2023年7月22日土曜日

岡島レポート・2019 W杯・備忘録 188

                                                2019 W杯・備忘録 188

~ 亢竜の悔 ~
 
今夏、NZが絶好調だ。昨秋までの苦戦続きが嘘のように、充実した内容でARGRSAを撃破した。現時点では「向かうところ敵なし」状態。では、3か月後、決勝戦まで勝ち切れるのか? どうなのだろう? 「伸びしろ」は少なく・相手チームに分析されやすい。杞憂なのだろうか。
 
NZ/RSA、昨年の2試合と今年の試合=計3試合をスタッツで比較してみる。
 
-1 得点
 
 2022 ①
 2022 ②
  2023
NZ
       10
      35
      35
   RSA
       26
      23
      20
 
-2 Possession
 
 2022 ①
 2022 ②
  2023
NZ
       45
      50
      56
   RSA
       55
      50
      44
 
ブレイクダウンでディフェンス側を厳しく見る、というWRの方針転換(以前は、アタック側中心に見ていた)があり、ボールを持っている方が有利になった。これを反映して、Possessionで上回ったチームが勝つことが定石化しつつある。
 
-3 Kicks in play
 
 2022 ①
 2022 ②
  2023
NZ
       16
      19
      28
   RSA
       30
      23
      14
 
興味深いのは、NZが蹴るようになり、RSAが蹴らなくなったこと。本番で両チーム、どんな戦略・戦術で臨むのか?
先週末の試合(2023)、キック数も気になるが、キックの「質」も気になった。RSA14回のうち、タッチに出したのが7回(=相手ボールラインアウトで再開)・マイボール化できたのは「0」。これに対して、NZ28回のうち、タッチに出したのは4回、マイボール化したのが「11」。NZのキックの質の高さ+RSAのキックディフェンスの「穴」が印象に残る。
 
-4 Passes
 
 2022 ①
 2022 ②
  2023
NZ
      158
      169
     193
   RSA
       92
       99
     135
 
RSA、モデルチェンジを試みているのか、それとも、この時期の「カムフラージュ」なのか。スタンドオフにポラードが戻ってくれば、元に戻す・戻るのか…
 
-5 Rucks Won
 
 2022 ①
 2022 ②
  2023
NZ
       68
       83
      91
   RSA
       69
       44
      74
 
NZ、前回大会のIREHC:シュミットがコーチングスタッフに加わったことでIRE化が進んでいるのだろうか?
 
-6 Penalties
 
 2022 ①
 2022 ②
  2023
NZ
     12 (0,0)
     12 (1,0)
      8 (0,0)
   RSA
      7 (0,1)
      7 (1,0)
     12 (0,0)
(注)()内は、(イエロー、レッド)の数
 
RSAPのうち、2回はNZ9番がボールを当てたもの。「技あり」ということなのか…
 
23分、NZゴール前10m付近でのRSAラインアウト、スロアーは2番、ラインアウトは5mラインから「1114587312」と8人が並び、ハーフの位置には6番が入る。RSAがたまに試みるバックスのプレーヤーも加わる興味深いラインアウト。この日も得点には結びつかなかった。どういう展開を望んでいるのか、気になるところである。
 
試合後、RSA・エラスムスGMSNSで「主審・レイナルの出来は、RSAの出来よりもよかった」と発信。過去にレフリー批判を発信して懲罰も受けた体験からか、「ほめ殺し」でもしようというのだろうか。少なくとも、レフリー団を刺激して敵に回す必要はない。
5月に行われた欧州クラブ選手権決勝で、ベンチ外だったセクストンが主審・ペイパーに暴言を吐いた件で、独立審査会がセクストンに対して「対外試合3試合の出場停止」処分を科す(Midol速報では、この決定に関する見出しで「寛大な」という形容詞をつけている)。この結果、セクストンはW杯前の試合には出場できず・ぶっつけ本番でW杯第1戦に臨むことになる。
 
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( 参考 )
2023/7/15 NZ(大文字) 35-20 RSA(小文字):KSLPFD
 
k¹ S¹ L¹ T¹(9)・G¹(10)                7-0 (4分)
k² p¹-L²-p²-L³ p³-PG¹(10)               10-0 (9分)
k³ S²-p⁴-L⁴ s¹ L⁵ T²(6)・G²(10)           17-0 (14分)
k⁴ l¹ P¹-l² p⁵-L⁶ P²-l³ s² TMO¹ D*¹ S³ L⁷ d*¹ P³-l⁴ 
L⁸-f¹-s³ l⁵ P⁴-pg¹(9)                  17-3 (35分)
K¹ p⁶-PG²(10)                        20-3 (36分)
k⁵ P⁵-l⁶ TMO²-p⁷ NZ・タッチに蹴りだし・ハーフタイム
 
K² l⁷ L⁹ s⁴ L¹⁰ S⁴ s⁵-P⁶ S⁵ P⁷-l⁸ P⁸-l⁹ P⁹-l¹⁰-t¹(16)・g¹(14
                                 20-10 (53分)
K³ L¹¹ p⁷-L¹² p⁸-PG³(10)                23-10 (59分)
k⁶ l¹¹ t²(14)                      23-15 (61分)
K⁴ p⁹-L¹³ L¹⁴ T³(14)・G³(10)             30-15 (68分)
k⁷ l¹² S⁶-p¹⁰-L¹⁵ p¹¹-S⁷ T⁴(10)            35-15 (76分)
k⁸ t³(6)                           35-20 (79分)
K⁵ NZ選手がタップしたボールがRSA14番に入り・ライン際をラン・タッチの外に出されて・ノーサイド
 
令和5722
 

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