならざるを得ない。だから 競技規則は 次々に 新しい規定が付け加えられてゆく!?
こういうことも 時代を反映しているということなのか それとも 娯楽スポーツから プロ・スポーツに 進化したからなのか…
令和8年2月7日