2019W杯・備忘録19
~ 不動の8人 ~
ラグビー・マガジン4月号の『解体心書』は、南アフリカのロックで、大会後、ホンダ・ヒートでプレーするスナイマンを取り上げている。この中で、スナイマンは「(RSAは)はじめから試合時間を60分と20分に分担する考えでした。60分組は相手の体力を削り、ダメージを与えるプレー。そして20分組が登場してとどめを刺す。」と語っている。
今大会・決勝ラウンドにおける南アの16番から23番の投入時間は次のようになっていた。
16
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17
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18
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19
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20
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21
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22
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23
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QF
vsJPN
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Marx
前36
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Kitshoff
後13
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Koch
後13
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Snyman
後22
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Mostert
後26
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Louw
後27
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Jantjies
後33
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Steyn
後31
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SF
vsWAL
|
Marx
後7
|
Kitshoff
後7
|
Koch
後7
|
Snyman
後12
|
Mostert
後17
|
Louw
後28
|
Jantjies
-
|
Steyn
後28
|
F
vsENG
|
Marx
前21
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Kitshoff
後3
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Koch
後3
|
Snyman
後19
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Mostert
前21
|
Louw
後23
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Jantjies
後36
|
Steyn
後27
|
それにしても、16番から23番、まったく同じメンバー!
Finisher、スナイマンは、各試合、必ず後半半ばで「登場してとどめを刺し」ている。
先発メンバーは、ウィング・コルビのケガの影響で、14番がコルビ(QF)→ンコシ(SF)→コルビ(F)と変更があった。
8人の内、6人がFW。
フッカーは、そもそも16番・Marxって「世界最高」という形容詞がつくのを何度も聞いたけど、ベンチ・スタート。先発のケガ・出来で前半からも出場。
17番・18番(プロップ)は、3試合とも、同時交代。
ロックの二人、19番・20番は、後半20分前後に投入される。決勝戦、20番は先発のケ
ガで前半から投入されるというアクシデントがあったが、問題は起きなかった。
21番は、6番・キャプテン・コリシとの交代で、残り10分で投入。
10番から15番まで、どのポジションでも出来ると言われている23番・ステインは、QF、14番・コルビとの交代、SF、Fは、15番・ルルーとの交代。
南ア、1番から6番の先発メンバーを途中で代えて、7番から15番は、基本、80分間プレーし続けている。決勝ラウンド3試合、危なげなく勝利し、死角がなかった!?
南アの16番から23番の構成・投入時間帯の考え方、これからの「世界標準」になっていくのか、興味深い。1月に始まった6か国対抗で、イングランドがリザーブ:FW・6人、BK・2人で戦っていた。果たして、ほかのチームも追随するのか…
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今週のミディ・オリンピックは、Covid-19に脆弱なプロリーグについての記事が多く出ている。
そのうちで、ウルフ・仏トップリーグ機構会長(前・仏ラグビー・プロリーグ副会長、元クレルモン会長)の対談を要約してみる。
・ 歴史的に、スポーツは利潤を求めるものではなかった。勝利を目指すもので、そこに競争が生じる。これに対し、古典的なビジネスの世界、もちろんそこにも競争はあるが、それよりも上位の目的、すなわち利潤追求が存在した。だから、ビジネスでは、業界2位でも利潤をあげていれば勝者だった。しかし、スポーツでは、利潤が出ても2位であれば敗者だった。これがスポーツとビジネスの違いを象徴している。
・ 現在フランスのプロスポーツ界で、TV放映権料は、サッカーで総収入の80%、ラグビーで20%、バレーボールで5%を占めている。もし、試合がなければこれらは払われない。そもそも、試合がなければ日銭が入ってこない。Covid-19が猛威をふるう現状を打開する方策を、残念ながら、プロスポーツは持ち合わせていない。
・ スター選手の年棒が上がったのは、「2位は間抜けだ」というスポーツビジネスの掟が貫徹したからである。だから、各チームは新たな財源を得ると、そのすべてを選手獲得に投じることになった。そして、いくつもの名門クラブが没落した。
・ かつてクレルモンと張り合っていたブルゴアンも、その脱落したクラブの一つだが、いま、ブルゴアンのスタジアムでラグビーを観戦すると、素朴な悦び・郷愁を感じる。私が感傷的になっているからかもしれないが…
こういう時期だからこそ、これからの日本ラグビーのあり方を落ち着いて考えることが大切だと感じる。
令和2年3月28日
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