2025年3月29日土曜日

岡島レポート・2019W杯・備忘録269

 トランプって 気まぐれなのか 信念の人なのか

2019W杯・備忘録269

〜 2025六か国対抗 2 〜

 

W杯の前哨戦としての六か国対抗。こういう観点から見てくると 7週間で5試合を戦う≒W杯の予選リーグ+決勝ラウンドの予行演習にも見えてくる。また 今年は 2023W杯から2027W杯への移行期:モデルチェンジの骨格が形成されてくる時期でもあった。その点で 「俺様セクストン」の後継:プレンダーガスト 「俺様ファレル」の後継にしてレジェンド:ジョニー・ウィルキンソン二世:フィン・スミスが顕現した大会でもあった。

この二人に ラッセル(SCO) 今夏のブリティッシュ・ライオンズの10番 誰が務めるのか 気になるところである。そして これから W杯 何大会でプレーするのかも…

 

ちなみに 各チームのスタンドオフの起用状況は次の通り。

 

  R1

  R2

  R3

  R4

  R5

FRA

WAL

43-0

ヌタマック69

 

ENG

25-26

ジャリベル66

デュポン

ITA

73-24

ラモス67

デュポン

IRE

42-27

ヌタマック

SCO

35-16

ヌタマック

ENG

IRE

22-27

Mスミス64

Fスミス

FRA

26-25

Fスミス

SCO

16-15

Fスミス

ITA

47-24

Fスミス

WAL

68-14

Fスミス55

フォード

IRE

ENG

27-22

プレンダー 58

クローリー

SCO

32-18

プレンダー

WAL

27-18

プレンダー

FRA

27-42

プレンダー

ITA

22-17

クローリー64

プレンダー

SCO

ITA

31-19

ラッセル

IRE

18-32

ラッセル21

マクドウォール

ENG

15-16

ラッセル

WAL

35-29

ラッセル61

マクドウォール

FRA

16-35

ラッセル

ITA

SCO

19-31

ガルビシ

WAL

22-15

ガルビシ

FRA

24-73

ガルビシ

ENG

24-47

ガルビシ

IRE

17-22

ガルビシ

WAL

FRA

0-43

トーマス

ITA

15-22

トーマス48

エドワーズ

IRE

18-27

アンスコム52

エヴァンズ

SCO

29-35

アンスコム55

エヴァンズ

ENG

14-68

アンスコム47

エヴァンズ

試合の中に いくつものターニングポイントがあるように 大会期間中にも いくつものターニングポイントがある。試合が「いきもの」であれば 大会も「いきもの」だ。

 

FRAにとって 想定外のターニングポイントが 第1戦:WAL戦 38-0 6トライ(=ボーナスポイントも獲得済み)で迎えた 69分のSO:ヌタマックの相手選手へのヘッドコンタクト=レッドカード。この「一撃」で すべてのシナリオが覆った…

 

「たられば」の類だけれど ヌタマックが あんな「間抜けな」プレーをしなければ ㈰第2節 ENG戦も先発で出て おそらく 勝利し その後の試合も 先発していただろう ㈪仮に ENG戦 ヌタマックが出て 負けたとしても 思い切った手を打つことはなかっただろう ㈫ヌタマック抜きで ENGに惜敗することで 第3節以降 リザーブ:FW7人・BK1人 という 大胆な手を打つことになった(先日のMidolのインタビュー記事で セルバ・FWコーチが 「ENG戦敗戦後の帰路のユーロスター車中で ガルティエHCが 71を 言い出した」と 証言している) ㈬71が ITA戦で機能し IRE戦会心の勝利を齎したことで 定番化してきた。ヌタマックのレッドがなければ こういう手を打つ日は 来なかったような… 禍福は糾える縄の如し。

 

それとともに フランス魂の発火点にもなった。どういうことか? ヌタマック:レッド=3試合出場停止とされ かつ 六か国対抗のない週の所属クラブチームの試合はカウントされず IRE戦からの出場となった。同じように 六か国対抗戦の試合でレッドを受け・3試合出場停止処分を受けた IRE・リングローズは 所属クラブチームの試合もカウントされ 六か国対抗戦2試合欠場で 最終節には出場できることになった。この裁定が ㈰フランス人の「アングロサクソンなんて 大っ嫌い!」魂に火を付け ㈪第4IRE戦前に ガルティエが 異例にも「レフリングは公平に」と発言し(フランス人にとって 試合前の会見でレフリーに圧力をかけるのは アングロサクソン流の悪しき風習) ㈫試合中 ブレイクダウンで デュポンが 右ひざ前十字断絶の大ケガ レフリーは「ラグビー・コリジョンでの受傷」と説明するも デュポン・ガルティエ・ヌタマックらは 「故意だ」として 納得せず フランス協会が 文章を発出するも 受け付けてもらえず(百戦錬磨のデュポンが 受傷時に「故意だ」と直感していることは重い)  ㈬この試合では センター・バラシが IRE選手のヘッドコンタクトで 脳震盪 この試合のみならず 翌週の試合も欠場となる 重症を負ったが なぜか このヘッドコンタクトは イエロー(かつ バンカーからの連絡が 異様に早かった)という事案もあり ㈭フランス人特有の「被害者妄想」が 膨張したまま 今大会は終了した。当分の間 対IRE・対レンスター戦は 「遺恨試合」と化す気がしている。

 

令和7329

岡島

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