2019 W杯・備忘録 90
~ LIO/RSA(3) ~
2021ライオンズRSA遠征・テストマッチ第3戦が8月7日に行われた。
試合経過は次の通り。RSAの得点は「○」、失点は「●」、得点を逃したのは「×」。
分 | 得点 | 種類 | 起点となった(リ)スタート | |
× ○ ● ● × ○ × | 0 10 14 18 28 35 37 41 | 3- 0 3- 3 3-10 6-10 | (PG) PG PG T+G (T) PG (-) TMO¹ | LIOのキックオフで試合開始。 RSAのP(ノックオン・オフサイド)。LIO・10が外す。 LIOのP(ノットロールアウェイ)。RSA・10がPG。 RSAのP(スクラムコラプシング)。LIO・22がPG。 RSAのP(ハイタックル)。LIO・22がタッチキック⇒RSAゴール前のラインアウト⇒モールを押し込みLIO・2がトライ。LIO・22がG。 RSAのP(ノットロールアウェイ)。LIO・22がタッチキック⇒RSAゴール前のラインアウト⇒モールを押し込む。LIO・7のP(モールサイドエントリー) LIOのP(スクラムコラプシング)。RSA・10がPG。 RSAのP(ノットリリースザボール)。LIO・22がタッチキック⇒RSAゴール前のラインアウト・RSA・4がスチール・RSAインゴールでタッチダウン⇒LIOボールスクラム⇒LIOのP(ノットリリースザボール) ラックへのRSA・8の入り方⇒問題なし |
× × ○ ● 〇 × ● ○ | 46 52 52 56 61 65 68 73 78 | 13-10 13-13 16-13 16-16 19-16 | (PG) TMO² (PG) T+G PG PG (T) PG PG | LIOのP(ノットロールアウェイ)。RSA・10ポストに当てて外す。 RSA・14が倒れている。LIO・22のハイタックルを確認。 TMOでのP。RSA・10が外す。 RSA・14のトライ。10がG。 RSAのP(オフサイド)。LIO・22がPG。 LIOのP(ラインアウトモールのコラプシング)。RSA・22がPG。 RSAのP(ノットロールアウェイ)。LIO・22がタッチキック⇒RSAゴール前のラインアウト・RSAがサック・インゴールでパイルアップ⇒RSAゴール前でのLIOスクラム⇒2回組み直してLIOのP(コラプシング) RSAのP(オフサイド)。LIO・22のPG。 LIOのP(ノットロールアウェイ)。RSA・22のPG。 |
勝敗を分けた一つが、ゴール前ラインアウトの攻防。この試合、LIOは、4回、相手陣でPKを得て、PGを狙える位置にも拘わらず狙わずにPKをタッチに蹴り出し、RSAゴール前のマイボール・ラインアウトを選択した。
① 18分:モールを作りインゴールへ押し込みトライ。
② 28分:モールを作るも割れて、LIO・7が横から入りP。(無得点)
③ 37分:ラインアウト・スローをRSAにスチールされる。(無得点)
④ 68分:モールを作る前に引き倒される。(無得点)
RSA、ゴール前のピンチでも冷静に対処している。②③④と違った対処をして得点を防いでいる。教科書に載せたいバリエーションだ。
RSAが強いなと感じたのは、残り10分あたりからのベンチの選手の表情。同点に追いつかれても「この試合は勝ったな」という感じがにじみ出ている。これに対して、LIOの面々は悲壮感に溢れた表情をしている。まるで、W杯で負けた試合のオールブラックスのベンチのようだ。
テストマッチ:3試合合計では、
RSA:63得点(4T・2G・13PG)、LIO:47得点(2T・2G・11PG)。
LIOの2トライはペナルティキックを相手ゴール前に蹴り出して、マイボール・ラインアウトからモールを組んで押し込んだもの。これ以外でトライを取り切れなかったのは、攻撃力不足というよりはRSAの鉄壁のディフェンス力という感じがする。
スタッツで見ると次の通り。
ポセッション(%) テリトリー(%)
1 | 2 | 3 | 参 | 1 | 2 | 3 | 参 | |||
RSA | 48 | 50 | 37 | 39 | RSA | 45 | 49 | 37 | 38 | |
LIO | 52 | 50 | 63 | 61 | LIO | 55 | 51 | 63 | 62 |
ラン・メーター(m) 成功したパスの数
1 | 2 | 3 | 参 | 1 | 2 | 3 | 参 | |||
RSA | 276 | 179 | 210 | 296 | RSA | 77 | 92 | 55 | 67 | |
LIO | 255 | 105 | 253 | 182 | LIO | 120 | 85 | 119 | 115 |
タックル数 タックル成功率(%)
1 | 2 | 3 | 参 | 1 | 2 | 3 | 参 | |||
RSA | 117 | 121 | 145 | 147 | RSA | 87 | 89 | 83 | 93 | |
LIO | 100 | 107 | 68 | 74 | LIO | 87 | 96 | 85 | 82 |
(注)一列目、1:テストマッチ第1戦、2:第2戦、3:第3戦、参:2019W杯準決勝RSA/WAL(LIOの欄の数字は、WALのもの)
スタッツだけを見れば、LIOが勝っておかしくない。それでも勝ち切れなかった。
スタッツだけを見れば、2019W杯準決勝RSA/WALの再来と言えなくもない。
ガットランド・ラグビーの集大成とも言える。
4年後、新たなHCの下でライオンズがどんなラグビーを展開するのか、
12年後、LIO/RSA、どの部分で競い合うのか、楽しみである。
次回W杯に向けて、フィジカルなRSA、バランスの取れたオールブラックスに対して、他のチームがどのような戦術・戦略で立ち向かうのか、楽しみだ。そもそも、RSAもNZもこれまで9回の大会で、たった3回しか優勝していない。他のチームが優勝できないわけがない。
令和3年8月14日
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