2019 W杯・備忘録 103
〜 November Internationals 〜
11月は、テストマッチの月。ワールドラグビー(以下「WR」)のホームページを見ると”November Internationals”のタイトルの下で次のような文章が出ている。
Find all the latest information about the men’s and women’s international rugby matches played in Europe and Africa during November 2021.
10月の日本、神様がみんな出雲に集まるので多くの地域が「神無月」となるように、11月の世界ラグビー界、多くの代表チームがヨーロッパ(とアフリカ)に集まる。
では、誰がこの集まりを主催しているのか?
元々、ラグビーは対抗戦文化だと言われてきており、各チームが自分の戦いたいチームに「果たし状」を叩きつけ、マッチメイクしていた。腕に覚えのあるチームが欧州の地で道場破りをしているかのように。これは開催地協会が主催し、収益は両チーム協会で分けていた。
W杯が始まる1987年以前は、唯一の「対決の場」だった。それがW杯開始後、どうしてもW杯が最上位に位置するようになる。そして、この時期のテストマッチは、まるで夏合宿の菅平での試合のような位置づけになった感がある。
1995年・プロ化すると、マッチメイク・運営・マーケティング(そもそもラグビー界にマーケティングなどという概念は存在しなかった…)などなども洗練されてきた。主催者もそれに相応しい組織に進化する。
欧州六か国対抗の主催者≒胴元≒興行主(Six Nations union)が傘下の六か国の’November Internationals’ の試合群を ‘Autumn Nations Series 2021’(以下、「ANS」)と名付けた。
そのホームページには、次のように書かれている。
The Autumn Nations Series will take place over four thrilling rounds from Saturday 30 October to Sunday 21 November!
There are standout clashes every weekend with Sothern Hemisphere heavyweights New Zealand, South Africa and Australia aiming to beat the best of the Six Nations on home turf, while visiting teams including Fiji and Japan will also get their chance to take on Europe’s best!
六か国の対戦相手は、次のようになっている。
R1(10/30,31) | R2(11/6,7) | R3(11/13,14) | R4(11/20,21) | |
ENG (4) | - | TON | AUS | RSA |
IRE (5) | - | JPN | NZ | ARG |
FRA (6) | - | ARG | GEO | NZ |
SCO (7) | TON | AUS | RSA | JPN |
WAL (9) | NZ | RSA | FIJ | AUS |
ITA (14) | - | NZ | ARG | URG |
(注) 協会名の後の()内の数字は、WRランキング(2021年10月末)
受け入れ側が「6」に対して、彼らが望む同等の力を持ち・集客力のあるビジター・チームは「4」(NZ・RSA・AUS・ARG)なので、その他で組み込まれているのが、JPN(2試合)、FIJ・TON・GEO・URG(それぞれ各1試合)という構図。
ちなみに11月13日のPOR/JPNは、WRのスケジュール表で、ANSの試合ではなく’2021 Men’s international’と表記されている。
先週末(11/6,7)に行われたANS・R2:6試合のうち、5試合が2019W杯の再戦。ENG/TON、FRA/ARG、WAL/RSAは同じ試合結果。台風中止となったITA/NZは、順当にNZの勝利。唯一、2019W杯と逆の結果になったのが、IRE/JPN。
また、WRランキングの下位チームが上位チームに勝った試合は、SCO(7)/AUS(3)の一試合のみ。他の試合は「番付」通りの結果となっている。
各国代表が集まり試合を行えば、世界のトップレフリーも集結する。
R2:6試合で見てみると、FRA/ARG、SCO/AUS、WAL/RSAの3試合のレフリーは、2019W杯でもレフリーを務めている。ITA/NZのレフリーは、2019W杯ではアシスタントレフリーを務めていた。これに対して、ENG/TOG、IRE/JPNのレフリーは、2019W杯には参加していない。
世界のラグビーカレンダーが固定化しつつある中で、JPN、季節を共有する欧州と組むのか、それとも、時刻を共有するAUS・NZと組むのか、気になるところである。もちろん、超長期的に見て、アジアというもう一つの軸の中心になるという取り組みがあってもいいのかもしれない。ともかく、現状の世界ラグビーにおいては「地の利」がないことを前提に、どの協会と連携を強めていくのか、旗色を鮮明にする時がきている気がする。
もちろん、そのためにも、JPN、集客力のある魅力あるチームとして認められるかがポイントになるのだろう。
今週末のJPN(10)/POR(19)、11月6日にカナダ(23)に20-17で勝利したポルトガル、侮れない力を持っているだろう。いい試合をし、勝ち切ってほしい。
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10月23日のJPN/AUS戦を見て、「地力がついた」と感じた。11月6日のJPN/IRE戦を見て、「メッキが剥げて地金が出た」気になった。
JPN/IRE 2019W杯時と先週の試合のスタッツで比較すると次のとおり。
JPN 2019 → 2021 | IRE 2019 → 2021 | |||
51% | 37% | ポセッション | 49% | 63% |
48% | 32% | テリトリー | 52% | 68% |
201 | 118 | パス回数 | 166 | 215 |
4 | 4 | オフロード | 6 | 17 |
176 | 190 | タックル数 | 171 | 115 |
14 | 24 | ミスタックル | 18 | 11 |
93% | 87% | タックル成功率 | 90% | 90% |
また、スクラム・ラインアウト・ペナルティについて、時間帯ごとの回数は次のとおり。
1 スクラム
0 - 20 | 20 - 40 | 40 - 60 | 60 - 80 | 計 | |
J (2019) | - | 2 | 1 | 3 | 6 |
I (2019) | 1 | 2 | 4 | - | 7 |
0 - 20 | 20 - 40 | 40 - 60 | 60 - 80 | 計 | |
J (2021) | 1 | - | 1 | - | 2 |
I (2021) | 1 | 3 | 2 | 3 | 9 |
Jの2は、相手ノックオンによるもの。
Iの9のうち、相手ノックオンで3・相手ラインアウトノットストレートで2・Pでスクラムを選択したのが2・キャリーバック1・モールパイルアップ1
2 ラインアウト
0 - 20 | 20 - 40 | 40 - 60 | 60 - 80 | 計 | |
J (2019) | 1 | 4 | 2 | 1 | 8 |
I (2019) | 7 | 1 | 1 | 2 | 11 |
0 - 20 | 20 - 40 | 40 - 60 | 60 - 80 | 計 | |
J (2021) | 4 | 3 | 3 | 6 | 16 |
I (2021) | 3 | 2 | 4 | 3 | 12 |
Jの16のうち、PKを蹴り出したものが9
Iの12のうち、PKを蹴り出したものが6
3 ペナルティ
0 - 20 | 20 - 40 | 40 - 60 | 60 - 80 | 計 | |
J (2019) | 3 | 1 | 1 | 1 | 6 |
I (2019) | 2 | 4 | 1 | 2 | 9 |
0 - 20 | 20 - 40 | 40 - 60 | 60 - 80 | 計 | |
J (2021) | 2 | 6 | 2 | 3 | 13 |
I (2021) | 2 | 2 | 5 | 5 | 14 |
Jの13のうち、ラックで8・モールで1・オフサイドで3
Iの14のうち、ラックで9・スクラムで1・オフサイドで3
次に戦うとき、どんな試合展開になるのか、実に興味深い。
いつのことなのだろうか…
令和3年11月13日
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