6月 どんな気候が ふさわしいのやら
2019 W杯・備忘録 330
〜 A-2 〜
今シーズンのリーグワン いよいよ決勝戦。
来シーズンからの選手のカテゴリー改変 昨年 決定・周知されてきた。一言で言うと カテゴリーA(日本代表実績あり/資格あり)の選手たちが 「A-1」と「A-2」に二分割される。これに伴って 今シーズンまでの 3カテゴリーが 4カテゴリーに 増加する。
(表-1 カテゴリー改変)
今シーズンまで | 来シーズン | ||||
カテゴリー | 23人中 | 15人中 | カテゴリー | 23人中 | 15人中 |
A | 17人以上 | 11人以上 | A-1 | 14人以上 | 8人以上 |
A-2 | A-2・B・Cで9人以下 | A-2・B・Cで7人以下 | |||
B | 任意 | 任意 (=B・Cで4人以下) | B | B・Cで6人以下 | |
C | 3人以下 | C | 3人以下 | 3人以下 | |
今シーズンまでカテゴリーAである選手が カテゴリー「A-2」に位置付けられるのは 明らかに 該当する選手にとっては 不利益変更である。
まずは この改変が 各チームにどう影響するのか? プレーオフでの事実関係を見てみる。
(表-2 準々決勝 チーム別カテゴリー人数)
| サントリー | リコー | クボタ | 東芝 | ||||||||
| 23 | 先発 | 最後 | 23 | 先発 | 最後 | 23 | 先発 | 最後 | 23 | 先発 | 最後 |
A-1 | 15 | 9 | 9 | 12 | 9 | 7 | 10 | 6 | 6 | 15 | 8 | 10 |
A-2 | 2 | 2 | 2 | 6 | 2 | 5 | 7 | 5 | 5 | 4 | 4 | 3 |
B | 3 | 2 | 2 | 2 | 2 | - | 3 | 1 | 3 | 2 | 2 | - |
C | 3 | 2 | 2 | 3 | 2 | 3 | 3 | 3 | 1 | 2 | 1 | 2 |
(表-3 準決勝 チーム別カテゴリー人数)
| 神戸 | サントリー | クボタ | パナ | ||||||||
| 23 | 先発 | 最後 | 23 | 先発 | 最後 | 23 | 先発 | 最後 | 23 | 先発 | 最後 |
A-1 | 11 | 6 | 7 | 15 | 9 | 10 | 10 | 7 | 6 | 12 | 8 | 7 |
A-2 | 7 | 5 | 5 | 3 | 2 | 1 | 7 | 4 | 5 | 8 | 5 | 5 |
B | 2 | 1 | 2 | 2 | 2 | 2 | 3 | 1 | 3 | 2 | 1 | 2 |
C | 3 | 3 | 1 | 3 | 2 | 2 | 3 | 3 | 1 | 1 | 1 | 1 |
(表-4 決勝・3位決定戦 チーム別カテゴリー人数)
| 神戸 | クボタ | パナ | サントリー | ||||||||
| 23 | 先発 | 最後 | 23 | 先発 | 最後 | 23 | 先発 | 最後 | 23 | 先発 | 最後 |
A-1 | 10 | 6 |
| 11 | 8 |
| 10 | 6 |
| 16 | 9 |
|
A-2 | 8 | 5 |
| 7 | 3 |
| 8 | 5 |
| 2 | 2 |
|
B | 2 | 1 |
| 3 | 2 |
| 3 | 2 |
| 3 | 3 |
|
C | 3 | 3 |
| 2 | 2 |
| 2 | 2 |
| 2 | 1 |
|
サントリーは 3試合とも 来シーズン基準を満たしている。実に 不思議・不可解・不気味だ…
今回の改変に当たっては サッカー界の「ホームグロウン制度」(Wikiに簡潔に解説されている)とフランスラグビー界の「JIFF(意訳すると「(フランスクラブチーム)下部の育成機関出身の選手」)」を 参考にした と言われている。
たしかに プロ契約以前の「過ごし方」(変えられない過去)を要件としている点では一致している。しかし 何を要件としているかは 全く異なっている。
リーグワンの改変カテゴリー「A-1」とJIFFを比較すると次の通り。
(表-5 リーグワン「A-1」とJIFFの要件比較)
| リーグワン「A-1」 | JIFF |
対象年齢 | 義務教育期間 | ㈰ 21歳までに or ㈪ 16歳〜21歳までの間 |
行為要件 | 6年間以上を日本で居住 | ㈰ 5シーズン・フランス協会に登録 or ㈪ 3シーズン・仏・育成機関に所属 |
「ホームグロウン制度」・JIFFは プロチームを有するクラブの下部組織で育成することを奨励する目的が明確である。だから どの年代に・どこで・ラグビー(サッカー)を身につけたのか を 要件化している。ニッポン・ラグビー界では まったく違った組織で育成されている。かの国のような 下部組織アカデミーは存在していない=プロ契約以前にラグビーをプレーしているのは 高校・大学のチームである。素直に 欧州などの前例を踏襲するのならば ニッポンの高校・大学で 一定期間プレーしていることを要件化することは なんとなく 理解できる。
仮に この要件とすれば 神戸:コストリー・ララトゥプア・ブルア・フナキ(4人) クボタ:マキシ・ヴァイレア(2人)などが 「A-2」ではなく「A-1」になる。
なぜ こういう要件にしなかったか? 不思議でならない。
「国内におけるラグビーの普及と育成」を目的とするのであれば 高校・大学の部活に着目するのではなかろうか。ところが その期間・組織ではなく 義務教育期間という 若年期に着目し かつ 日本の「居住」を要件化している(=ラグビーをプレーしていなくても可。これが どうして 国内におけるラグビーの普及と育成につながるか 理解不能)。 この要件であれば ニッポンで 義務教育期間 インターナショナルスクールに通っていても 「A-1」になる。また 高校・大学期 海外留学していても 「A-1」になる。 すっきりしない。
そして 「ホームグロウン制度」・JIFFには 規定がない 特例措置も 実に不思議な「とってつけたような」要件である。
すなわち 「A-2」カテゴリーの選手であっても (日本代表に多大に貢献をした選手に対する優遇措置として) 日本代表キャップを30以上持つ選手は、「A-1」に分類する。はしなくも 「A-2」よりも「A-1」の方が 有利だよ と 鮮明に 見なしている。
まず 「30」の重みが どれぐらいか? 日本代表:518番:リーチ(92Caps)から617番:松田(39Caps)までの 100人について見てみると 30Caps超が20人(うち 本来「A-2」は アイブス(33Caps)、ツイ(47Caps)の2人) 20〜29Capsが10人(うち タウファ(22Caps)、アリシ(20Caps)、ブロードハースト(26Caps)、マレサウ(27Caps)、マフィ(29Caps)、タタフ(20Caps)、マキシ(23Caps)の7人) 10~19Capsが16人(うち ウィング(11Caps)、ホップグッド(11Caps)、ヘスケス(16Caps)の3人)。
相当高いハードルを設定している。なぜ 「30超」なのか。???
また 「日本代表への貢献」という観点からは セブンズなど・他の日本代表実績は まったくカウントされないのも 解せない。
そもそも 「国内のラグビーの普及と育成」を目的とするのであれば 国内でラグビーをプレーしている時期・機関を要件化すればいいので 日本代表歴に着目するのは なにか 「ご褒美を挙げますよ」的な 気味悪さしか 感じない。
長期的に カタカナ名選手が 漸減してゆくのは 目指すべき方向かもしれない。ただ これまで 同じカテゴリーで 活動してきた選手を ある日を境に 変えられない不可解な過去要件で 「A-2」というカテゴリーに各付けし 不利益を被らせるのは おかしい。
令和8年6月7日
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