2022年12月3日土曜日

岡島レポート・2019W杯・備忘録157

           12月第1日曜日は 早明戦の日・年の瀬の始まりです

 
  2019W杯・備忘録157
 〜  追試 〜
 
先週末、ANS2022最終週、2試合が行われた。偶然なのだろうが、このシリーズのこれまでの試合で「不本意な試合」が続いた4チームが追試を受けているような気分で見ていた。そして、見事に結果が二分された。やはり勝負は勝たなければ意味がない、そういう冷徹な現実を突きつけた内容だった。AUSRSAの南半球勢は安堵して家路につき、WALENGは嘆くべき年の瀬を迎えた。
 
* WAL/AUS52分:WALがトライ&ゴール=34-13でリードしたところで勝負あった、と思わせた試合。ワンサイドゲーム・ボロ勝ちしてもおかしくなかった。この時間まで1トライのAUSが残り25分で4トライを挙げて試合をひっくり返すなんて… この4トライのうち3トライ(他の1トライはペナルティトライ)は、ナウニガワタワセ(2トライ)とロナーガンがあげたもの。この二人、10AUS-Aの一員として来日しJPNXVと対戦している。ともかく、WAL弱くなったと印象付けられる試合結果となった。
勝負の分かれ目はいくつもあった。38分:AUSゴール前でのトライ阻止行為でAUS9番に「イエロー」。この後、AUSゴール前のWALボールスクラムでAUS3回連続で「P」。そもそも、イエローが出た時点で英語版解説者は「ペナルティトライ」と言っている。であるにも拘らず、その後の反則の繰り返しでも「お咎め」はなく、3回目の「P」の後にレフリーから「次やったらカード」との警告がAUSに出され、スタジアムから大ブーイング。ここで、ペナルティトライ(を取るべきだと感じている)+イエロー(これも妥当)であれば、試合は壊れて・WALのボロ勝ちになっていただろう。それにしても、WAL、ここで取り切れないのが実力、というか、弱さの象徴でもある。前半最後のスクラムから89でインゴールに飛び込むも抱え込まれてヘルドアップ・ハーフタイムに。
後半最初のスクラムでAUSの「P」→AUS17番にイエロー(この時点で15人対13人に)その後、2トライ・2ゴールを挙げて、大量リードとなったのだが… WALから見て暗転したのはどのプレーだったのか。あえて一つのプレーを挙げれば、次のキックオフからの流れの「蹴りあい」でのWAL15番のキャッチミス・ボールを後ろへそらしたことか。まさに「アリの一穴」のように、そのボールをひっかけられWALゴール前に迫られ一気に流れが変わり、AUSのトライ:34-18に。次の「転換点」は、66分:TMOWAL7番が「足をかけて」AUSのボールキャリアーを躓かせたことが大写しにされイエロー。そして、73分:やはりTMOAUSの「トライか否か」を見ている過程でWAL16番の「ゴールライン上に寝転がってモールを崩す行為」が発見され、イエロー+ペナルティトライ。恐るべしTMO
ANS・基本形は各チーム3試合の中、AUSだけは5連戦を戦った。そして、最終戦のラスト20分で爆発して勝利した。タフなチームに成長してきている。
 
* ENG/RSA。策を弄さず・「素」のまま・体力比べをしたら、当然のごとく、RSAが圧勝した、そんな印象が残った。
 
関心のある方は、この2試合の得点経過を(参考)LSLPFD図で追っていただきたい。
 
これでANS2022は終了した。全21試合での各チームのスタッツを見てみると次のようになる。
 
-1% Possession Kicked
 
IRE
FRA
ENG
SCO
WAL
ITA
NZ
RSA
AUS
ARG
 ㈵
 
 
 
10.0
 
 
 
 
11.3
 
 ㈼
  9.0
13.5
  8.1
  8.8
  6.5
10.0
  6.6
  8.8
13.2
22.1
 ㈽
  5.9
14.3
18.2
11.1
13.2
  9.1
  8.1
12.0
  6.9
12.5
 ㈿
10.1
13.4
  6.0
  5.6
12.6
10.7
  7.0
  8.1
  8.6
14.5
 ㈸
 
 
  7.0
 
  6.8
 
 
16.8
  8.9
 
(注) 最左列のローマ数字は「第〇週」の意。
JPNは、「7.3ENG㈽)」「12.5FRA㈿)」
FRAARGは、どの試合でもキックを多用していた。逆に、NZは本能的にキックよりもラン・パスを選択していた。この3チームと比べると、他のチームは、毎試合、戦略を変えていた印象だ(対戦相手を見てなのか、自チームの試行錯誤の過程での選択なのか、気にはなる)。本番でどのような戦い方をするのか、秒読みに入ってきているのだろう。
このシリーズ、「50:22」を見なかった。各チーム、フルバックだけでなく複数人を自陣22m内に置くディフェンスが浸透した結果であろう。その分、ラインディフェンスが多少なりとも手薄になる。そこをどう突くのか、アタック力・構想力の見せ所になってほしい。
 
-2Total Passes
 
IRE
FRA
ENG
SCO
WAL
ITA
NZ
RSA
AUS
ARG
 ㈵
 
 
 
121
 
 
 
 
109
 
 ㈼
130
124
163
139
136
130
128
124
113
  60
 ㈽
200
  72
100
125
139
111
163
  93
131
155
 ㈿
138
156
147
173
148
110
106
167
172
  81
 ㈸
 
 
110
 
153
 
 
  65
132
 
JPNは、「201」「146
興味深いのは、㈽:FRA72vsRSA93」の試合。本番の一つの基準になるのかもしれない。同じ㈽のIRE200」は、FIJ107」戦での数値。
 
-3Rucks Won
 
IRE
FRA
ENG
SCO
WAL
ITA
NZ
RSA
AUS
ARG
 ㈵
 
 
 
  85
 
 
 
 
 
  63
 ㈼
  75
  91
  88
  66
  94
  63
113
  93
  62
  38
 ㈽
  85
  54
  50
  68
  68
  52
  95
  61
  79
  98
 ㈿
  72
  92
  99
  88
  67
  54
  62
  73
106
  78
 ㈸
 
 
  58
 
  81
 
 
  46
  66
 
 
JPNは、「104」「56
興味深いのは、㈸:ENG58vsRSA46」。奇しくも、両チーム合わせたものが、㈽・JPN(対ENG戦)のと同数となっている。
 
(参考)
 
2022-11-26 WAL/AUS KSLPFD
「分」は得点時間
大文字はWAL 小文字はAUSのボール支配
K:キックオフ
S:スクラム
L:ラインアウト
P:ペナルティ (P*はイエロー、P**はレッド、PG*PGを狙って外したもの)
F:フリーキック
D:ドロップアウト (D*はゴールライン・ドロップアウト)
- :関連するリスタート
 
 
得点
k s-P-pg
K S-p-L s L TG
k S l P-pg
K L p-PG
k l-S TG
k P p-L p-PG
k L P-l-P-l-tg
K L p*-S-p-S-p-S-p-S
3
9
14
18
22
27
33
0- 3
7- 3
7- 6
10- 6
17- 6
20-6
20-13
K P-pg* l S-p*-L-p-L-TG
k p-L p-L TG
k F s-P-s t
K l s l S L s l P*-l tg
K s P-l-pt P*
K S-P-l tg
K p-L
46
52
57
67
73
78
27-13
34-13
34-18
34-25
34-32
34-39
 
 
2022-11-26 ENG/RSA KSLPFD
「分」は得点時間
大文字はENG 小文字はRSAのボール支配
 
 
得点
K L s-f-s-P-pg* D p-L p=PG* d f S-p-PG
k s l P-pg
K L p-PG* d l-P-l-P-l D* s-F L s dg
K t
K s P-l P-pg
K
12
18
30
32
39
3- 0
3- 3
3- 6
3-11
3-14
k dg
K S-f p-PG
k P-l P*-l tg
K S-P-l S s-P-pg
K p**-L s p-L-p-L P-l s-P-l p TG
k s s d* p-L p-L-s S P
41
46
49
57
71
3-17
6-17
6-24
6-27
13-27
 
60分:RSA18番が交代早々レッドカード、以降20分間、ENGが数的優位に立ったが、有効に使えていなかった。
 
30分・41分のRSAのドロップゴール、まさに「本番仕様」。今回のANS21試合で、ドロップゴールを決めたのは、ENG/NZでのNZ1本とこの試合の2本のみ。試みて外したのは、ENG/ARGでのARG1本のみ。こうしてみると、ENGと戦うために必須の「飛び道具」なのだろうか…
 
令和4123

0 件のコメント:

コメントを投稿