2026年9月19日土曜日

岡島レポート・ 2019 W杯・備忘録 343

                                       夜長月の長雨  秋晴れが 待ち遠しいです

                                                                2019 W杯・備忘録 343

                                                                  ~ RGR(3) ~

 

エレロ『ラグビー愛好辞典』の一項目:Tournéeは、次のようにはじまる。(この項 相当な文字数で 項目を大中小に分けると 大項目である。それだけ Tournéeは ラグビー界にとって 重要なイベントだった。この項目でも解説されているが W杯+プロ化によって 4年に一度のライオンズ遠征以外 残念なことに 消滅してしまった。)

 

『それは1958年、僕は10歳、隣ん家でテレビを見ていた。ニュースで 束の間 南アフリカ遠征中のフランス代表のあれこれが報じられていた。僕は 南アフリカという国が遠くに存在していることを知った。たまに 試合の模様が数カット映され クルーガー国立公園で選手たちがサハリ服姿でガゼルに囲まれていたり・ズールー族の人びとと踊っていたり・シマウマのステーキを食べていたり といったシーンも流された。そして フランス代表の戦績を褒め称えていた。半神の選手たちと勇敢に戦った伝説 それは ラグビー界の英雄叙事詩「イリアス」だ。』

 

テレビは存在していても 衛星放送のない時代(日米衛星放送がはじまったのが あのケネディ暗殺を報じた1963年)。新聞が「幅を利かせていた時代」。遠い国で起きていることは 文章で伝えられていた。

 

この1958年のフランス代表・南アフリカ遠征 フランス代表にとっては 史上初めてのIRBメンバー国への遠征でもあった。初戦のオレンジ自由州選抜との試合 券売所に「3人」しか並んでいなかった とか(フランスの知名度は そんなものだった)。711日から地区選抜と4試合:31敗。第1テストマッチ 3-3の引き分け。その後 地区選抜と4試合:22敗。第2テストマッチ 「9-5」の勝利。これは フランス側にとっても 予想外の勝利。著名なラグビージャーナリストの遠征ルポは 今でも読み継がれている英雄譚。読みごたえがある。

 

ちなみに 手元の仏和辞典で「tournée」を引くと「①(決まった行程を行く)旅行 ②〘話〙(カフェなどでの)おごり ③〘話〙(連続的な)殴打 ④〘税制〙(住民税、職業税などの)税務調査 ⑤〘漁業〙二艘引網 ⑥〘ラグビー〙(テストマッチを含む)遠征試合」となっている。ラグビー用語でもあるような…

残念なことに 死語化していた!?

で 広辞苑で テストマッチを引くと「①練習試合。親善試合。 ②ラグビー・クリケットで、各国の代表だけが対戦する試合」とある。

なんのことはない 大英帝国の遺物なのだ…

1980年 日本代表のフランス遠征。

108日ヌヴェール JPN6-40)地区選抜 (観客数:1000人)

1012日クレルモン JPN25-43)地区選抜 (観客数:3007人)

1014日バイヨンヌ JPN3-57)地区選抜 (観客数:3085人)

1019日トゥールーズ JPN3-23FRA (観客数:3234人)

この試合は 日本協会は「テストマッチ」としてカウント 仏協会はノーカウント。(日本協会ホームページによれば この遠征初戦は 対オランダ代表 1315で負けている)。それにしても 観客数の少なさ。これでは 興行的・経済的に成り立たない…

 

異国で母国の選手の試合を観る。テストマッチになれば 国歌から始まる。ある種の感慨が湧く。ボルドーに住み始めて2か月。184キロ 鉄路で南に下ってバイヨンヌへ。日本人らしき人とは出会わなかった。スタンドで フランス人のなかに ポツンとひとり。「小さいなぁ」と「すばしっこいなぁ」という声が いたるとこから聞こえてくる。大差の敗北で うつむき加減に帰路に着く。

トゥールーズの最終戦 それまで3連敗。 245キロ 鉄路で東南に下る。期待せずにスタジアムへ。ところが この試合 JPNの健闘が光った。最終盤 フランスが2トライを決めて 突き放したが それまでは どちらに転んでも おかしくなかった。大健闘。なんとなく 胸をはって 帰路に着く。

 

さて RGR最終戦は USAで。どんな人びとが見に来ているのだろうか?

先祖が RSA or NZから 移り住んできたひと

本人が RSA or NZから 移り住んできたひと

本人が RSA or NZから渡ってきて住みつき やがて 母国に戻るつもりのひと

RSA or NZから この試合の観戦のために旅してきたひと

RSA or NZとは 縁もゆかりもないひと

 

衛星放送が定着・深化した今日 世界中で リアルタイムに この試合を観る人びと いったい どれぐらいの数になるのだろうか?

 

現代ラグビーにおいて 代表チーム遠征の意味・意義は?

測る尺度は ①経済面 ②W杯でのパフォーマンス に なってしまうだろう。今回のRGR ①経済面では 合格点。では 来年 両チームが どんな結果を残すのか。4年後(これは 決まっている) 8年後 どんな風になっているのか。新たな伝統が生まれたのだろうか…

 

令和8912 

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