2023年4月15日土曜日

こんなニュースも 😱 届いて居ます 😵‍💫

 ANSES(食品・環境・労働衛生安全庁)は、4月6日(木)に公開された報告書の中で、フランスの水道水の34%に公衆衛生法で定められた基準値を超えるレベルの化学農薬が残留していることを発表しました。

発がん性の疑いがあるため、欧州食品安全機関により使用が禁止されている農薬、Chlorothalonil (クロロタロニル)の、規制基準値(水1リットルあたり0.1マイクログラム(ug))の4倍の量が検出されています。
クロロタロニルは2019年に欧州で販売が禁止されたSyngenta社製の殺虫剤で、2016年には1710トン近くの製品がEU域内で使用されていました。
保健当局によれば、コルシカ島と海外県以外のフランスのほとんどの地域が影響を受けているとのことです。
報告書では他にも、分析したサンプルの半数から、欧州化学物質庁により昨年6月に発がん性の疑いがあるために使用が禁止された除草剤である、S-メトラクロールが検出されたことが報告されています。
さらに分析したサンプルの10%に爆発物の残留物があることを指摘しており、第一次世界大戦の兵器跡地や、兵器産業の工場付近からの水質汚染の影響が強いとされています。

ANSESによると、水質汚染の影響を特に受けているのは、オー・ド・フランス(Hauts-de-France )とブルターニュ(Bretagne)地方で、次いでパリ及びパリ近郊(la région Parisienne)、サントル地方(la région Centre)、ペイ・ド・ラ・ロワール地方(les Pays de la Loire)となっています。

汚染物質が次々と発見されているのは、分析の精度が高まったことが理由であり、更に新たな汚染物質が発見される可能性が高まっていますが、各地の水質汚染についてはこれまでに何度も問題になってきました。
ブルターニュ地方衛生庁(ARS)の報告書によると、Côtes-d'Armor県で2021年10月と11月に行われた分析の結果、規制基準値を上回るS-メトラクロールが地下水の82%以上、地表水の99.61%から検出されました。
自治体は当初、ダムの水で水を薄めようとしましたが水量が十分ではなく、2022年8月末には飲用に適さないとされ、水の汲み上げが停止されました。

しかし他に水を得る手段はなく、数週間後の10月14日には市議会の激しい議論の末、サン・メイユー(Saint-Mayeux)集水域における汲み上げの再開が決まりました。
解決策が見つかったからではなく、保健当局が規制値を引き上げることを決定し、0.1μg/リットルから9倍の0.9μg/リットルに変更されたことが理由です。

同様の事態は、Alpes-de-Haute-Provenceなど他の地域でも起きており、生態学者でObservatoire de la nappe d'Alsaceの副会長であるDaniel Reininger氏は、「基準値を引き上げることにより、関係者の数が90%減り、消費者は0.9以下の汚染値について知らされることがなくなり、飲料水製造工場は0.1に戻すための措置を取る必要がなくなる。基準値を引き上げる理由として、がんなどの健康被害との関連についての説明がまずされるべきである。」と、正確な情報の開示を求めています。

飲用に適さない水を飲んでいるのは、2020年にはフランス国民の6%未満でしたが、2021年には約20%に及び、2023年は30%を超えています。
水質の急激な悪化は、分析の精度が上がっただけではなく、干ばつにより地表水、地下水ともに水の量が減ったことも汚染濃度を高める要因と見られていますが、他の汚染物質との「複合汚染」が問題を複雑にしています。
それぞれの化学物質についての安全性の基準はあっても、全ての汚染物質が蓄積された場合のデータが存在せず、どの程度ならば安全という指標が出せないことが、規制基準値の不安定さに繋がっています。

水道水ではなくミネラルウォーターであれば安全かという問いに対しては、ミネラルウォーターからもクロロタロニルの残留農薬が検出されたことが報告されています。
農薬は光と温度が加わることにより危険性が増すため、ボトルの保管状態と期間にも安全性が左右されます。
またフランスで最も多く販売されている7社のミネラルウォーター(ボトルウォーター)からマイクロプラスチックが検出され、水道水よりも健康への被害が高い可能性が指摘されています。
この問題については次回にお伝えしたいと思います。

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