2024年9月21日土曜日

岡島レポート・2019 W杯・備忘録 242

30歳・大谷が偉業を成し遂げ 28歳・貴景勝が引退。
国技・大相撲 プレーヤーズ・ファーストになるのは いつの日のことやら…

                                 2019 W杯・備忘録 242
                          〜 M48 RSA/NZ 10 〜
 
「レッドカードは試合をつまらなくする」という感想をよく聞く。おそらく、レッドカードによって数的不均衡が生じ⇒ワンサイドゲームになると、結果論的にレッドカードがゲームを壊したように感じられるからであろう。
しかし、この試合はレッドカードが出されたにもかかわらずワンサイドゲームにならなかった。表面的に見れば「レッドカードが出されたが試合は壊れなかった」と言えよう。
この試合、レッドカードが出されて試合はつまらなくなったのだろうか?「つまらない」「つまらなくない」は ある意味 主観の問題でしかないのだが…
では 事実は どうなのか?
少なくとも レッドカードが出されて 試合は「別物」になった。
 
興味深いのは 以下の数値。
レッド確定前と後でのペナルティ・スクラム・ラインアウトの回数
 
  P
  S
 LO
RSA
レッド前
    3
    2
   4
   後
    7
    8
    6
NZ
レッド前
    5
    1
   10
   後
    0
    1
   12
 
 
  P
  S
 LO
レッド前
34分間)
RSA
    3
    2
    4
NZ
    5
    1
   10
レッド後
46分間)
RSA
    7
    8
    6
NZ
    0
    1
   12
 
これまで何度か指摘してきた通り、レッド後、NZPが「ゼロ」。これは ある種 滅多に見ない数値。NZは強豪国の中では Pの数が多いチーム。一方 強豪国の中でPが少ないRSAが同じ時間帯に「7」。これまた奇妙な数値。レッドの影を感じる。
レッド後増えたのがRSAのスクラム。
これらの事実をどう理解すればいいのか?
RSAのスクラムが増えたのは、NZのミスが増えたから。ミスが増えたのは、数的不均衡によるもの!?
 
ハンドリングエラーの数は次の通り。
 
    決勝
   準決勝
  準々決勝
  準々決勝
RSA
 NZ
 RSA
 ENG
 RSA
 FRA
 NZ
 IRE
    3
   13
    8
   10
    8
   11
    1
    8
 
決勝戦NZのハンドリングエラーの内訳は、14番・ジョーダン、15番・バレットが「3」。10番・モウンガ、12番・バレットが「2」。3番・ロマックス、13番・イオアネ、23番・レイナートブラウンが「1」。BKのハンドリングエラーが目立つ。それだけ RSAのディフェンスが良かったとも言える。単に 数的不均衡が齎したものだとは思えない。
 
ちなみに、スクラムの数は次の通り。
    決勝
   準決勝
  準々決勝
  準々決勝
RSA
 NZ
 RSA
 ENG
 RSA
 FRA
 NZ
 IRE
   10
    2
    6
    5
    7
    6
    5
    0
 
興味深いのは 対象の4試合 いずれも ハンドリングエラーの少ない=スクラム機会の多いチームが勝利している。
そして、決勝戦、試合全体でスクラム機会が「12」ありながら・スクラムでのP(ないしはFK)は「ゼロ」。これまた特異値。主審バーンズさんは、準々決勝:NZ/IRE戦で、スクラム機会「5」のうち3Pを吹いていた。
ちなみに、オキーフさんが吹いた準々決勝:RSA/FRAではRSA「7」のうちPが「2」FKが「1」・FRA「6」のうちPが「2」、準決勝:RSA/ENGではRSA「6」のうちPが「3」・ENG「5」のうちPが「2」。
 
人びとが口々に「ディシプリン・ディシプリン」というのは Pの重みが増してきているから。そして Pの主要発生源がスクラム。多くのノックオン スローフォワードが見えやすいのに比べると スクラムとブレイクダウンでのPは誰が見ても明々白々のものは少ない。そこに レフリーの判断が入る余地が大きい。
 
バーンズさんの演出によって この試合は緊迫したものになった=ワンサイドゲームにならなかった≒つまらない試合ではなかった。しかし バーンズさんの意図・意思を邪推し始めると ある意味 実に「つまらない」試合だったと思えてくる。
 
バーンズさんがNZ8番・サベア(ケイン退場後の主将)に対し 対面し・穏やかな表情で・丁寧に説明しているシーンが何度か映しだされた。これに対して、RSAの選手には 歩きながら・無表情に・素っ気なく話しているシーンしか見られなかった。思い過ごし かもしれない。しかし 大会直後(ということは ほとんどは大会前 あるいは 大会中(=決勝戦前)に書かれていた)出版されたバーンズさんの自伝を読むと 「確信犯」だと思われる。
 
「レッドが出されたことにより バーンズさんのNZ寄りの意識が顕在化し それが微妙な判断に影響し(特にP) 緊迫した試合展開を演出することとなり 結果として 一見つまらない試合ではなかった」気がしてならない。
 
(参考)
レッドカード確定前は、
 
k,l,F,l,p(y:b)=PG,k,s,L,f,L,p=PG,k,l,P-l,P=pg,K,p=PG,k,l,S,l,l,l-P-l,p(y:b)-L,S,l,L,p=PG
 
レッドカード確定後は、
 
k,l,P=pg,K,L,f,L(ハーフタイム)
 
K,gd,d,S,l,P(Y:B)-l,S,l,P-l,S,l-P-l,l,P-l,t,K,L,L,S,l,L,S,l,P-l,S,L,P(Y)-pg×,D,S,s,l,S
 

令和6921 

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