2019年12月24日火曜日

今年の歌い納めは、仙台のレストラン・パリンカで、クリスマス・コンサート、

アルトの圭子ちゃんからの写真が届きました、ピアノ演奏はゲルティンガー祥子さん、(圭子さんは幾何学構成アート系の画家でも在ります)。


2019年12月18日水曜日

Publié 🎉Nouveau Livre par Les Editions de Paris MAX CHALEIL

タイトル・Les rendez-vous de l'Alcazar の本、
既にご紹介の美術評論家の署名な我らが Gerard Xuriguera 氏主催のランチ会、20年を迎えての面白い本がParis のMAX CHALEIL出版社より出版されました。参加者の似顔絵は全て画家 Philippe Lorin のデッサンです、私の似顔絵は葉巻を吹かしている所でした、テキストは質問が在り、それに応える文章ですが各自、好き勝手に返答している様子でユニークで面白い本に出来ています、本は134ページ(カラー)、61名の画家、彫刻家、アート写真家、写真家、建築家、音楽家、映像作家、劇場作家、文学者、哲学者、美術評論家、アート・ジャーナリスト、ギャラリー・オナー、コレクター、画廊・出版社関係者などなど、まさにアートに関わる異業種交流会のランチ会、それも20年間の歴史を持つ仲間の集まり、私も20年前から参加、古い部類に成り、亡くなった方も居ますが、記念に残る貴重な本、今日は MAX の事務所でMax Chaleil ご夫妻と再会、本を頂いて来ました。

Max, Philippe et Gérard

2019年12月8日日曜日

岡島さんの 2019 W ・備忘録 7

~ WALES ~
                                                     2019W杯・備忘録7
WALESは負けない。強いからなのだろうか?
 今大会、トライ数が少ないチームが勝利したのは、45試合中5試合。
M10  URG3T) 30   27 FIJ5T
M14  JPN1T)  19 - 12 IRE2T
M17  WAL2T) 29 - 25 AUS3T
M28  FRA2T) 23 - 21 TON3T
M43  WAL2T) 20 - 19 FRA3T
 5試合中2試合がWAL。接戦に負けない。なぜだろうか?
あらためて、M17 WAL vs AUSをじっくり見返す。
前半はWAL、後半はAUSの試合。得点経過・結果だけをみれば、そうなる。前半23-8、大量リードで折り返して、最終的に29-25で勝った。前半の大量リードを守りきる。確かにそうだ。でも、後半のAUSの猛攻、どうして17点だけで止められたのか?
 この試合のスタッツを見ると、やはり、キャプテン・アラン・ウィン・ジョーンズのタックル数に目が行く。
 負けない理由① : キャプテンが80分ピッチにいて、ピンチの時に体を張り続ける
 今大会でのジョーンズの主要スタッツは次の通り。出場試合すべて80分出ていることは、ロックというポジションからしてすごい。そして、ピンチの時に必ず画面に映る!

 ①
 ②
 ③
 ④
 ⑤
 ⑥
 ⑦
vs GEO
  80
    6
    5
    6
    2
   75
    2

vs AUS
  80
    4
    -
   25
    3
   89
    -
vs FIJ
  80
    1
    1
   16
    2
   89
    -
vs FRA
  80
    6
    2
   15
    -
  100
    -
vs RSA
  80
    2
    -
    8
    -
  100
    -
(注)①出場時間(分) ②ランメーター ③ラインアウト・キャッチ ④タックル ⑤タックルミス ⑥タックル成功率 ⑦ラインアウト・スチール
 WALのキャプテンは、ジョーンズ(1985年生)より年下のウォ―バートン(1988年生)だった。ウォ―バートンがケガのため現役引退したことによる「代役」めいたものもあるけれど、こういうのも巡り合わせということか。ウォ―バートンのケガがなければ、ジョーンズは黙々とロックの役目を果たして、WALは、より強くなっていたのだろうか?
 後半3分、まずWALDG3点追加。26-8。それでAUSに火がついたのか、6TG26-1511分、AUSWALゴール前で12フェーズ重ねるもノックオンで無得点。
16分、WAL・ノットロールアウェイでPAUS・タッチに蹴出してWALゴール前ラインアウト。AUS・ラインアウトモールをWALコラプシングでPAUSPKをタッチに蹴出して再びWALゴール前ラインアウト。AUS・ラインアウトモールが崩れてフェーズを重ね、7フェーズ目でWAL・オフサイド・P。再びAUS・タッチに蹴出してWALゴール前ラインアウト。AUS・ラインアウトモールが崩れてフェーズを重ねる途中でWAL・オフサイド・Pでも「アドバンテージ」で攻撃継続、やっとTG26-22に。反則を恐れない!?
今大会、ペナルティ・トライは、6試合・7回ある。多くは、大勝した挌上チームが獲得したもの。唯一の例外が、勝者WALが敗者FIJに与えたPT
M5  ITA1PT)  47 - 22  NAM
M11 ITA1PT) 48 - 7   CAN
 M18 SCO2PT) 34 - 0  SAM
    M20 NZ1PT) 63 - 0   CAN
    M32 WAL    29 - 17  FIJ 1PT
    M39 WAL1PT) 35 - 13  URG

負けない理由② : 無駄な反則はしない。しかし、トライを阻止するためには反則も厭わない。
ガットランドのWAL
ガットランドのラグビーなのか、それとも、WALのラグビーなのか?
2007年から12年間WALの指揮を執り続けたガットランド。今春、フランスでは、ガットランドを次期HCに据えようとしたラポルト仏協会会長が地域協会会長たちに「外国人HCも可か?」というアンケートを取ったところ反対され、断念した経緯もある。
1963年生まれのガットランド。同年代には、NZHC・ハンセン(1959年生)、ENGHC・エディー・ジョーンズ(1960年生)など。この世代、ラグビー界の大分岐点・1995年のプロ化の時に現役の最終盤を迎えていた。彼らは、「ラグビーが職業足りえない」時代に選手生活を送り、「ラグビー指導が職業足りえるか?」という黎明期にコーチ(業)に踏み出している。今日のワールド・ラグビー界の絶滅危惧種?
ラグビー一筋でありながらも人生経験が豊富である。だからか、何かしらの風格がある。
最近読んだ『エディー・ジョーンズ 異端の指揮官』(マイク・コールマン著 高橋紹子訳 東洋館出版社 2019年)は実に面白かった。今大会前までのエディーの軌跡を詳しく書いた伝記本。この世代の指導者の生き様、経験値の高さ・豊かさを感じさせる。
ちなみに、ハンセンに関して、日本語のウィキペディアでは「1990年にフランスのラグビークラブ「ラ・ロッシェル」にコーチとして1年間在籍」と紹介されているが、フランス語のウィキペディアでは「1987年第1W杯の際、フランスチームの練習相手を務めた縁で、フランスの(著名なラグビージャーナリスト)サルビアックの紹介からラ・ロッシェルで1年間プレーした」とある。この時期のラ・ロッシェルのHCがジャン=ピエール・エリサルド。彼からハンセンの思い出話を聞いた記憶がある、古き良きアマチュア時代のお話を。
負けない理由③ : 理念・哲学を持ったHCが長期計画でチームビルディングする
では、ガットランド時代のWALES。負けなかったのかといったら、意外に負けている。英語のウィキペディアによると、87622分、勝率57%である。強豪国には、負け越している。AUSには3勝13敗、ENG810敗、NZ12敗、RSA5勝11敗。
それでいて今夏WRランキング1位に上り詰めている。今大会を前に勝ち癖をつけたのか。
負けないから勝ち続けるのか、勝ち続けるから負けないのか?
ジャパンはWALESから何を学ぶのか…
 *******
 最近読んだラグビー本
* 『フィジー・セブンズの奇跡』(ベン・ライアン著 児島修訳 辰巳出版 2019年)
 この本も、今大会前に読んでいれば、もう少し違う角度からも見れたのではないかと感じさせられた好著。セブンズ、フィジーへの理解が深まる本でもある。
 * 『紫紺の誇り 明大ラグビー部に受け継がれる北島イズム』(安藤貴樹著 ベースボールマガジン社 2019年)
*『紫紺の凱歌 明大ラグビー部、再建と新時代へ』(明治大学ラグビー部著 カンゼン 2019年)
*『明治大学ラグビー部、復活への軌跡 勝者の文化を築け!監督・田中澄憲の「改革戦記」』(永田洋光著 洋泉社 2019年)
W杯後、続けざまに明治本が出版された。この冬、明治、どこまで勝ち続けるか?

2019年12月7日土曜日

岡島さんの 2019 W杯・備忘録 6

2019W杯・備忘録 6
M43 WAL/FRA
今大会唯一の「1点差」の試合。レッドカードが勝敗を分けた、と言われている。でも、そうなのだろうか?
ラグビーの試合における「1点差」とは? ラグビーでは、1点を得点することはできない。「1点の重み」、ラグビーの1点、それはどこから生ずるのだろうか?
19-10Fリードで迎えた後半9分、TMOで肘打ちの映像が流れ、F・5番ヴァアマイナにレッドカードが示される。ヴァアマイナは、キャプテン・ギラドに謝り、うつむき加減に歩き出す。スタンドオフ・ロペスが近寄り声をかける…
14人で勝った記憶
あの瞬間、多くのフランス人は、「あの試合」を思い出したのではないだろうか。そして、俺たちは勝てるぞ、と…
「あの試合」、2015W杯開始前から始まったフランスTOP142015/2016シーズンの決勝は、バルセロナのカンプ・ノウ(サッカーのバルサのホームグランド)に99,124人を集めて始まった。フランス国内で、サッカーのユーロが開始されたことからのバルセロナ開催。異国での決勝戦に10万人余がつめかける。
戦うは、銀河系軍団トゥーロン(以下「T」)対ラシン92(以下「R」)
いずれのチームにも2015W杯で活躍した各国有力選手ぞろい。
3-3で迎えた前半17分、R9番がT10番にスピアーズ・タックルで一発レッド、以後、R14人で戦うことに。前半14-12Tリードで折り返すも、後半早々、PGで逆転したR29-21で勝利した!
「あの試合」ピッチに立っていた選手が、この試合にも何人かいた。2番・ギラド(Tのキャプテン)、4番・ルルー(R)、6番ローレ(R)、16番・シャ(R)。そして、7番・オリボン、18番・セティアーノは、現在、T所属。
何度もM43 WAL/FRAを見返す。見るたびに新たな発見がある。
点を取られなければ負けなかったのに…
19-10Fリードでのレッドカード。このまま、守りきろう!としたのだろうか…
決勝点を奪われたシーン : Fゴール前のFボール・スクラム。 えっ、嘘だろ、と感じたのは、スクラムがスッと組まれたこと。 ここは 時間をつぶす場面ではないのか、どんな手段を採っても。 少なくとも何度も組み直すのが常道だろうに、フランスでは… Fの一列目は、①バイユ(26歳、17キャップ目) ②シャ(23歳、26C) ③セティアーノ(23歳、6C)。プロ化以前のフランスのプロップは、30歳以上と決まっていたようなものだったのに。 対するWの一列目 ①カレ(21歳、6C) ②オーウェンズ(32歳、73C) ③ルイス(23歳、22C) どちらの1番・3番も、若い+キャップ数が少ない。 違いは、2番の経験の差だったのか? だとすれば、なぜ、Fはレッドカード直後に、2番・キャプテン・ギラド(33歳、74C)を交代させたのか?
 そこに至る過程を逆戻りすると、W・ノックオン  W・ラインアウトからのフェーズ  Wボール・ラインアウト  WPKでタッチに蹴り出す  F・ラックでのペナルティ …  このペナルティ、無駄だったよな、これさえなければ…
もう少し点を取っていれば勝てたのに…
では、点を取りに行っていなかったのか!?
そんなことはない。14人になったからと言って「殻に閉じこもって」「専守防衛」「ハリネズミ化」したらいいというものじゃない。ここぞ!と言うときは 一致団結・襲い掛からなければ… Wゴール前に迫った時間帯もあったのに。
そもそも、Wは、常に15人だったかというと、前半29分、W8番のケガで急遽入った20番・モリアティがF12番にハイタックルでイエロー、10分間を14人で戦うことに。この10分間に、Fは1T・1G7点をあげ、さらにPGを狙うがポストにはじかれてしまう。この試合、F10番・ヌタマックのゴールキックは、2度ポストに当たってはじかれている。
 不動のキャプテン
 守るも攻めるもキャプテンの指揮下!? 逆境の時のキャプテンほど重要なものはない。Wには、世界中が認めるキャプテン・アラン=ウィン・ジョーンズ・5番がフルタイムで出ている(今大会、予選プールのウルグアイ戦を除いて、先発出場。三位決定戦のNZの途中交代を除いて、他の試合はすべて80分間出場している。ロックというポジションでこれだけ出続けている選手は稀有。)それに対して、Fは、大会期間中、キャプテン問題に揺れていた(ミディ・オリンピック)(たしかに、試合中の出来は、シャの方が光っていた)。この試合も、49分までは2番・ギラド、67分までは1番・ポワロ、それからは20番・ピカモールが務めた。80分間体を張り続けられる選手をキャプテンにすべき(だった)のか?
それにしても ウェールズは強い、のか?
トライ数は F・3、W・2。
W2トライは、戦術的に、あるいは、個人技で勝ち取ったものではない。
一つは、前半12分・センターライン付近のFラインアウトからFのラック、そこから出たボールをF9番から2番にパス。2番が両脇にサポートの選手を従えながら、W4番にクラッシュ。頭同士がぶつかって、F2番脳震盪、ボールをこぼす。そのボールが、W6番の前に。このボールをW6番が拾い、独走トライ、ゴールも成功。何度もスローで見返すけれど、こんなシーン、見た記憶がない。
もう一つが、先述のゴール前・相手ボール・スクラムからのもの
ともかく、トライはトライ、当たり前だけど。
 神は細部に宿る!?
1点差」の原因探しをしていくと、80分間のさまざまなプレー、23人の選手+スタンドで観戦する8人、それからHCをはじめとするスタッフ、あらゆることが気になってくる。たった1点なのか、それとも、重い1点なのか…それ以外でも、たとえば、Fの予選プールの3試合すべて南半球の主審、これによって、雑な試合運びがある程度許されてしまっていた、とか、
大会中にチームビルディングを考えていたと思われるから、予選プール対ENG戦が台風で中止になったことは本当に痛かった、とか …
ともかく、結果がすべて。
ノーサイドの笛が鳴り、Wが準決勝に駒を進めた。

2019年12月6日金曜日

岡島さんの 2019W杯・備忘録 5

2019W杯・備忘録 5
14人で戦うということ~
元フランス代表HC・ダニエル・エレロ(Daniel Herrero)著の『ラグビー愛好辞典(Dictionnaire amoureux du Rugby)』「腕立て伏せ(Pompes)」の項は、次の一節で終わっている。
 *** ニュージーランドでは、練習中に一人のプレーヤーがミスしたとき、コーチは練習を止める。そして、各人に50回の腕立て伏せを命じる。全員、でもミスした一人を除いて(仮訳) ***
レフリーがポケットに手を入れ、厳かにカードを天にかざし、そしてプレーヤーに突き付ける。試合の重大な転換点。
その時、心の中で「なんてバカなことをしてくれたんだ!」と舌打ちするのか、それとも「奴の分まで体を張るぞ!」と熱くなるのか、ワン・チーム度を測る絶好の機会となる。
 一方、一人多いチームは、相手チームのどこに歪みが生じるのか、それを見抜き・戦術に落とし込み・実行に移せるか、が問われることになる。
今大会、一枚もカードを突き付けられなかったのは、JPNSCO2チーム。
JPNは、相手チームにイエローカードが突き付けられたのが2試合あった。
① SAM戦、25分にSAM・7番にイエローカード・10分間のシンビンの間に、28分・1T13番ラファエレ)・1Gを上げている。この結果、シンビン前9-6から16-6に点差を広げた。しかし、33分、ペナルティを取られ、SAMPGを狙うも外す。34分にもペナルティを取られ、PGを決められ、16-9と差を詰められた。
② RSA戦、10分にRSA1番にイエローカード・10分間のシンビンの間に、PGを決めた。この結果、シンビン前に0-5だったのが、3-5と点差を詰めた。
まずますの「試合巧者」と評価できよう。
カードを突き出すレフリーで見てみると、予選リーグでの実績は、
オキーフ(NZ3試合でイエロー・1枚、
ガードナー(AUS3試合でイエロー・1枚、
ベリー(AUS4試合でレッド・1枚、イエロー・2枚(レッドに)、
ウィリアムズ(NZ3試合でイエロー・1枚、
ペイパー(RSA2試合でイエロー・1枚、というのが南半球のレフリー。
これに対して、準決勝・決勝の笛を吹いた
ガルセス(FRA3試合でイエロー・6
もう一つの準決勝を吹いたオーウェンス(WAL4試合でレッド・1枚、イエロー・1
三位決定戦を吹いたバーンズ(ENG4試合でレッド・2枚、イエロー・1枚となっている。
「流す」南半球、「けじめをつける」北半球なのか…
 レッドカードを受けたプレーヤーの出場停止期間を決定するDCのレポートの中に、Effect on match という欄がある。
 ENG戦で敗れたARGのロック・ラバニーニの欄は、次のとおりである。
 The Player’s Ordering Off undoubtedly had an effect on the outcome of the match. The Player was ordered off the playing enclosure in the 16th minute of the first half of the match. At that time the score was England 5, Argentina 3. Thereafter, Argentina had to play with 14 Players. At full time the score was England 39, Argentina 10.
的確に敵の弱点を突くENG
 SAM戦で勝利したIREのセンター・アキの欄は、次のとおりである。
 The Player’s Ordering Off did not have any discernible effect on the outcome of the match. The Player was ordered off the playing enclosure in the 28th minute of the first half of the match. At that time the score was Ireland 21, Samoa 5. Thereafter, Ireland had to play with 14 Players. At full time the score was Ireland 47, Samoa 5. 
さすがIRE14人で52分間戦い失点ゼロ、素晴らしい!
 準々決勝、WAL惜敗したFRAのロック・バーマイナの欄は、次のとおりである。
 None, save that the Player’s dismissal probably contributed significantly to France losing this quarter final World Cup match. 
 None、なのか…
試合後、FRAのロック・ルルーは、取材陣にこう言った。
「一番辛い思いをしているのは、彼(バーマイナ)なんだ。」

2019年12月5日木曜日

第7回・こどものためのクラシックコンサート

子供達の為に、100円でクラシック・コンサートを聴けるなんて、凄い企画です!

2019年12月3日火曜日

Signature・ SATORU 1969-2019 à Galerie Wagner

パリの在仏50年記念作品集のサイン会、1回目は11月5日、Galerie Pierre-François Garcier の個展と同時に開催され、今日は Galerie Wagner のグループ展の会場で、2回目の作品集サイン会を開催して頂来ました。1回目も2回目も来て下さった仲間や、1回目に来れなかった仲間も来て下さり楽しいひと時、Aki ちゃんの仲間も来て下さり、楽しいひと時でした。


2019年11月30日土曜日

岡島さんの・2019 W杯・備忘緑 4

    2019 W杯・備忘録 4
Disciplinary Committee
 レフリーが笛を吹いて「ノーサイド」と宣告する。試合が終了し、得点・勝敗が確定する。しかし、確定しないものもある。カードの色は、ノーサイドの後も変わることがある。
 今大会、試合中にレッドカードを突き付けられた選手は9名。最終的にレッドカードが確定したのは13名。なぜか。試合後、Citing Commissioner(以下、「CC」)のreportciteされたプレーヤー(の行為)は、Disciplinary Committee(以下、「DC」)の決定で確定するからである。
 今大会のWRのホームページに掲載されている” RWC 2019 DISCIPLINARY DECISION”の対象プレーヤーは次の通り。
No.
選手名
月日
試合中のレフリーの判断
CCの判断
DCの判断
1
Hodge(AUS)
9/21
   ―
レッド
同左
2
Lee-Lo(SAM)
9/24
イエロー
レッド
同左
3
Matu’u(SAM)
9/24
イエロー
レッド
同左
4
Quill(USA)
9/26
レッド
同左
同左
5
Francis(ENG)
9/26
   -
レッド
却下
6
Gattas(URG)
9/29
レッド
同左
同左
7
Fidow(SAM)
9/30
イエロー×2 
 レッド
同左
同左
8
Lovotti(ITA)
10/4
レッド
同左
同左
9
Quaglio(ITA)
10/4
   -
レッド
同左
10
Lavanini(ARG)
10/5
レッド
同左
同左
11
Larsen(CAN)
10/8
レッド
同左
同左
12
Aki(IRE)
10/12
レッド
同左
同左
13
Ngauamo(TON)
10/13
レッド
同左
同左
14
Vahaamahina(FRA)
10/20
レッド
同左
同左
 上記14事例のうち、今大会で「カード」の色が変わったのは、No.2No.32事例のみ。また、CCの判断が覆ったのは、No.51事例のみ。
以下、No.2,No.3の試合中のイエローがレッドになった事例とNo.5DCCCの判断を却下した事例を詳しくみていく。 No.2No.3は、いずれも924日のSAM/RUS戦でのIncidentであり、プレー直後に、レフリーはTMOと協議し、イエローカードを出している。そして、試合後、CCからイエローではなく、レッドとの判断が出て、DCの協議の結果、レッドが確定している。これに対して、No.5は、926日のENG/USA戦でのIncidentであり、試合中は「流され」(何の笛も吹かれず、TMOも注意していない)、CCからレッドとの判断が出て、DCの協議の結果、CCの判断は却下されイエローとなっている。
 それぞれのDCのメンバーは次の通り。

     No.2, No.3
         No.5
Chairman/JO
Wang Shao-ing
Nigel Hampton QC(NZ)
Other Members of DC
John Langford(former AUS International)
Olly Kohn(former WAL International)
Frank Hadden(SCO)
John Langford(AUS)
 また、プレーヤーとともにPlayer’s Representative(s)として出席した者は次の通り。

    No.2, No.3
         No.5
Player’s Representative(s)
AaronLloyd,Player’sCounsel
Alistair Rogers,SAM Coach
Aloi Alesana,SAM Manager
Richard Smith QC(counsel)
Richard Hill,ENG Manager
 なお、No.2, No.3CounselAaron Lloyd氏は、No.10LavaniniARG)、No.13NgauamoTON)のDCにもPlayer’s Counselとして出席している。(No.13の時は、TONからは誰も出席していない。)
 No.2DCの報告書は、20パラグラフから構成されており、
Par.3でレフリーの報告として、”SAM#13 attempted to tackle Russian ball carrier making direct, high contact to the opponents head. However, with the ball carrier dropping into contact, a yellow card was shown with this drop providing mitigation factors.”が紹介されている。
 これに対して、CCmitigation factorに当たらないとして、レッドと判断し(Par.4)、以下、主として、ビデオでの検証が書き込まれ、最終的に、Par.20
In view of the above, the Panel was not satisfied that the Player had shown on the balance of probabilities that the Citing Commissioner’s decision was wrong to cite the Player. Consequently, the citing was upheld. と決定している。
 No.3DCの報告書もほぼ同様の構成で、23パラグラフからなり、Par.23で、
In view of the above, Committee, by majority,  was not satisfied that the Player had shown on the balance of probabilities that the Citing Commissioner’s decision was wrong to cite the Player. Consequently, the citing was upheld. と決定している。
これに対して、No.5DCの報告書は58パラグラフと倍以上であり、その協議内容も大きく異なっている。
 まず、CCReportwordingについてENG側から事前の書類で疑義が呈され(Par.7)、The Commissioner gave helpful evidence by audio link at the commencement of the hearing.
(Par.8)が議論の出発点になっている。Par.14,
The Commissioner was permitted by the Panel to be asked some questions by the Player’s counsel.から始まり、(おそらく)代理人の弁護士が大活躍していることをうかがわせる。
そして、Par.26で、After the Citing Commissioner had given his evidence, the Chair, in discussion with counsel, identified the issues which were not in dispute from the Player’s perspective; and isolated the remaining issues to be decided.とし、
Par.27で、プレーヤー側もハイタックルであることは認めたうえで、以下でmitigation factorに関する議論が積み重ねられ、
57. That being so, the mitigation should have been applied by the Citing Commissioner, which would have had the effect of reducing the sanction by one level, i.e. from the Red Card level to that of a Yellow Card.
58. The Panel, being satisfied on the balance of probabilities that the Citing Commissioner’s decision to cite the Player was wrong, does not uphold the Citing. とし、The Citing was not upheld. となった。これらの結果、初戦・対ロシア戦を戦ったサモアの2選手は、今大会の残り3試合は出場停止となり、イングランドの選手は出場可能となった。
ちなみに、今回のサモア・チームで前回2015年大会と連続出場は、トゥシ・ピシを含めて7選手であり、この2選手も連続出場組。大会前に出版された『ラグビーダイジェスト 選手名鑑』(サモアの選手は5選手が紹介されている)では、No.2 Lee-Loは『ハードワークを身上とするベテランセンター。上背はさほどないが、攻防ラインで大きな存在感を示す。』、No.3 Matu’uは『当代随一のハードタックラー、スクラムやラインアウトでの技巧も光る。ニュージーランドや英国でキャリアを重ね、経験値も高い。ピッチ内外で頼りになるチームリーダーだ。』と紹介されていた。
この2選手を欠いたサモアが、スコットランド・日本・アイルランドと戦った。
 **********
すっきりしない。
  1. No.2No.3も同様事例なので、No.2を代表例とする。)とNo.5は、いずれも、IWの事例である。
  2. いずれも、IWと判断したのは、CCである。
  3. IWと判断したヘッドコーチ他、CCを除くすべての人々は、「泣き寝入りする」しかない。
  4. これに対して、CCは試合中にレフリーが吹いた(ないしは吹かれなかった)「W」を変更する権限を有する。
  5. No.2は吹かれた「W」、No.5は吹かれなかった「W」という違いがある。
  6. No.2のケースは、TMOからの注意喚起で主審・ポワト、副審・ガルセスがTMOと慎重に画像を見ながら協議し、「ハイタックルでレッド相当、しかし、mitigation factorがあるので イエロー」と合意し、イエローカード・10分間のシンビンとなった。この三者の合意を1人のCCが覆した。副審・ガルセスは決勝戦の笛を吹いたレフリー。ポワトは決勝戦の副審を務めた。すなわち、今大会、一番信頼のおけるレフリー団の笛をCCが覆した。
  7. 競技規則第6条マッチオフィシャルの中で試合中のレフリーの職務として『競技場内では、レフリーは試合中における唯一の事実の判定者であり、競技規則の判定者である。あらゆる試合において、すべての競技規則を公平に適用しなければならない。』と規定されている。
  8. No.2の「W」に関しては、当該笛を吹いたレフリーが説明責任を負う、と考えるのが自然である。
  9. CCが「W」に疑義が生じた場合には、まず、主審(副審、TMO)と協議するのが「筋」である。10. DCの場に物理的に出席できないのであれば、No.5にあるように「by audio link」で協議するのが「筋」である。
11. 9,10の手続きを経ず、突然、「W」について、プレーヤー側に説明責任・挙証責任を負わせるのは理解できない。
12. No.5は、不存在の「W」(笛が吹かれず流した事例)に関しての事案なので、不存在の「W」に関して、レフリーがどこまで説明責任を負うべきか、という問題が生ずるかもしれないが、「W」に関して、プレーヤー側が説明責任・挙証責任を負う、というのは「筋」が違う。
13. プレーヤー側が負う説明責任は、あくまでも自らが行った「I」に関してである。
14. No.5では、DCの場で、プレーヤー側の代理人がCCに質問を発し、プレーヤー(の代理人)が「W」に関して争う構図となっている。
15. これは、法廷劇であって、ラグビーではない。
16. No.2は、試合中に10分間のシンビン(出場停止)という実質的な「罰」を受けて、「おつとめ」を果している。
17. No.5は、試合中、「W」が吹かれなかったことから、実質的な「罰」を受けておらず、なんの「おつとめ」も果していない。
18. であるにも拘らず、No.2DCの決定を受けて、さらに3試合出場停止という実質的な「罰」を受け、「おつとめ」を果さなければならないのに対して、No.5は実質的な「罰」は受けず、「おつとめ」も果さない。これは、あきらかに衡平性を欠いている。