30歳・大谷が偉業を成し遂げ 28歳・貴景勝が引退。
国技・大相撲 プレーヤーズ・ファーストになるのは いつの日のことやら…
2019 W杯・備忘録 242
〜 M48 RSA/NZ 10 〜
「レッドカードは試合をつまらなくする」という感想をよく聞く。おそらく、レッドカードによって数的不均衡が生じ⇒ワンサイドゲームになると、結果論的にレッドカードがゲームを壊したように感じられるからであろう。
しかし、この試合はレッドカードが出されたにもかかわらずワンサイドゲームにならなかった。表面的に見れば「レッドカードが出されたが試合は壊れなかった」と言えよう。
この試合、レッドカードが出されて試合はつまらなくなったのだろうか?「つまらない」「つまらなくない」は ある意味 主観の問題でしかないのだが…
では 事実は どうなのか?
少なくとも レッドカードが出されて 試合は「別物」になった。
興味深いのは 以下の数値。
レッド確定前と後でのペナルティ・スクラム・ラインアウトの回数
P | S | LO | ||
RSA | レッド前 | 3 | 2 | 4 |
後 | 7 | 8 | 6 | |
NZ | レッド前 | 5 | 1 | 10 |
後 | 0 | 1 | 12 |
P | S | LO | ||
レッド前 (34分間) | RSA | 3 | 2 | 4 |
NZ | 5 | 1 | 10 | |
レッド後 (46分間) | RSA | 7 | 8 | 6 |
NZ | 0 | 1 | 12 |
これまで何度か指摘してきた通り、レッド後、NZのPが「ゼロ」。これは ある種 滅多に見ない数値。NZは強豪国の中では Pの数が多いチーム。一方 強豪国の中でPが少ないRSAが同じ時間帯に「7」。これまた奇妙な数値。レッドの影を感じる。
レッド後増えたのがRSAのスクラム。
これらの事実をどう理解すればいいのか?
RSAのスクラムが増えたのは、NZのミスが増えたから。ミスが増えたのは、数的不均衡によるもの!?
ハンドリングエラーの数は次の通り。
決勝 | 準決勝 | 準々決勝 | 準々決勝 | ||||
RSA | NZ | RSA | ENG | RSA | FRA | NZ | IRE |
3 | 13 | 8 | 10 | 8 | 11 | 1 | 8 |
決勝戦NZのハンドリングエラーの内訳は、14番・ジョーダン、15番・バレットが「3」。10番・モウンガ、12番・バレットが「2」。3番・ロマックス、13番・イオアネ、23番・レイナートブラウンが「1」。BKのハンドリングエラーが目立つ。それだけ RSAのディフェンスが良かったとも言える。単に 数的不均衡が齎したものだとは思えない。
ちなみに、スクラムの数は次の通り。
決勝 | 準決勝 | 準々決勝 | 準々決勝 | ||||
RSA | NZ | RSA | ENG | RSA | FRA | NZ | IRE |
10 | 2 | 6 | 5 | 7 | 6 | 5 | 0 |
興味深いのは 対象の4試合 いずれも ハンドリングエラーの少ない=スクラム機会の多いチームが勝利している。
そして、決勝戦、試合全体でスクラム機会が「12」ありながら・スクラムでのP(ないしはFK)は「ゼロ」。これまた特異値。主審バーンズさんは、準々決勝:NZ/IRE戦で、スクラム機会「5」のうち3回Pを吹いていた。
ちなみに、オキーフさんが吹いた準々決勝:RSA/FRAではRSA「7」のうちPが「2」FKが「1」・FRA「6」のうちPが「2」、準決勝:RSA/ENGではRSA「6」のうちPが「3」・ENG「5」のうちPが「2」。
人びとが口々に「ディシプリン・ディシプリン」というのは Pの重みが増してきているから。そして Pの主要発生源がスクラム。多くのノックオン スローフォワードが見えやすいのに比べると スクラムとブレイクダウンでのPは誰が見ても明々白々のものは少ない。そこに レフリーの判断が入る余地が大きい。
バーンズさんの演出によって この試合は緊迫したものになった=ワンサイドゲームにならなかった≒つまらない試合ではなかった。しかし バーンズさんの意図・意思を邪推し始めると ある意味 実に「つまらない」試合だったと思えてくる。
バーンズさんがNZ・8番・サベア(ケイン退場後の主将)に対し 対面し・穏やかな表情で・丁寧に説明しているシーンが何度か映しだされた。これに対して、RSAの選手には 歩きながら・無表情に・素っ気なく話しているシーンしか見られなかった。思い過ごし かもしれない。しかし 大会直後(ということは ほとんどは大会前 あるいは 大会中(=決勝戦前)に書かれていた)出版されたバーンズさんの自伝を読むと 「確信犯」だと思われる。
「レッドが出されたことにより バーンズさんのNZ寄りの意識が顕在化し それが微妙な判断に影響し(特にP) 緊迫した試合展開を演出することとなり 結果として 一見つまらない試合ではなかった」気がしてならない。
(参考)
レッドカード確定前は、
k,l,F,l,p(y:b)=PG,k,s,L,f,L,p=PG,k,l,P-l,P=pg,K,p=PG,k,l,S,l,l,l-P-l,p(y:b)-L,S,l,L,p=PG
レッドカード確定後は、
k,l,P=pg,K,L,f,L(ハーフタイム)
K,gd,d,S,l,P(Y:B)-l,S,l,P-l,S,l-P-l,l,P-l,t,K,L,L,S,l,L,S,l,P-l,S,L,P(Y)-pg×,D,S,s,l,S
令和6年9月21日
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