2022年1月31日月曜日

延び延びに成って居た修復作業を終えました・・

 Marcel から届いて居た100X112cm、1978年制作の絵の修復は、一見、作品の角のブルーが破損しているだけと思って居ましたが、良く見ると表面のホワイトの部分にかなりの目立たない汚れを発見、それがなかなか消せないので塗り直しましたが、微かに、塗り直しの跡が気になるので、結局、改にジェッソを4回、全面に塗り、それからホワイトを塗り、両サイドのブルーとブラックを1回塗り直すと言う作業に成り、ノロマ君、やっと完成に。1976年制作の小さなオブジェは一部破損と言うより、完全破壊に近かったので、これは如何様にも接着剤だけでは修正出来ずに再制作に近い時間がかかりましたが。遂に 2点の作品が完成して、Marcelにメール連絡した所です。実は修復に2年半お待たせしました。😊

2022年1月30日日曜日

岡島レポート・2019 W杯・備忘録 113

                                             2019 W杯・備忘録 113

  ペナルティ ~
 
 昔からペナルティの数はあまり変わらない。当たり前であるような気がするし、不思議な気もする。もちろん、反則をしないにこしたことはない。しかし、規則遵守を貫徹すれば勝利は覚束なくなる。だから、勝者も敗者も反則を犯す。
 
 このところ取り上げている7試合で見てみると次のようになる。
(表-1) 勝者と敗者がPを取られた数
ゲーム
 Ⅰ
 Ⅱ
 Ⅲ
 Ⅳ
 Ⅴ
 Ⅵ
 Ⅶ
勝者
   7
  11
   8
  14
  12
  13
   3
敗者
  10
   8
  10
   8
  13
   9
   9
 必ずしも、Pの数が少ない方が勝っているわけではない。しかし、世の中至る所で「ペナルティを減らせ」が連呼されている。
 
では、どういうプレーでPを取られるか?
 欧州6か国対抗サイトでは、Ruck / Maul / Scrum / Lineout / Offside / on groundの分類で回数が掲載されている。見ているとRuckon groundの回数が同じで分けている意味が理解できていない。一方、Faul playは別カウントでいいのではないかと考え、7試合のPを分類して割合を出してみたのが次の表である。
 
(表-2)Pの原因別割合
                               (単位:%)
ゲーム
 Ⅰ
 Ⅱ
 Ⅲ
 Ⅳ
 Ⅴ
 Ⅵ
 Ⅶ
R
  24
  32
  44
  59
  56
  55
  25
M
   6
   5
   -
   -
   8
   -
   8
S
   6
  16
  33
  27
   4
  32
  42
L
  24
   5
   -
   -
   8
   -
   -
O
  24
  37
  17
   9
   8
   5
  25
F
  18
   5
   6
   5
  16
   9
   -
 
 ラックでの攻防がペナルティの巣であることは間違いない。現在であれば、ノットリリースザボールにノットロールアウェイ。ペナルティの二大巨頭というところか。そして、前回取り上げたスクラム。これが巣になりつつある。
 
 では、PKを得てどうするか? これを7試合で見てみると次のようになる。
①タッチに蹴り出す ②PGを狙う ③スクラムを選択する ④クイックリスタートなど
(表-3)PKの活用割合
                                (単位:%)
ゲーム
 Ⅰ
 Ⅱ
 Ⅲ
 Ⅳ
 Ⅴ
 Ⅵ
 Ⅶ
 ①
  53
  37
  22
  68
  68
  86
  58
 ②
  35
  42
  72
  14
  32
   -
  25
 ③
   -
   -
   -
  14
   -
   -
  17
 ④
  12
  21
   6
   -
   -
  14
   -
(注)ゲームⅣでは、ペナルティトライが1回あった。
 
 意外だったのは、昔もPKを得てタッチに蹴り出すことが多かったという点。当時は、ランアウトが現在のように整理・秩序化されておらず、ボール投入チームの優位性が今ほど確立していなかった気がする。それもあり、他の活用方策に比べるとメリットが大きいと判断して、地域を取ることを目的としてタッチに蹴り出していたのだろう。
 いろいろな意味で「圧巻」なのは、ゲームⅢ:2019W杯決勝、PG比率が異様に高い。もちろん優れたキッカーの存在あってのことである。あの試合が焼き付いているせいか、現代ラグビーはペナルティ取り合い合戦になってきている気がしている。
 
 肝心なことは、反則=ペナルティとその対価が見合っているか否かであろう。
 NZのレジェンド・カーターは、ある試合を回想してこう言っている。
『試合開始から間もなく、僕はレイトタックルを食らった。たいして悪質なものではなかったが、エキサイトした僕は、ペナルティキックを必ず決めてやるという決意を新たにした。しばらくして、今度はハイタックルを受けた。その場所は、キックの届く範囲内だった。絶対に決めてやるー僕は集中した。キックを決めて、反則をすればその代償を支払わなければならないと相手に教えてやろうと思った。』(p16)(『ダン・カーター自伝』(児島修訳 東洋館出版社 2016年)
 
 ラグビーはペナルティの数ではなく得点を競い合うものだ。「よい」ペナルティは失点を未然に防ぐもの、「悪い」ペナルティは失点につながるもの。もちろん、ラグビーは清く正しく美しくならねばならぬという「美」を追究するものであるならばペナルティ撲滅論者となるだろう。しかし、ラグビーは得点という「善」を追究するものだという現実論者は「よい」「悪い」を見極めるようになるのだろう。では、ラグビーにおける「真」とは、何なのだろうか?
 
( 参考 ) 7試合のペナルティの状況
一列目:Pの起きた時間
二列目:「+」勝者が犯したもの 「#」敗者が犯したもの
三列目:原因・起きた場所 F:ファールプレー F!:ファールプレーでイエロー
四列目:PKの活用法。t:タッチへ蹴り出す(1987年当時は、その後のランアウトは相手ボール。現在は味方ボールで再開) G:PG成功 G*PGを狙い外す q:クイックリスタート hp:ハイパント s:スクラムを選択
 
ゲームⅠ:1987W杯決勝NZ/FRA
(前半)
14
20
27
28
30
35
39
40
#
#
#
+
#
#
+
+
M
R
O
L
F
O
R
S
t
t
t
t
G*
t
t
t
(後半)
43
45
50
55
68
72
76
76
81
+
#
#
#
#
+
+
#
+
R
O
R
F
O
F
L
L
L
G
G
t
G
G
q
t
G
q
 
ゲームⅡ:1987年早稲田/明治
(前半)
     0 ~ 20
     20       ~      40
+
+
+
#
+
+
+
#
#
#
R
R
R
S
L
O
O
O
O
R
t
t
G*
t
t
G
G*
t
t
G
(後半)
        40  ~  60
     60  ~  80
#
#
#
+
#
+
+
+
+
O
S
O
S
F
M
R
O
R
G*
G
t
G*
G*
q
hp
q
q
(注)この試合の映像画面では時間表示がなかったので、20分刻みでカウント。
 
ゲームⅢ:2019W杯決勝:RSA/ENG
(前半)
0
8
16
18
20
24
28
33
36
40
#
#
#
+
+
#
+
+
#
#
R
R
S
O
R
S
O
R
R
S
G*
G
t
t
G
G
t
G
G
G
(後半)
43
47
49
52
56
57
61
68
#
#
+
+
#
+
#
+
S
S
S
R
O
R
F
R
G
t
G
G*
G
G
G*
q
 
ゲームⅣ2022リーグワン:NTTコム/神戸
(前半)
5
15
17
18
20
23
26
28
31
34
37
#
#
#
+
+
#
+
#
+
#
+
R
F!
S
R
R
S
O
R
S
S
R
t
PT
t
t
t
t
t
t
t
t
t
(注)15PTはペナルティトライ
(後半)
47
48
55
59
60
63
65
70
77
82
83
+
+
+
+
#
+
+
#
+
+
+
R
R
S
R
R
R
R
S
O
R
R
t
G
t
t
t
q
G
G
t
q
q
 
ゲームⅤリーグワン:サントリー/東芝
(前半)
0
6
9
10
11
13
18
21
30
32
34
35
38
40
#
+
+
#
#
#
#
+
#
#
+
+
#
#
R
F
R
L
L
O
R
R
R
F
R
F
R
R
t
t
t
t
t
G
G
G
G
t
t
G
G*
G
(後半)
42
45
47
50
56
57
60
70
72
76
78
#
#
#
+
+
#
+
+
+
+
+
O
R
M
R
R
R
R
R
M
F!
S
t
t
t
t
t
G
t
t
t
t
t
 
ゲームⅥ:2022大学選手権決勝:帝京/明治
(前半)
3
7
10
15
22
23
25
26
28
31
37
#
+
#
+
+
#
+
#
+
#
+
R
R
S
R
R
R
R
R
R
S
O
t
t
t
t
t
t
t
t
t
t
t
(後半)
42
45
48
56
63
69
70
71
73
76
78
+
+
+
#
#
#
+
+
+
#
+
R
F
R
R
S
S
F
R
S
S
S
t
t
t
t
t
t
q
q
q
t
t
 
ゲームⅦ:大学選手権準々決勝明治/早稲田
(前半)
5
25
30
+
#
+
O
O
O
G*
G
G
(後半)
43
45
53
60
62
64
72
75
80
#
#
#
#
#
#
+
#
#
R
R
S
S
M
S
R
S
S
t
t
t
t
s
s
t
t
t
 
令和4年129