当たらぬも八卦(決勝・前夜篇)
【 総論的に… 】
1 両チームとも 相手チームの良さを消してゆく 守りの堅い(鉄壁の守り)のチーム
→ ロースコアの試合になりそう
→ 延長戦は?
(注)第3回大会決勝は、延長戦の末 RSA15(PG・3、DG・2)vsNZ12(PG・3、DG・1)で南アの 初優勝。第5回大会決勝は、延長戦の末 ENG20(T・1、PG・4、DG・1)vsAUS17(T・1、PG4)でイングランドの初優勝。ちなみに、敗れた豪のヘッドコーチが現イングランドHCのエディーさん。
2 両チームとも 準決勝のトライは、スタンドオフの縦突破から。80分のうち、どのタイミングでみられるのか? 逆に、きちんと止めるのか?
3 キッカーの出来に大きく左右される。ENGの第1キッカーであるファレル主将、準決勝では途中でキッカーを交代している。どうやら(?)満身創痍の中でのプレーではないか、と想像される。
(注)ファレルの準決勝での個人スタッツを見ると、1 ハンドリングエラー:2(複数回のハンドリングエラーは 両チームでただ一人) 2 タックル成功率 71%(タックル数:15、ミスタックル:6) センターでタックル機会数21回は 最多(ENGのもう一人のセンター11回(成功率88%)、RSA12番は10回(成功率90%)、13番は4回(成功率100%) → ファレルめがけて みんなが突進している!? + きちんと タックルポイントに位置している!?
4 ENGの突破役8番・ブニポラと13番・トィランギをRSAのセンター・フランカー陣がきちんと前で止められるか?
5 準決勝で「刺さりまくっていた」ENGの若い両フランカー・6番・カリー(21歳、この大会前12Caps)、7番・アンダーヒル(23歳、10Caps)がこの試合も炸裂するか?
6 RSAのリザーブ・FW6人・BK2人がこれまでの試合同様、うまく機能するか?
→ FW6人にすることによって、スクラムの1列目・2列目全員(1~5番)+3列目の一人を交代させ、後半のFW戦を有利に進めてきた。
一方で、バックスを二人にしているリスクも常に存在している(幸いに これまでは顕在化しなかった。準決勝では、スクラムハーフの控えを出していない。)。すなわち、マルチプレーヤーのステイン(かつて東芝でもプレーしていた)を交代で入れた後で、ケガ人が出た場合、どうするのだろうか? おそらく、このことから、RSA以外のチームは、リザーブ8人をFW5人BK3人にしている。
7 XファクターとしてのRSA・14番・コルビ。彼が爆発すれば(潜在能力は、みんなが認めている。)RSAに傾く。
【 杞憂であれば… 】
1 ケガは怖い。
両チーム、ここまで密度の濃い試合を重ねてきているので、かなり傷ついていて、交代しなければならないケガを負うリスクは高まっている。
ENGは準決勝リザーブから出場したスクラムハーフ・ハインツが負傷したため、急遽、交代要員を本国から呼びリザーブに入れている。また、準決勝で途中交代した切り札・11番・メイ、それから先述した12番・ファレルは、ケガを抱えたままの出場では?
RSAでは、準決勝をケガで欠場した14番・コルビ。
2 カード
準々決勝対日本戦のRSA・1番・ムタワリナの稲垣に対するタックルは「イエロー」だったが、TMOで見れば(主審・バーンズは瞬時に笛を吹き、ペナルティ・イエローを宣告した。)「レッド」になっていた可能性もある。
また、準決勝対NZ戦でのENG・22番・スレイドのタックルは、TMOの結果、「おとがめなし」となったが、見る角度によっては、ノー・バインドの「イエロー」に見える。
これらの偶発的なプレーが出るか否か?
もう一つは、「おバカなプレー」を誘う挑発に乗るか否か?気になるのは、ENG・12番・ファレル、RSA・9番・デクラーク
3 天候
雨よりも風。
【 ポジション別に準決勝のスタッツで見ると 】
(注)もちろん、ボールを動かし続けたNZと対戦したENGと負けないラグビーを仕掛けてたWALと対戦したRSAでは、条件が違い過ぎるので、単純なスタッツ比較は意味をなさないが…
1・2・3番(スクラム一列目)
どちらも強い。RSAは、3人そろって、交代している。(後半8分)これに対して、ENGは、1番2番が後半30分、3番が後半7分。
1・2・3番は、スクラムの特別性から交代選手がケガした場合、元の選手が出場できる。したがって、他のポジションほどケガのリスクを考慮する必要がない。
RSAの換え方は感動的ですらある。なお、RSAの出場6選手、全員がタックル成功率100%。いい仕事をしている。
4・5番(スクラム二列目)
モール・ラックでの核でもあり、ラインアウトのレシーバーとしても大活躍。
両チーム選手とも甲乙つけがたい。(ENG・4番・イトジェ(24歳、29Caps)はマン・オブ・ザ・マッチ)ENGは5番を後半15分交代させている。一方、RSAは、4番を後半13分、5番を後半18分に交代させている。力仕事の核を二人変えられる有利性が生きるか否か?
6・7番(フランカー)
ENGの両フランカー、素晴らしい試合だった印象がある。
タックル成功率で見ると、
ENG・6番 67%、 7番 89% 、7番の交代選手 100%
RSA・6番 100%、 7番 90% 、6番の交代選手 100%
8番
チームの突破役
ENG・8番は、35m走って、パス7回
RSA・8番は、45m走って、パスなし
9番
ENG(リザーブも含めて)パス94回 キック13回 パス/キック比 7,23
RSA パス41回 キック19回 パス/キック比 2,16
RSAは、ハーフでキックを蹴るパターンが多い。
10番
ENG パス34回、ランメーター26m、キック10回 パス/キック比 3,4
RSA パス8回、ランメーター40m、キック9回 パス/キック比 0,89
RSAは、バックスで展開することが少ない。
RSA・10番のパス/キック比は、1以下。であり、かつ、よく走っている。「見えている」ということか?
11・14番
ランメーターが ENG・11番(44分間出場)41m、22番(36分間出場)18m、14番 91m計 150m
これに対して、RSA・11番 18m、 14番 24m 計 42m
RSA ボールが回ってこない・回してもらえないから 走れなかったのか?
Xファクター・コルビが入って どうなるのか?
【 勝負は時の運 or 正義は勝つ 】
準決勝 NZハカ時のENGの越境 未だに 胸につかえている。
① 確信犯だった(可能性が極めて高い)ことに加えて
② レフリーの注意を無視した という点で
単に 罰金で済ませる問題ではない。
特に レフリーの注意を無視したことは ラグビーの本質に触れている気がする。
たしかに、些細なことかもしれない。あるいは、NZ等だけにハカを行うことを試合前に認めるのはおかしいという主張があるかもしれない。そうであれば、事前にその点を主張し、整理しておくべきである。
ということから RSA がんばれ!
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