冬らしい冬であったような なかったような
2019 W杯・備忘録 210
〜 M44 RSA/FRA 2 〜
試合開始前の国歌斉唱時、両チームとも、中心はキャプテン、そしてRSAは(いつもどおり)背番号順に、FRAはいつもどおり気の合った(≒同根の)選手たちが固まって並んでいる。NZは、バレット3兄弟はいつも隣通しで国歌を歌っている… 並び順に規則があるわけではない。かといって、ランダムであるわけでもない。だからどうなのだ、という気もしないではないが、選手間の距離感が滲み出る並び順である気もする。
キックオフは、RSA。(大文字がRSA、小文字・○がFRA)
K:10〜 ㈯・r・㈷:LK〜 14・R・9→4・R・9→10:HP〜 ㈾・r・㈷→㈯・r・㈷:SP〜 ㉂・r・㈷:SP〜 RSAインゴールで㉃ノックオン
FRA自陣30m付近のラックから㈷番が「右足」でラック裏にショートパント(=ロングキック・50-22をケアして RSAは深い位置どりとならざるをえず 第1線のディフェンスラインとの間に 空白地帯ができる) 迷いなく㉂番がチェイス・マイボール化・ラック から瞬時に㈷番が「左足」でRSAゴール際にショートパント。やはり、㈷番・デュポン 世界最高のスクラムハーフ 寸分違わず狙った落下点に まさに「千両役者」 この試合に欠かせない。惜しくも ㉃がタッチダウンできず RSAインゴールドロップアウトでリスタート
GLDO:10〜 ㈯・r・㈷→㉀・r・㈷→㈫・r・㈷→㈰・r・㈷→㈱:SP〜 15・チャージしてタッチに
試合前に準備していた通り FRAの15人が躍動して RSAゴールへ迫ってゆく。MomentumはFRAにあり。
l・㈬(4/9)・モール20m前進・RSAゴール前に ㈪・r・㈬・r(11オフサイド=FRAにアドバンテージ)・㈷→㈱→㈰=トライ ㈾・g
このラインアウト、FRAは9人並んだ=FWの7人+㈹+㈱。ラインアウトキャッチ後、㈱を除く8人でモールを組み ライン際を ㈭(ボールキャリアー・116kg)+㈫(147kg)+㈹(110kg)の3人でゴールラインに肉薄する。戦略家・ガルティエらの知恵の結集。
3分 RSA 0-7 FRA
K:10〜 ㈭・r・㈮・r・㈷→㉂:LK〜 11・R・9→2・ノックオン ㈪ラン・r・㈷→㈾→㈺・r・㉂→㉀・r・㈷→㈹・r・㈷→㈱ 4がノックバック
「試合を分けた世紀のノックオン!? ノックバック?!」
ピッチ上では FRA選手の多くがノックオンをアピール。スタジアムは大ブーイング。今に至るまで 語り続けられるワンシーン。
10月20日付:Midolで、ポワト(2019W杯レフリー・現トゥーロン・コーチ)は『「エツベツの手が返っており・ボールは明確に「前に」進んでいない」としてノックオンではない』と解説している。
10月30日付で、ラビ(アタックコーチ(当時)・現スタッドフランセ・ディレクター)は「WRはオキーフの5つの間違い(5つの中にはこのシーンは入っていない)を指摘しているが?」との問いに「まったく違う。あの試合、笛に関してはエツベツのインターセプション(ノックオン)が吹かれなかったことがすべてだ。前日のNZ/IRE戦でのスミスのイエローとまったく同じプレーだった。あそこで吹かれていれば(イエローが出されていれば)、試合はまったく違っていた。」(以下、自チームの不作為を語っている)
1月12日付で、ジャッジWRレフリー部門責任者は、このシーンについて「2カ月たっても、フランスではエツベツのプレーが熱く論議されていることに驚愕している。エツベツは競技規則を熟知している。彼は規則に則ってプレーし、ボールを「前に」進めていない。「彼はボールを殺した」という解説をしばしばラグビー関係者から耳にするけど、ボールを叩く・弾くことは規則上認められている、「前に」進めない限りにおいて。そして、レフリーはいい位置に立っていて、即座に「後ろ(に落ちている)、後ろ」と叫んで、選手・タッチジャッジ・TMOに周知させている。」と語っている(このロングインタビュー中、具体的なプレーについて詳細に語っているのはこのシーンだけである。おそらく、他のシーンではレフリングミスがあったと思われる)。
㈱がロングパスを選択したことも敗因の一つに挙げられてもいる。FRA、逸機。
7・R・9→8・R・9:TK〜
l・㈬(2/6)・㈷→㉃・r・㈷→㉀→㈮ 孤立して・r・8・ターンオーバー
㈮すごくいい選手、2月・SCO戦での膝前十字断絶という大ケガから大会中に復帰。人びとが待ち望んでいた好青年。だけども、若いが故に「老獪さ」がなかった!? あのシーン、相手陣で孤立したのなら、ボールを離さずに、ノットリリースのPで十分だった。
㈷:デュポン→㉀:アルドリット→㈮:ジュロン、この3選手、オーシュのジュニアチーム時に全国制覇したチームメート。大会期間中にフランスで放映されたドキュメントではこの3選手を中心に今日までの軌跡が詳細に描かれていた。ジュロンとデュポンはジュニアの後、カストルと契約し、現在はトゥルーズ所属。アルドリットはラロシェルと契約して今日に至っている。もちろん、国歌斉唱時は彼ら(この3人に同じ地方出身のバイユ・マルシャン・アルデゲリ)はデュポン主将の隣に並んでいる。
9:BK〜 14=トライ 10・G
瞬時の9のボックスキック、おそらくもっと深く蹴ろうして ほぼ真上近く上がってしまったミスキック?! しかし、フランスは前がかりになっていて 瞬時に反応できず。㈺と4がコンテストし ㈺がノックバックしたボールを14が拾い独走。 と書いてみて、RSA・ロックの4番がパントを追いかけているということは デザインされたプレーだった! とすれば 9は狙い通りの位置にボールを落下させた!? 恐るべしRSA!!
ともかく フランスの「防空網」まったく機能せず。試合早々の電光石火の攻撃が帳消しになった。こんなことしてちゃあ 勝てない。「レフリーのせいで負けた」のではなく 「レフリングミスも敗因の一つ」としか言えない。
それにしても 予選プール・ゴールキックに苦しんだRSA ノックアウトステージになると きっちり決めてくる?!
7分 RSA 7-7 FRA
令和6年2月10日
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