2022年8月13日土曜日

岡島レポート・2019 W杯・備忘録 141

                                             2019 W杯・備忘録 141

    〜  諸行無常 〜

 弱いNZなんて見たくない!
昨秋のIRE戦、FRA戦、敗れはしたものの善戦した。長いシーズンの終盤・遠征続きなどの原因も挙げられた。今夏のIRE3連戦、第1戦の前半は最高の出来(4トライ・4ゴールで28-5)だったのが(第1戦最終スコアは42-12の圧勝)、第2戦(12-23)・第3戦(22-32)と失速し・敗北した。そして迎えたmust-winRSA1戦(86日に行われた2022ラグビー・チャンピオンシップ)、見るも無残にいいところなしで負けた。
 
負けるべくして負ける、80分間一瞬たりとも勝利の匂いが一切漂わない、こんなNZ見たことない…
 
先制トライを早々に奪われ
PGDGで加点され引き離され
得点はPG1本のみ、相手ゴールラインに迫れない
残り10分で2トライ・2ゴールで追いつけない得点差
帳尻合わせのトライ・ゴールを取るも
自陣から攻めようとするも自陣22m内でノックオン、それを相手選手が足に引っ掛けダメ押しのトライ・ゴール
(詳細は (参考1))
 
スクラムでもラインアウトでもモールでもハイボールのキャッチでもキックでの陣地取りでも、もちろん、ブレイクダウンでも、およそ考えられるすべての局面でRSAに圧倒されていた。
 
これで、IRE2連敗と併せて3連敗、どんどん試合内容が悪くなっている。勝者のマインドが「負け犬根性」に入れ替わったかのように。「オールブラックス」というブランドイメージ・価値が毀損し続けている。
 
「巨人・大鵬・玉子焼き」世界を安定させる源だ。好悪は別にして、絶対王者がいれば安心だ。でも、諸行無常、奢れるものは久しからず。どうやらラグビー界におけるNZもその「業」から逃れられないのだろうか。
 
NZ、俯かないでほしい
 
今から思い返せば、2019W杯・準決勝・ENG/NZ戦の内容は、現在の惨状の予兆だった気がする。NZに勝つ方程式(㈰先制する(このところの試合を見ていると、試合前の「ハカ」で相手チームのモティベーションが上がる一方、NZは「ハカ」に集中しているせいかキックオフ時に集中力が途切れてしまっている感がある)㈪前に出るディフェンスでゲインラインよりも前で止める(+ワイドに展開されないようにオープンサイドを遮断する)㈫ハイボール・コンテストで負けない㈬23人・80分走り続けるフィットネス)が嵌まった試合だった。
 
2015W杯準決勝NZ/RSAを見返す。2点差でNZが辛勝した試合。今回の試合を比較すると、当たり前だが、NZFWRSAに力負けしていない。もちろん、W杯準決勝だからというのがあるかもしれないが、NZにとっては今回のRSA戦もHC・選手にとっては「負けられない(徳俵に足のかかった状態)」だったことに変わりのない気がする。そういう試合での惨敗、今昔の感がある。両チームとも、2015W杯メンバーが幾人か残っている。世代交代がうまくいっていない、というわけではないようだ。
 
2023年、W杯史上初めてNZが「本命」ではなく「ダークホース」となる大会になりそうだ。
 
 
( 参考1 )
2022-8-6 RSA/NZ KSLPFD
「分」は得点時間
大文字は勝者 小文字は敗者のボール支配
K:キックオフ
S:スクラム
L:ラインアウト
P:ペナルティ (PG*PGを狙って外したもの)
F:フリーキック
D:ドロップアウト (D*はゴールライン・ドロップアウト)
- :関連するリスタート
 
 
得点
7
21
35
k s-F-S-p-L l L l S TG
k S-p s L s L p-L l-f L p-PG
k l S-p-L P-l P-l l S-P-pg
K s-P-l p-L
7- 0
10- 0
10- 3
49
59
71
78
79
K L L l l L S-p-PG
k P-l p-L L p-L DG
k p-L-F-S P-l l S l-S L s l p-PG
k P(R)-l S l tg
K TG
13- 3
16- 3
19- 3
19-10
26-10
 
P(R):74分、R・14にレッドカード
 
 
( 参考2 )
 
2015W杯 準決勝 NZ/RSA KSLPFD
(注) この試合の勝者はNZ(=大文字) 敗者:RSA(=小文字)
 
 
得点
2
5
10
20
39
k l-P-pg
K L f TG
k l P-pg
K P-l p-L l l P-l P-pg
K f l S P-l l L p-PG* L P-l s-P-l s P(Y)-pg
K L
0- 3
7- 3
7- 6
7- 9
7-12
45
51
57
59
68
K S s l L DG
k p-L s TG p(y)
k L l S s-P-pg
K p-PG
k l p-L d s P-l-P-pg
K l l S d L S s
10-12
17-12
17-15
20-15
20-18
 
P(Y) : 39分、N6番にイエロー
P(Y)51分、R11番にイエロー
 
いずれの試合も絶妙なドロップゴールが効いている。2015はカーター(NZ10)、2022はポラード(RSA10)が決めている。
 
令和4年8月13
 

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