2022年9月24日土曜日

岡島レポート・2019 W杯・備忘録 147

                                                2019 W杯・備忘録 147

  公平性・一貫性 〜
 
917日のARG/RSA戦、結果は20-36RSAの勝利で終わったが、68分に20-22ARG2点差まで追いすがり、ホームでARGRSAから勝利かと思わせる数分間があった。ARG、どんどん充実しいいチームになってきている。(試合経過は(参考)をご覧ください。)
 
この試合、ペナルティトライが「2」イエローカードが「4」、ARGPが「18」(直近4試合のPは、1491212RSAPが「16」(直近4試合のPは、77913)。一つの要因はレフリーの稚拙さにあった。「荒れた試合」になってもおかしくなかった。
 
シンビンの有無と得点を見てみると次のようになる。
-1 ARG/RSA20220917) 1行目:時間帯 2行目:ピッチ上の人数 3行目:得点
0~20
20~30
30~40
40~50
50~59
59~65
65~69
69~75
75~80
15vs15
14vs15
15vs15
14vs15
15vs15
15vs14
15vs13
15vs14
15vs15
3-10
3-12
0- 0
0- 0
0- 0
7- 0
7- 0
0- 7
0- 7
 
15人対15人の時間帯だけで見れば3-17、これが実力差なのかもしれない。
では、どういう状況で「イエロー」が出されたのか。
-2 ARG/RSAの「イエロー」
 
状況
20
A10
ARGゴール前のラックからR9がインゴールに飛び込むのをA10がラックオフサイドの位置からタックルし防ぐ 
⇒ RSAのペナルティトライ+イエロー
40
A9
直前にレフリーからARGに「反則の繰返し」の警告あり。A9:オフサイドを犯しイエロー
59
R15
映像で見る限り、事前にレフリーからの警告があったように見受けられないが「反則の繰返し」(?) でR15:オフサイド・イエロー
65
R20
RSAゴール前スクラムからA21がインゴールに飛び込むのをネックロールで防ぐ 
⇒ ARGのペナルティトライ+イエロー
 
ペナルティトライは、競技規則で次のように定められている。
8条得点 3. ペナルティトライは、相手による不正なプレーが、トライが得られる、または、より有利な位置にて得られるのを妨げた場合に、ゴールポストの中間に与えられる。原因となった反則を犯したプレーヤーは、注意を受けるか、一時的退出か退場とならなければならない。コンバージョンは行わない。
 
気になったのは、20分のイエロー。ペナルティトライをRSAに与えているだけに、常識的(?)に考えれば、「注意だけ」が妥当だった気がしてならない。
この試合でのペナルティトライ、妥当性が高いと感じた。一方で、これでペナルティトライであるならば、これまでの試合でしばしば見受けれた相手ゴール前のマイボールラインアウトでモールを組んで相手のコラプシングのPでトライを阻まれるシーンでもペナルティトライにすべきだなぁと思ってしまった。
 
さて、同じ表を先日の問題山積のAUS/NZ20220915)でも作ってみた。この試合はイエローがAUSに「3」、NZに「1」、計「4
 
-3 AUS/NZ20220915
   0~25
  25~35
  35~45
  45~50
  50~60
  60~80
  15vs15
  15vs14
  13vs15
  15vs15
  14vs15
  15vs15
  10-10
   0- 0
   0- 7
   3- 0
   7-14
  17- 8
 
15vs15で戦っている時間帯だけでは30-18AUSが上回っている。
 
-4 AUS/NZのイエロー
 
状況
25
N20
NZゴール前のAUSラインアウトからモール、NZP(コラプシング)のアドバンテージが出ている中、AUSがトライ
⇒ トライ後、N20にコラプシング(?)でイエロー
(注)なぜカードが出されたのか、理解不能
35
A14
AUSゴールから20mのあたりでNZ11の独走を止め、ラックでノットロールアウェイ
(注)トライを妨げたとまでは言えず、これでイエローは重すぎる
35
A19
上記と同じラックで笛が吹かれた後にTMOで相手選手の足に入って捻ったとしてイエロー
(注)テレビ解説その他で「レッド」だとの意見が多数。後日、レッド相当とされ、当該選手に6週間の出場停止処分が課せられた
50
A9
AUSゴール前20mNZラインアウトからのモールで前進し、ゴールライン6m付近でモールに入り・崩したとしてイエロー
(注)なぜ、ペナルティトライではないのか?
Midolは「A9はペナルティを犯していない。仮にレイナルの判断に従うとすれば、ペナルティトライを与えなければおかしい」としている。
 
上記の表に出てこないが、57TMONZ2の危険なタックルが確認されながら、なぜか単なるペナルティでカードは出されなかった(これも理解不能)。他のレフリーとの笛の違いがその他にも散見された。
 
ラグビー憲章:競技規則の原則:適用の中に次の一文がある。「マッチオフィシャルは、公平性、一貫性、細やかな感性、そして、必要に応じて管理能力をもって、これら(≒ゲームがプレーの原則に従ってプレーされること)を実現させていくことができる。」
 
「公平性」「一貫性」、もちろん1試合の中でも必須であるが、どの試合でも(≒どのレフリーが吹いても)同じ笛になることが望ましい。その意味では、個性的なレフリーは外されていくべきなのだろう。
 
( 参考 )
2022-9-17 ARG/RSA KSLPFD
「分」は得点時間
大文字はARG 小文字はRSAのボール支配
K:キックオフ
S:スクラム
L:ラインアウト
P:ペナルティ PY:イエローカード (PG*PGを狙って外したもの)
F:フリーキック
D:ドロップアウト (D*はゴールライン・ドロップアウト)
- :関連するリスタート
 
 
得点
7
11
20
23
27
32
K S-f S-p-L l p-PG
k P-pg
K P-pg* D L p-PG* L-P-l pt (PY)
K p-PG
k P-l-P-l-P-l tg
K P-l P-l t
K s-p-L L-s-P-l P-s PY-l
3- 0
3- 3
3-10
6-10
6-17
6-22
65
68
74
79
k l s P-l d* P-l p-L p-L P-l S S p-L S py-S s-p-L p-S p-S PT(py)
k p-L TG
k p-L P-l-P-l tg
K L p-L P-l tg
13-22
20-22
20-29
20-36
 
令和4924

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