2019 W杯・備忘録 150
〜 徒然なるままに 〜
JPNXV/AUS-A第三戦を見終わって、まず、勝つことは素晴らしい、そして、三連戦と一発勝負・まったく違った争い方なのだろうなぁ、地力はついてきている・どのチームに対しても勝つ確率が「ゼロ」ではなくなってきたのかなぁ、と素朴に感じた。一方で、たしかに第三戦:52-48の4点差で勝利したけれど、ほぼ「ノーガード」の打ち合いで、内容的には7T・7G・1PGのJPNXVと8T・4GのAUS-A、「勝った、勝った」と喜んでいいのだろうか、とか、いろいろ否定的な感情も沸々と湧いてきた。
この三連戦を通じて一番驚いたのは フィフィタが『文春砲』を浴びながらも 三戦とも先発出場していたこと。キープレーヤーの一人になったことは間違いない。それにしても 日本代表 変わったものだ。かつてであれば、代表から姿を消して(消されて)いたのではないだろうか。
先日 プロ野球パリーグの最終戦ロッテ対ソフトバンクの試合終了後のロッテ井口監督の挨拶の時に スタンドから罵声が飛んでいた。なぜか 昔のラグビー日本代表も よく罵声を浴びていたことを思い出した。2005年春・萩本ジャパンのアドバイザーとしてエリサルドとジョルダ(昨年亡くなられた。ご冥福をお祈りします…)が来日した。縁あって二人とともに過ごすことが多くなり、スタンドで彼らの横で観戦する機会に恵まれた。その時の記憶で未だに深く刻み込まれているのが、スタンドからの日本代表への罵声の大きさ・多さ。あの春、代表ガイジン選手が夜の六本木で事件を起こしてスポーツ紙の一面トップになったりもした後は、凄まじかった。その時、エリサルドが心底驚いていたことを思い出す。なぜ、ピッチ上以外のことで、指弾されなきゃいけないんだ。理解不能だよ…
勝つことによってすべては変わる。選手もサポーターも「お行儀が良くなる」。以前も書いた通り、2015年W杯でのRSA戦の勝利ですべては変わった。2019W杯は期待を上回る成績を残してくれた。現体制への期待・信頼は揺るぎない。これはこれで実に喜ばしいことだ。もちろん、勝つに越したことはないが 負けても未来に希望の持てる負け方が続いている。
でもなぁと思うことも次々出てくる。どの選手を使うのかはその最たるものだろう。もちろん それはHCの専権事項であり 外野があれこれ言うことではない。でも 贔屓の引き倒しではないけど いろいろな選手がピッチ上で躍動する姿を見たいというささやかな願いは消えない。勝利と両立しないのだろうが。ましてW杯を見据えた場合、そんな甘い願望が入り込む余地はないのだろう。たとえば 第2戦リザーブに久しぶりに入った小滝選手、結局 使ってもらえずに 第3戦はメンバー外となった。代表戦の戦いはオールスター戦とは違う。スコッド入りしたからといってピッチに立てる保証はない。まして 来年のW杯まで もう数試合しかない。それは重々わかっているつもりだが…
ここまでの選手起用を見ていると、2023W杯23人の骨格、というより、ほぼすべてが固まってきている気がする。16番:堀江が残り20分ゲームをしめてくれれば…
ともかく期待の持てる代表があることは悦ばしい
一方で、2023W杯後、みんなが「お行儀よく」し続けられるのか、どうなのだろうか?
(参考) JPNXV/AUS-A 三連戦 各試合・10分ごとの数値
表-1 得点
JPNXV | AUS-A | ||||||
㈵ | ㈼ | ㈽ | ㈵ | ㈼ | ㈽ | ||
0~10 | 3 | 8 | 7 | 3 | 0 | 7 | |
11~20 | 0 | 0 | 7 | 3 | 3 | 0 | |
21~30 | 3 | 0 | 14 | 0 | 7 | 0 | |
31~40 | 3 | 0 | 7 | 0 | 0 | 12 | |
40~50 | 5 | 0 | 7 | 7 | 5 | 5 | |
51~60 | 8 | 3 | 3 | 14 | 0 | 14 | |
61~70 | 0 | 10 | 0 | 0 | 0 | 5 | |
71~80 | 0 | 0 | 7 | 7 | 7 | 5 | |
計 | 22 | 21 | 52 | 34 | 22 | 48 |
表-2 犯したP
JPNXV | AUS-A | ||||||
㈵ | ㈼ | ㈽ | ㈵ | ㈼ | ㈽ | ||
0~10 | 3 | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 | |
11~20 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | |
21~30 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 1 | |
31~40 | 0 | 2 | 0 | 2 | 1 | 0 | |
40~50 | 0 | 1 | 2 | 1 | 2 | 0 | |
51~60 | 1 | 0 | 2 | 1 | 4 | 1 | |
61~70 | 3 | 0 | 1 | 2 | 4 | 2 | |
71~80 | 0 | 5 | 1 | 1 | 0 | 2 | |
計 | 11 | 11 | 9 | 10 | 16 | 8 |
表-3 スクラム機会
JPNXV | AUS-A | ||||||
㈵ | ㈼ | ㈽ | ㈵ | ㈼ | ㈽ | ||
0~10 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | |
11~20 | 0 | 3 | 1 | 0 | 1 | 1 | |
21~30 | 1 | 0 | 1 | 1 | 3 | 0 | |
31~40 | 2 | 2 | 0 | 1 | 0 | 1 | |
40~50 | 3 | 1 | 1 | 0 | 2 | 0 | |
51~60 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | |
61~70 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0 | |
71~80 | 0 | 1 | 1 | 3 | 0 | 0 | |
計 | 8 | 8 | 5 | 6 | 10 | 4 |
表-4 ラインアウト機会
JPNXV | AUS-A | ||||||
㈵ | ㈼ | ㈽ | ㈵ | ㈼ | ㈽ | ||
0~10 | 1 | 1 | 2 | 2 | 0 | 2 | |
11~20 | 0 | 3 | 2 | 4 | 0 | 0 | |
21~30 | 2 | 3 | 1 | 3 | 2 | 5 | |
31~40 | 1 | 1 | 1 | 2 | 1 | 0 | |
40~50 | 1 | 2 | 0 | 1 | 2 | 3 | |
51~60 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | |
61~70 | 2 | 2 | 2 | 3 | 0 | 3 | |
71~80 | 2 | 0 | 3 | 1 | 5 | 2 | |
計 | 9 | 15 | 11 | 16 | 10 | 16 |
第3戦の得点数の多さ・Pとスクラムの少なさ、どう考えたらいいのだろうか?
令和4年10月15日
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