2024年10月5日土曜日

岡島レポート・2019 W杯・備忘録 244

 選挙が終わったら 何かが 変わるのですかね…

2019 W杯・備忘録 244
〜 M48 RSA/NZ 12 〜
 
試合の密度を決めるもののひとつに パスの数がある。そして ハンドリングエラー(H.E.)がアクセントをつける。
準々決勝2試合+決勝戦 それぞれの数値は以下の通りだった。必ずしも、すべてのH.E.がパスに起因するとは言えないが、パス数とH.E数の関係性はあると思われる。ということで、その比率も計算してみた。
(表-1 パス数・ハンドリングエラー数・割合)
 
NZ
IRE
RSA
FRA
RSA
NZ
パス数
137
325
  82
150
  84
221
H.E.
   1
   8
   8
  11
   3
  13
P/H.E.
137
  40.625
  10.25
  13.636
  28
  17
 
H.E.が多いのは、総数としては準々決勝:RSA/FRA戦、チームとしては決勝戦のNZ、試合内容を雄弁に物語っているようにも感じられる。
 
まず 23人の誰がパスをしていたか?
(表-2 備忘録222(表-1 背番号別パス数)+決勝戦)
 
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
N
-
1
1
5
3
5
2
7
67
21
1
5
5
7
6
I
7
4
1
7
7
5
10
10
77
73
10
7
19
5
22
R
-
1
-
2
-
1
2
1
24
2
2
5
1
1
-
F
4
6
2
5
2
1
6
3
76
19
3
4
7
7
1
R
-
-
1
1
-
3
2
3
47
11
2
5
-
-
5
N
1
2
1
12
6
2
2
11
81
26
6
16
-
7
17
 
 
16
17
18
19
20
21
22
23
N
-
-
-
-
1
-
-
-
I
3
4
-
3
4
47
-
-
R
-
1
1
4
-
29
3
2
F
1
-
-
3
-
-
-
-
R
1
-
-
-
1
-
1
1
N
-
-
-
3
-
21
6
1
 
ポジション別に集計してみると 以下の通り。
-3 備忘録222(表-2 ポジション別パス数・割合)+決勝戦)
 
 NZ
 IRE
 RSA
 FRA
RSA
NZ
FW一列目
  2 
( 1.5%)
19 
( 5.8%)
  3 
( 3.7%)
13 
( 8.7%)
  2
( 2.4%)
  4
( 1.8%)
FW二・三列目
23 (16.8%)
46 (14.2%)
10 
(12.2%)
20 (13.3%)
11
(13.1%)
36
(16.3%)
スクラムハーフ
67 (48.9%)
124 (38.2%)
53 
(64.6%)
76 (50.7%)
47
(56.0%)
102
(46.2%)
スタンドオフ
21 (15.3%)
73 (22.5%)
  5 
( 6.1%)
19 (12.7%)
11
(13.1%)
32
(14.5%)
他のバックス
24 (17.5%)
63 (19.4%)
11
(13.4%)
22 (14.7%)
13
(15.5%)
47
(21.3%)
  計
137
325
82
150
84
221
 
準々決勝2試合に関しては、備忘録222で次のように書いた。
*******************************
興味深いのは、2試合とも パス数が少ない(相手チームの半分以下)チームが勝利していること。ある意味 ノックアウトステージの怖さを象徴している。これまでも書いてきたことだが、パスはあくまでも手段、リスクを伴うものである。
その意味で考えさせられるのが FW一列目のパス。古典的な(=一列目はパスなんてしない・出来ない…)NZRSAと対称的に現代的なIREFRAIRE・1番・ポーター、FRA・1番・バイユ 現代ラグビーの「申し子」である。滅茶苦茶器用なバイユが グランドに転がるボールを反転しながらパスし・トライに結びついたシーン(21分) 直後に同じ動作に失敗し・相手にボールを渡し・トライされたシーン(25分) 紙一重の怖さを感じさせる。
そもそも全体のパス数がIRE4分の1でしかないRSA、その過半をスクラムハーフがパスしている。それでも絶対数では4チーム中最小。RSAのスタンドオフのパス総数「5」というのも すごい。ゲームプランがぴったりはまった試合だった。
********************************
決勝戦でも ㈰パス数の少ないチームが勝利し ㈪両チームのFW一列目はパスをあまりせず ㈫RSAのパスの過半はスクラムハーフによるものだった。
 
先発・リザーブで見てみると
(-4 先発・リザーブ別パス数・割合)
 
NZ
IRE
RSA
FRA
RSA
NZ
先発
136
(99.2%)
264
(81.2%)
  42
(51.2%)
146
(97.3%)
  80
(95.2%)
190
(86.0%)
リザーブ
   1
( 0.8%)
  61
(18.8%)
  40
(48.8%)
   4
( 2.7%)
   4
( 4.8%)
  31
(14.0%)
 計
137
325
  82
150
  84
221
 
準々決勝RSAのリザーブ比率が上がっているのは、スクラムハーフのリザーブ:21番・デクラークが45分に投入されたことが大きい。
 
ただし、スクラムハーフ除きで見てみても、準々決勝RSAの数値は高い。
(表-5 スクラムハーフを除いた先発・リザーブ別パス数・割合)
 
NZ
IRE
RSA
FRA
RSA
NZ
先発
  69
(98.6%)
187
(93.0%)
  18
(62.1%)
  70
(94.6%)
  33
(89.2%)
109
(91.6%)
リザーブ
   1
( 1.4%)
  14
( 7.0%)
  11
(37.9%)
   4
( 5.4%)
   4
(10.8%)
  10
( 8.4%)
 計
  70
201
  29
  74
  37
119
 
では どのポジションの選手がH.E.をしたのか?
 
 
NZ
IRE
RSA
FRA
RSA
NZ
FW一列目
    0
    2
(25%)
    4
(50%)
    3
(27.3%)
    1
(33.3%)
    1
( 7.7%)
FW二三列目
    0
    2
(25%)
    1
(12.5%)
    3
(27.3%)
    0
 
    0
ハーフ団
    0
    2
(25%)
    1
(12.5%)
    2
(18.2%)
    1
(33.3%)
    2
(15.4%)
他のBK
    1
(100%)
    2
(25%)
    2
(25%)
    3
(27.3%)
    1
(33.3%)
   10
(76.9%)
 計
    1
    8
    8
   11
    3
   13
 
チームとしては、決勝戦:NZの「13」が最多。そのうち、BKで「10」。敗因の一つである。アタックの観点から見れば、レッドによる数的不利⇒キックよりもボールをワイドに振ることを選択⇒パス数の増加 が 考えられ かつ RSAディフェンスの早い上がり=強烈な圧力に さしもの世界的名選手たちが H.E.を繰り返した… では、「レッドなかりせば」NZはどういうアタックをするつもりだったのだろうか… 準々決勝でRSAH.E.を「8」犯している。そのうちの「4」がFW一列目。王者:RSAに一番肉薄したのは、FRAだった!? いろいろと想像を逞しくさせる数値が並んでいる。
 
令和6105

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