2020年4月19日日曜日

岡島レポート・2019W杯・備忘録18

               2019W杯・備忘録18
              ~ Finisher ~
 備忘録17で取り上げた「M41 ENG/AUS戦」終了後の記者会見で、エディー・ジョーンズHCは、「私たちの選手選択に満足している。10-12-13という軸が、この試合では、まず、ディフェンスで機能した。私たちが期待した通りに各人が役割を果たした。また、(後半20分に13番・スレードに代わって出場した)ジョージ・フォードは信じられないプレーでゲームに入った。キックでAUSを翻弄し、彼のスキルがチームに多くをもたらした。」と語った。それについて記者が「フォードを先発から外したことを後悔していますか?」と質問したのに対して「外したんじゃないんだ、君! 彼に相応しい役割を与えたんだ。君のラグビーの見方を変えなきゃいけないんだ。今や、ラグビーは23人で戦うんだ、23人でだ!」と諭している。
 疑問に感じたAUSのPK選択のすぐ後、ENGは(予定通り)13番・スレードを下げてフォードを投入した。この結果、ENGの10-12-13は、
10.ファレル(188cm/92kg)12.トゥランギ(185cm/111kg)13.スレード(188cm/88kg)(以下、「Dセット」)が
10.フォード(178cm/84kg)12.ファレル(188cm/92kg)13.トゥイランギ(185cm/111kg) (以下、「Aセット」)へ。
 意図した選手交代。アグレッシヴなディフェンスから仕掛けるアタックへ。見事に決まった。解説の野沢さんがよく「フレッシュ・レッグ」と言っているが、フォードについては戦術の変更を指揮する「フレッシュ・ブレイン」と言ってもいいのかもしれない。
 10-12-13の軸について、決勝ラウンドのENGをみると
AUS戦 Dセット -(後半20分)→ Aセット
NZ戦  Aセット (後半33分に13.トゥイランギが23.ジョセフ(183cm/90kg)に
RSA戦 Aセット -(後半10分)→ Dセット
 結果論だが、決勝、AUS戦と同じ10-12-13を先発させて戦っていたなら、どういう展開になっていたのだろうか?
 準決勝、完勝のNZ戦後、エディー・ジョーンズHCは、「私は、フィニッシャー(最後の15人)を先に決めた。それを決めてから、先発の15人を決めた。(ラスト20分は)一番重要な時間帯だ。NZに勝つためには、フィニッシャーが大事なのだ。」と語っている。(松瀬学・WebSportiva 2019・10・27)
 「リザーブ」と称される16番から23番の選手。現行競技規則では、「replacement」「交代/入替えのプレーヤー」と記されている。競技規則・3条・チームで「4項. 国際試合においては、協会が指定する交替/入替えのプレーヤーの数は8名以内とする。」と規定されている。
彼らを、どういう状況・どの時間帯で投入するか、①ゲーム開始前に思い描いていた通りに投入できているか、それとも②ケガなどのアクシデントで想定外の投入をせざるを得ないのか、はたまた、③選手の不出来でやむを得ず変えざるをえなくなっての投入なのか、勝負の分かれ目である。
それにしても、8人。彼らは「replacement」であり「finisher」でもある。15人の過半数が交替できると考えるのか、7人の軸を決めるのか、7人と8人の関係も興味深い。
 この大会決勝ラウンドのENGの16番から23番の投入時間帯は、次のようになっている。

16
 17
 18
 19
 20
 21
 22
 23
QF
vsAUS
Dickie
後28
Marler
後28
Cole
後23
Kruis
後23
Ludlam
後28
Heinz
後32
Ford
後20
Joseph
後33
SF
vsNZ
Dickie
後29
Marler
後29
Cole
後6
Kruis
後14
Wilson
後29
Heinz
後22
Slade
後4
Joseph
後33
F
vsRSA
Dickie
後19
Marler
後5
Cole
前2
Kruis
後0
Wilson
後19
Spencer
後35
Slade
後9
Joseph
後29
 AUS戦は、①思い通りの交代の8人
NZ戦は、②11番メイの負傷交代(22に)があるものの、終始リードし、完璧な勝利
RSA戦は、②3番シンクラーの負傷交代(18に、しかも、前半2分)と11番・メイの負傷交代に加えて、③10番フォードを変えざるを得なかった。
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 今週月曜日のミディ―オリンピックで、フランス代表のイパネスGMが「今回の6か国対抗の初戦、快勝のENG戦のノーサイド後、ロッカールームで喜んでいたら、ENGのマーラーがジャージを手にして入ってきた。そして、対面のアウアに手渡した。慌ててアウアは自分のバックからジャージを取り出したら、マーラーが「これはお前の初キャップのジャージだろ。大切に持っときなよ」と言って立ち去った。奴らが4週間後に出場停止処分になるなんて」と述懐している。
 フロントローって、万国共通で「心優しい人」なのだろうか…

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