2022年6月25日土曜日

 岡島レポート・ 2019 W杯・備忘録 134

            2019 W杯・備忘録 134

  移籍 〜
 
 先週末(金・土、午後9時キックオフ)、フランスTop14・準決勝2試合が、異様な猛暑に見舞われているフランス・ニースで満員の観客を集めて行われた。
 第1戦:カストル(以下「CAS」)vsトゥールーズ(以下「TOU」)、TOU6番:ジュロンシュ・9番:デュポン、いずれも今年の六か国対抗優勝のFRA代表であり、かつ、オーシュのジュニアからCASでプロになりTOUに移籍している。
 
 第2戦:モンペリエ(以下「MON」)vsボルドー・べグル(以下「UBB」)、UBB18番:ピカモール・21番・トランデュック、20112015W杯で活躍した元FRA代表、いずれもMONで育成・プロ初契約をした選手。
 
 なんとなく「巡り合わせ」を感じる。昔、そうプロ化以前は、こんなこと(元所属したチームと対戦すること)は滅多に起きなかった。なぜならば、選手の「移籍」は存在しなかったから。選手もコーチもサポーターも、みんな、地域に根差した人びとだった。「移る」ことは稀なことだった。
 プロ化によって出現したのが「選手を買う」という表現。選手は「商品」となり、売買の対象=トレードが出現した。
 そして、選手の売買は国境を越える。
 準決勝2試合の9番・10番は次のとおり。パイヨーグを除いて全員2019W杯メンバー。
 
 CAS
 TOU
 MON
 UBB
    9番
アラタ
URG
デュポン
FRA
パイヨーグ
FRA
ルクー
FRA
  10
ウルダビジェタ
ARG
ヌタマック
FRA
ガルビシ
ITA
ジャリベール
FRA
MONは、67分に9番を21番:アプラシーゼ(GEO)、78分に10番を22番:ポラード(RSA)に交代させている。
 CASTOUUBBの5番は、いずれもAUSの選手。TOUは二列目二人がアーノルド兄弟。
 
 テストマッチでは、選手の国境を越える「移籍」も再び認められるようになった。次回のW杯、これまでの各国勢力図が大きく変わる可能性がある。
 
 フランスラグビー界の勢力図もプロ化によって大きく変わった。かつては、南西地方中心に大中小、さまざまなコミューン(日本の「市町村」に相当する)に根差したクラブが競い合っていた。1980年代のフランス選手権1部は80チームで競われていた。
 プロ化によってチームを財政的に支えるための関係人口の規模が大きくなった。すなわち、大都市でなければプロチームを維持することが困難になってきた。
 準決勝進出の4チームの所在コミューンの人口は以下のとおり。
 
カストル
トゥールーズ
モンペリエ
ボルドー
べグル
  42,079
493,465
295,542
260,958
  78,308
 
 古豪カストル、現在の1部リーグ14チームの中で財政規模は11番目。小都市の伝統チームとして、孤軍奮闘している。
 MONUBBは、新興チーム。
MONは、1986年に設立され、2003年以降、1部リーグにいる。
 UBB、日本語に直訳すると「ボルドー・べグル連合」。べグルは、ボルドーに隣接するコミューン。ラグビー界の名門古豪の1チームで、1969年・1991年にはフランス選手権で優勝している(1991年の主将はラポルト現FRA会長)。プロ化以降財政難に陥り、強くはないボルドーのチームと統合してUBBが発足したのが2006年。
 
 一口に「地域密着」と言っても、かつての「選手・コーチ・サポーター」全員密着型から大きく変質してきている。
 
( 参考 )
2022/6/17  CAS/TOU KSLPFD
「分」は得点時間
大文字は勝者 小文字は敗者のボール支配
K:キックオフ
S:スクラム
L:ラインアウト(L*50:22)
P:ペナルティ (P*はイエロー(orレッド) PG*PGを狙って外したもの)
F:フリーキック
D:ドロップアウト (D*はゴールライン・ドロップアウト)
- :関連するリスタート
 
 
得点
1
16
19
26
39
k P tg
K P-l L L L s L l* dg* D L f s-P-pg
K P p-PG
K p*-L P-l l f L p-PG
k l S-p-L P-l p-L l p* p-PG
0-7
0-10
3-10
6-10
9-10
42
44
60
69
76
K S TG
k tg
K S L P p-L s L l s-f s-P-pg
K l l L S-F L p-PG
k l P-pg* D L T
k s
16-10
16-15
16-18
19-18
24-18
 
 TOUにイエローカード2枚。
 
2022/6/18  MON/UBB KSLPFD
 
 
得点
5
5
12
15
40
k l p-L P-l-P-pg 
K TG
k F l s-f-s L DG
k l-P-l tg
K L l l F l P-l D F l-S l p-L L s p-PG* d S P-l s-p-l DG
0-3
7-3
10-3
10-10
13-10
68
78
K l S l l* p-L-p-L l L f l S-F L* s-P l-P dg* l l P-l L P-l L p-PG
k l l p-L DG* d s-P-l p-PG
k S
16-10
19-10
 
 MON後半の後半PG2本とも自陣から狙いアプラシーゼ(GEO)が決めた。
 
 2試合とも猛暑の中、20分経つと「ウォーターブレイク」で水分補給。フランスの場合、HCを中心に戦術を話し合っている。
 猛暑の影響のせいか、㈰CAS(リーグ戦:1位)vsTOU(同4位)、MON(同2位)vsUBB(同3位)いずれもリーグ戦の結果が反映されている。3〜6位によるBarrageの試合のなかった(=1週間試合間隔の空いた)チームに有利に働いた ㈪省力化(?)の有力手段がドロップゴール。TOU(ヌタマック)・UBB(ジャリベール・トランデュック)が外し、MON(ガルビシ・ブティエ)が決めた ㈫試合は70分過ぎても勝敗は見えず、疲労度の少ないチームが勝利した、と解説者が語っていた。
 
令和4625
 

2022年6月23日木曜日

常設展示室の新しい展示作品は・・・

パリに留学した1969年夏から1974年までの佐藤 達 氏の寄贈作品は当ミュージアムには33点在りますが、今回その中から13点を選定させて頂きました。
1969年から1973年迄の作品は意外と大作は当コレクションには少ないのです。それには原因が在ります。ミラノのパガニー画廊やミラノ郊外レニャーのパガニー野外オープン美術館のオーナーで在ったパガニー氏が1973年に画家ボゾリニー氏の紹介でサトル氏宅を訪ね、彼の大作中心に65点を一括買取してイタリアに作品が移動されました。そんな理由でフランスにも日本にも当時の作品が極端に少ないと言われて居ます。当時の佐藤氏はパリ美術学校の生徒でも在りました。粕谷

2022年6月20日月曜日

Satoru Sato Art Museum 展示室3のタイトルは・・版画 & ドローイング展

第3展示室の新しい展示は 入り口入って左の壁から Giovanni Campus(リトグラフィ)1点、Asdrubal Colmenarez . 2点(リトグラフィ)、正面の壁には左からAndrea Bozzolini . 2点(銅版画)、Antoine de Margerie.2点(銅版画)、右側の壁にLuc Peire (銅版画)1点、Peter Stampfli (ドローイング)1点、Eduardo Chillida(銅版画)1点、廊下側の壁にDaniel de Spirt (版画)2点が展示されて居ます。粕谷さん苦心の選択・見事です。寄贈されて今回、初めて紹介された作品も在り注目されます。12点、全体的に白黒を中心にしたそれで居て明るい展示になっています。

新しい Satoru Sato Art Museum 展示室2のタイトルは・・・

 3階のエレベーターを出て左の部屋が展示室2、そのタイトルは、<戯れと厳格な空間展>。展示された作品は菊池所長はじめ粕谷さんの選定で、展示室2と記された入り口から左側にDaniel de Spirt 、そこから時計回りに、Nico Thumの作品が3点、そしてMarie-Therede Vacossin 、Ines Silva、Asdrubal Colmenarez、Milia Belic、William Barbosaの9点が展示されて居ます。楽しくなる様な優雅で緊張感の在る作品が展示室2に感じ取れました。夏には今回の展示を鑑賞出来るので楽しみで〜す。9点共、収蔵作品図録に掲載されて居ない作品でも在ります(寄贈作品の納入時期が遅く成った理由で)。先月24日のブログで紹介して居ました。小さな作品を綺麗に見せる為にと高さを統一した台作りを菊池所長自ら設計図を書いて作り、白の塗装は男性チームで完成。今回は新しい展示台も見事に活かされて居ます。作品は言わずと知れた素晴らしい作品ばかりです。


今日は父の日でした。

 6月19日と言えば<父の日>。自分の親父を思い出しますが。時代は令和4年、今日は 娘のAkiが私の大好物を届けてくれました。そう言えば、5月の母の日もAkicゃんがケーキを届けてくれたので、今日は甘党の写真を紹介致します。急激な猛暑だった数日間でしたがパリも明日から平年並みの暑さに戻る様です。今日はフランスの立法選挙が行われ、マクロン大統領率いるEnsemble 党は過半数割れでした。

母の日には・・・







2022年6月18日土曜日

岡島レポート・2019 W杯・備忘録 133

             2019 W杯・備忘録 133

  負けたら終わり 〜
 
 トーナメントの試合はリーグ戦の試合とは重みが違う。負けたら終わり、だから、何が何でも勝たねばならぬ… では、どうすれば勝てるのか。
 先週末、スーパーラグビー(以下「SR」)の準決勝2試合とFRAトップ14(以下「Top14」)“Barrage”(仏語で第一義は「ダム」、リーグ戦3位と6位のチームが3位のホームグランドで、4位と5位のチームが4位のホームグランドで戦い、勝者が準決勝に進出し、それぞれ1位・2位のチームと戦う)2試合が行われた。それぞれのリーグの特色が出ていて面白かった。
 
G1SR準決勝 クルセイダーズvsチーフス
G2SR準決勝 ブルーズvsブランビーズ
G3Top14Barrage トゥールーズvsラロッシェル
G4Top14Barrage ボルドーべグルvsラシン92
比較対象として G5:リーグワン決勝 パナソニックvsサントリー
 
 まずは得点  ()内は前半の得点
 
   G1
   G2
   G3
   G4
   G5
勝者
20  (20)
20  (20)
33  (21)
36  ( 8)
18  (10)
敗者
  7  ( 7)
19  ( 7)
28  ( 7)
16  (10)
12  ( 3)
 
 G1G2は雨中戦。G3G4G5は晴天・暑い日の試合。
 G1G2ともに勝者は前半に20点いれ、後半は無得点。偶然なのだろうが…
 前後半で逆転したのはG4のみ。
 
 トライ数は次のとおり
 
   G1
   G2
   G3
   G4
   G5
勝者
   2
    2
    4
    5
    2
敗者
    1
    3
    4
    1
    0
 
 トライが勝利への近道であることは間違いない。
 
 スクラム機会  ()内はPKFKの回数で内数
 
   G1
   G2
   G3
   G4
   G5
勝者
   5 (1)
   5(3)
   7(3)
   6(2)
   6(1)
敗者
  11(2)
   5(2)
   4(2)
   8(1)
   4(3)
 
 スーパーラグビー(=G1G2)も、北半球同様、スクラムでPを狙うようになってきた。G1G2は雨の中の試合ということでスクラム機会が増えていた。
 
 ラインアウト機会  ()内はPKからのもので内数
 
   G1
   G2
   G3
   G4
   G5
勝者
   7(4)
  10(7)
   8(3)
  16(2)
  12(2)
敗者
  11(7)
  17(12)
  12(7)
  12(5)
  15(2)
 
 ラインアウト機会のうちPK由来の比率   (単位:%)
 
   G1
   G2
   G3
   G4
   G5
勝者
   57
   70
   38
   13
   17
敗者
   64
   71
   58
   42
   13
 
 G1G2、ともかくボールが動いてる中で「タッチに蹴り出してゲームを切る」ということが念頭にないようで、その分見ていて面白いのかもしれない。
 
 50:22によるものは、G4・勝者の1回のみ。ルール改正への適応度が高いチームが勝ち進んでいるせいなのかもしれない。
 
 ペナルティ数
 
   G1
   G2
   G3
   G4
   G5
勝者
   13
   12
   11
    9
    6
敗者
    8
   10
    9
    6
    8
 
 G1G4まで、すべて勝者のペナルティ数の方が多い。たまたまかもしれないが、ある種必然の気もする。「つまらない反則」「意味のないP」はある。では、「意味のある反則・P」は存在するのだろうか?「意味がある」か否かは価値観によるだろうが、少なくとも、「リスクを犯してでも…」という心性がチームに勢いをつけている気もする。「Pを減らそう」として「チャレンジ」しなくなれば本末転倒だ。勝つためには「攻め」なければならない。ラグビーにおける「攻め」とは、ディフェンス時にこそ顕在化するのかもしれない。ディフェンス時の「攻め」の行き過ぎがPとなる。それをどこまで気にするのか・制御するのかの塩梅が勝敗を分けるのかもしれない。見ながら、そんなことを考えていた。
 
 G1では、勝者にイエローカードが二回・6番・マテーラ(ARG代表キャプテン)に出されレッドカードに(ローカルルールで20分後に別の選手がプレーできる)。敗者にもイエローカード・1回。
 シンビン中の得点は次のとおり。
カード対象選手
PKの使途
シンビン中の得点
7
敗・7・イエロー
PG
     —
19
勝・6・イエロー
S
23:勝・TG25:敗・TG
31
勝・6・レッド
PKLO
35:勝・TG
(注)「PKの使途」は、カードの対象となったPに係るPKをどう使ったのか
   「シンビン中の得点」の数字はゲームタイム。
 
 この試合、14人のチームが得点している。
 
 G2では、勝者にイエローカードが2回出されている。
カード対象選手
PKの使途
シンビン中の得点
52
勝・2・イエロー
PKLO
57:敗・T
74
勝・7・イエロー
PKLO
76:敗・TG
 
 この試合では、15人のチームがトライを取っている。
 G3G5では、イエロー・レッドは出されず。
 カードが出された時・その後の人数差が生じている時間帯にどう戦うのか、チームの真価が問われる時である。
 
 ゴールラインドロップアウト ()内はドロップアウトで外数
 
   G1
   G2
   G3
   G4
   G5
勝者
   0(0)
   1(0)
   0(1)
   0(1)
   0(0)
敗者
   0(1)
   3(0)
   2(2)
   2(1)
   1(3)
 
 ゴールラインドロップアウト、試合展開にどう影響しているのか、まだまだわからない。
 
 TMO回数
 
   G1
   G2
   G3
   G4
   G5
トライ関連
    2
    -
    2
    1
    2
不正プレー
    2
    2
    -
    1
    -
 
 TMO、いろいろな意見があるが定着してきた感がある。
令和4618