ゴールデンウィーク ありがたいような そうでもないような…
2019 W杯・備忘録 177
〜 リーグワン 〜
リーグワン・レギュラーシーズンが先週末終わった。ホームページには、以下のような順位表が載っている。
勝点 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 差 | T | G | PG | DG | 反則 | |
1.P | 66 | 15 | 0 | 1 | 539 | 270 | 269 | 69 | 58 | 24 | 2 | 173 |
2.Ku | 65 | 14 | 1 | 1 | 636 | 340 | 296 | 84 | 63 | 30 | 0 | 163 |
3.S | 55 | 12 | 0 | 4 | 529 | 325 | 204 | 73 | 46 | 24 | 0 | 185 |
4.C | 54 | 10 | 2 | 4 | 588 | 321 | 267 | 84 | 60 | 16 | 0 | 181 |
5.Ts | 48 | 10 | 0 | 6 | 558 | 394 | 164 | 75 | 57 | 23 | 0 | 187 |
6.Ty | 37 | 8 | 0 | 8 | 468 | 449 | 19 | 62 | 40 | 26 | 0 | 192 |
7.R | 30 | 6 | 0 | 10 | 414 | 384 | 30 | 57 | 39 | 17 | 0 | 227 |
8.Y | 30 | 5 | 2 | 9 | 404 | 403 | 1 | 55 | 36 | 19 | 0 | 204 |
9.Ko | 25 | 5 | 0 | 11 | 470 | 509 | - 99 | 66 | 52 | 12 | 0 | 203 |
10.M | 20 | 4 | 1 | 11 | 360 | 609 | -249 | 45 | 36 | 21 | 0 | 194 |
11.N | 14 | 3 | 0 | 13 | 295 | 640 | -345 | 45 | 29 | 3 | 1 | 219 |
12.Ki | 5 | 1 | 0 | 15 | 297 | 854 | -557 | 41 | 31 | 10 | 0 | 200 |
開幕前の予想通りの順位になった。少なくとも、プレーオフ進出の4チーム・入れ替え戦を戦う3チーム、外しようがない。それだけチーム力に差がある。その中で、勝点のばらつきが気になっている。駅伝の中継で使われるように、先頭集団…というように「勝点6点差以上開くと別集団になる」と見なすと、リーグワン全12チームが66.65 / 55.54 / 48 / 37 / 30.30.25.20 / 14 / 5 と7集団に分かれた。
比較するために、先週末第23節を終えたフランスラグビーTOP14で見てみると、現時点で、71.70 / 64 / 58.57.56.56.54.49.49.46.42.39 / 31 と4集団に分かれている。中位のチームが「団子状態」になっている≒チーム力が拮抗している。
それを反映しているかと思われるのが、観客数。先週末、リーグワンは1試合平均7,129人、TOP14は1試合平均15,350人。リーグワンの最大観客数はヤマハ/トヨタの12,203人、最小観客数は近鉄/NECの3,992人。TOP14の最大観客数はボルドー/リヨンの23,599人、最小観客数はブリーブ/ポーの9,076人。観客数、何で決めるのか、これはこれで重要な問題だ。NZ・AUSのスーパーラグビー、年々観客数が減少している気がする。これも一つの「他山の石」。リーグワン、賑わってほしい。
ボーナスポイント、トライを多くとった場合(=攻撃力に着目したポイント。以下「B.O」)と僅差の負けの場合(=防御力に着目したポイント。以下「B.D」)にそれぞれ「1」付与される。B.OとB.D、同じ1ポイントだけれども、意味が違う気がしてならない。B.Oの試合は、どうしても大差・大味の試合になってしまい、ひいきのチームが快勝するのは見ていて楽しいがハラハラ・ドキドキの緊張感に欠ける。それに対して、B.Dの試合は、最後まで勝敗の帰趨が定かではない。
勝点のうちのボーナスポイント、リーグワンは1試合平均0.68、TOP14は0.61
ボーナスポイントのうちB.Oは、リーグワン0.47、TOP14:0.29
同 上 B.Dは、リーグワン0.21、TOP14:0.32
順位別のB.D
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | |
R1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 3 | 3 | 3 | 4 | 2 | 0 | 1 | 1 | - | - |
T14 | 1 | 3 | 5 | 5 | 2 | 5 | 3 | 2 | 2 | 5 | 5 | 5 | 3 | 6 |
リーグワンの下位チームは抵抗力が小さい。それに比べるとTOP14の下位チームはかなり抵抗している。これも観客数に影響している気がする。
順位表に「DG」の欄があるのは、初めて見た。1位パナが「2」、11位NECが「1」だけ。僅差の試合であれば、DGの3点は大きな意味を持つ。W杯では、いくつものDGのシーンを見てきた。なぜリーグワンではDGを狙わないのか?これはこれで興味深い論点だなと感じている。
順位表に反則数の欄があるのも初めて見た。日本人のコンプラ好きが反映している気がしてならない。
サッカー日本代表は、年々、海外組の比率が増してきている。一方、ラグビー日本代表は、現時点では、海外組がいない。2019W杯時点で、国内組だけで構成されていたチームは、NZ、IRE、ENG、FRA、JPNの5チーム。各代表チームの選手がどのクラブチームに所属していたか、表にしてみた。(所属チームは、当時のラグマガに掲載されたもの)
IRE(33人) | NZ(32人) | ENG(32人) | FRA(35人) | JPN(31人) |
レンスター・15 マンスター・12 アルスター・ 4 コノート ・ 2 | クルセダー・11 チーフス ・ 8 ブルーズ ・ 5 ハイランダ・ 4 ハリケーン・ 4 | サラセンズ・ 9 レスター ・ 6 バース ・ 5 エクセター・ 3 セインツ ・ 3 他4チーム・ 6 | トゥールー・ 8 クレルモン・ 7 ラシン ・ 6 トゥーロン・ 4 モンペリエ・ 3 他4チーム・ 7 | パナソニッ・ 6 サントリー・ 5 神戸 ・ 4 トヨタ ・ 3 東芝 ・ 2 ホンダ ・ 2 キャノン ・ 2 他7チーム・ 7 |
IRE、そもそも国内に4チームしかない。選手の集中度が高い。だから強いとも言えるが、同じような構造を有しているWALが低迷している。ただ、JPNの選手の所属チームの分散度合、他の4か国とは異質とも言える。なぜこんなに広く・浅いのか興味深い。そうでありながら、国内の試合で拮抗したものが少ない。
今年のW杯、各国、どんなチーム構成になるのだろうか。
リーグワン 入れ替え戦とプレーオフを残すのみ。いよいよ真剣勝負、ヒリヒリする試合を期待したい。
令和5年4月29日
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