2019 W杯・備忘録 212
〜 M44 RSA/FRA 4 〜
「もやもや」したものがFRAサイド・選手、スタジアムに増幅・蔓延しながら、試合は続く。
PK・10:TK〜
10は、落ち着いてレフリーに確認してから蹴りだす。
両チームFWがラインアウトに並んだ時点で、「TMO Check OK」という声が画面から聞こえてくる。おそらくレフリーの声か?
L・7(6/7)・8→9→10→14→15→13・R・9→10:HP〜 ㈬が弾いて 12が拾い・ラン FRAゴール前5mに迫る R・7・R・9→12=トライ G・10 外す
RSA、7分のファーストトライ(以下「T1」)と同じく、㈰グランド中盤で 右サイドラインよりに浅めのハイパント(≒20歳・大試合初先発のFRA・11・ビエル=ビアレをターゲットにしたのでは?) ㈪ハイボールコンテストにロックをチェーサーにする! 「T1」は4番・エツベツ、今回(以下「T2」)は5番・モスタート ㈫走ってきた長身選手に FRAはキャッチを邪魔される ㈬キャッチミスを予期して グランドに落ちてくるボールを狙う選手を配置する ㈭目論見通り、ボールは転がり・RSA選手が拾い上げ・ランで相手ゴールに迫る。と書いてみると、RSAの戦術面でのアウトラインが滲み出てくる気がする。「ハイパント・チェーサーにロックを使う」というのは、あまり目にしてこなかった気がしている。それが出来る両ロックの能力の高さも賞賛もの。
ところが、よくよく見返してみると違いにも気づいてくる。T1は、相手ボール・ラック・ターンオーバーからの電撃攻撃(瞬間芸)。T2は、右サイド・マイボールラインアウトから左ラインに展開して・マイボールラックからのパスを受けた10番の狙いすました浅めのハイパント。この時のチェーサー陣は、2・5・7・8番に12番。FW4人は意図してライン攻撃のフォローをしていない。これに対して、同じサイドに残っていたFRAは㈬㈯㈷の3人。㈬(197cm)がキャッチしようとしたのに対して、RSAは誰もコンテストせず・7(200cm)と5(198cm)が㈬を挟む形でハンブルボールを待ち受けるかの如くポジショニングしている。(T1では、4がキャッチャー㈺に空中で体を当ててコンテストしている。)落下点での圧倒的数的有利を創り出し・相手のハンブルボールを拾い・ゴール前で捕まりラックになるも・数的有利を生かしてラックを早出しし・トライに結びつけている。おそらく、15人の選手の瞬時瞬時のポジショニングも考え抜かれているのだろう。と書くと、やはりRSA勝つべくして勝った気にもなってくる。
対するFRA、無防備だったのか… では、どうすればよかったのか?
T1よりもゴールポストに近い位置からのゴールであったにも拘わらず、10番・リボック外す
17分 RSA 12-7 FRA
k・㉂〜 8・R・9→10:HP〜 ㉂・r・㈹→㈬・r・㈷→㈰・r・㈷→㈮・r・㈷→㈾→㈯・r・㈷→㈪→㉂→㈮→㈰→㉂→㈹・r・㈷→㉂→㈾→㈱→㈷・r・㈾・㉀・r・7と㈷がボールを捕り合う(ラックからボールが出たか否か微妙なタイミングで7がボールに手をかける・7はレフリーの顔色をうかがう・レフリーOKの合図を出し・㈷とボール取り合いになり・二人とも倒れて再びラックに。RSA、常にレフリーの目線を意識してプレーしている。これに対して、FRAはすぐにセルフジャッジして・両手を広げて不満を表現している)・r(7のノットロールアウェイとFRAはアピールしている)・㈪・r・㈭→㈹・r RSA1・2倒れこみ=P
逆転されても、FRAにMomentumがあった時間帯。試合の入りでは、㈷の効果的なショー取パントで相手陣に迫ったが、ここでは、「IRE張り」にフェーズを重ね・RSAゴール前に迫る。IREとの違いは、ラックサイドのピック&ゴーを多用することか。FRAはFRAで、細部までデザインしてきたチーム。
この試合の前のMidolのインタビューで、ニーナバーRSA・HCは「かつて、エラスムスとともにIREクラブチーム・マンスターのコーチ陣だった時に、FRAクラブチーム・モンペリエを解任されたガルティエが訪ねてきてくれて、3人で2週間、ラグビーの戦術を心行くまで語り合ったこと」を懐かしそうに語っていた。
この試合、世界最高の「策士」同士の戦いでもあった。
pk・㈷:クイック→㈪=トライ G・㈾ 11にチャージされる
おそらく、これからも長く論議の対象になる「疑惑の」チャージ。
10月20日付Midolでは、「WRが確認したミス」の中に入っており、ポワトは「FRA・㈾・ラモスがキックモーションに入った時に、RSA・11・コルビの足がゴールライン上にあるが、それがオフサイドポジションか否か、規則上定かでない」と解説している。((注)競技規則第8条(得点)「コンバージョンにおける相手側」では「14.相手側のプレーヤーは全員、キッカーがボールを蹴ろうとして近づき始めるまで、自チームのゴールラインまで下がる。」と規定されており、ゴールラインを踏むことが認められているか否か明確でないことを指していると思われる。)
他日、Midolのインタビューにコルビは「ラモスとは長くトゥルーズのチームメイトで彼のルーティンを熟知してたから、ドンピシャのタイミングでスタートした」と語っている。
奇怪なのは、t1時のゴールではキッカーだけでなく広角からチェーサーも画面に映されていて、ゴールキックを蹴る時点で10m離れた地点にしかランできていない。ところが、今回の画面ではキッカーだけが大写しされ続け・キック時に突然11が画面に入り込んできて・チャージされている。FRAの「もやもや」感 増すばかり…
21分 RSA 12-12 FRA
再び 「振り出し」に戻る
それにしても、前半の前半で2トライずつの「点の取り合い」、しかもRSAのトライは14番・12番とバックスが、FRAのトライは㈰番・㈪番とFW最前列の選手が。トライ後のゴールキックにもドラマがある。RSAハイパントを取り損ねたのが㈹番・㈬番と身体能力の優れたアフリカ系の敬虔なキリスト教徒だ、というのも不思議な巡り合わせのような。ほとんどの人びとが考えもしなかった展開。どちらかの陣営は「してやったり!」と感じていたのだろうか…
令和6年2月24日
0 件のコメント:
コメントを投稿