2019 W杯・備忘録 158
〜 秋場所 〜
ANS2022が終了した、まるで秋場所が終わったように。そう捉えてみると、「冬場所」が2月〜3月の欧州六か国対抗、「春場所」が6月〜7月にかけての南半球遠征、「夏場所」が8月〜9月の南半球ザ・ラグビーチャンピオンシップなのだろうか。ただし、JPNなどが参加できるのは、春・秋のみである。これからのラグビーカレンダーがどう変わっていくのか、これはこれで興味深いものがある。
今年の秋場所、欧州六か国から見た「星取表」は次のようになる。
表-1 ANS2022 星取表
NZ | RSA | AUS | ARG | その他 | |
IRE | 〇 19 - 16 | 〇 13 - 10 | 〇 35 – 17 FIJ | ||
FRA | 〇 30 - 26 | 〇 30 - 29 | 〇 35 – 17 JPN | ||
ENG | △ 25 - 25 | ● 13 - 27 | ● 29 - 30 | 〇 52 – 13 JPN | |
SCO | ● 23 - 31 | ● 15 - 16 | 〇 52 - 29 | 〇 28 – 12 FIJ | |
WAL | ● 23 - 52 | ● 34 - 39 | 〇 20 - 13 | ● 12 – 13 GEO | |
ITA | ● 21 - 63 | 〇 28 - 27 | 〇 49 – 17 SAM |
明暗がくっきり分かれている。三連勝のIRE、FRAと白黒入り乱れているENG、SCO、WAL、ITA。
そして、「番付表」は次のように変化した。
表-2 WRランキング ANS2022前後の比較
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
前 | IRE | FRA | RSA | NZ | ENG | SCO | WAL | ARG | AUS | JPN |
後 | IRE | FRA | NZ | RSA | ENG | AUS | SCO | ARG | WAL | JPN |
番付表で見ると、大きな変化はないようにも見える。
では、各チームの持ち点で見るとどうなるのか?
表-3 WRランキング 各チームの持ち点
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
前 | 90.03 | 89.41 | 89.00 | 87.30 | 86.25 | 81.93 | 81.28 | 81.21 | 80.65 | 77.74 |
後 | 90.63 | 90.01 | 88.98 | 88.97 | 83.66 | 81.80 | 81.55 | 80.72 | 78.09 | 77.39 |
持ち点を上げたチームが、IRE(+0.60)、FRA(+0.60)、NZ(+1.68)、AUS(+1.15)。
持ち点を下げたチームが、RSA(-0.03)、ENG(-2.59)、SCO(-0.38)、WAL(-3.19)、ARG(-0.49)、JPN(-0.35)。
ENG、WALの「減点」の大きさが目に付く。これは、WRの持ち点制度が、ホームチームの敗北=アウェーチームの勝利にウェイトを高くしていることによる。
順位間の持ち点差を見ていると次のようになる。
表-4 WRランキング 順位間の持ち点差
1-2 | 2-3 | 3-4 | 4-5 | 5-6 | 6-7 | 7-8 | 8-9 | 9-10 | 10-11 | |
前 | 0.62 | 0.41 | 1.70 | 1.05 | 4.32 | 0.65 | 0.07 | 0.56 | 2.91 | 1.99 |
後 | 0.62 | 1.03 | 0.01 | 5.31 | 2.11 | 0.25 | 0.83 | 2.63 | 0.70 | 1.36 |
順位間の持ち点差が僅差・大差さまざまである。マラソン・駅伝中継ではないが、先頭グループ、第2集団…と分かれているような。顕著なのが、4位と5位、5位と6位の差。ENGは、秋場所前後いずれも5位にいるが、秋場所前は先頭集団の一角であったのが、秋場所で大きく後退し、第2集団に吸収されてしまったようだ。また、WALは、第2集団から第3集団に脱落してしまった。
こうしてみると、ENG・WALのHCが首になったのも「宜なるかな」。
ちなみに、2019W杯終了時点での持ち点は、ENG(88.82)、WAL(88.02)、IRE(84.45)、FRA(80.88)、SCO(79.23)であった。栄枯盛衰は世の常なのか…
令和4年12月10日
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