2021年4月25日日曜日

市野さんからの報告・・

佐藤 達 様
箱根菜の花展示室で開催された「斎藤義重の現場へ  ふたたび」展(4月17日〜25日)に行ってきました。
1996年にT&Sギャラリー(品川区、朋優学院内)で展示された複合体「T&Sギャラリーのための」の再展示(?)です。
斎藤先生の遺作ともいえる大作として知られている作品で、「終末時計」のイメージははその後もさまざまに展開されています。最初の発表以後、2001年、2016年の2回にわたり完全な形で再展示されていますが、それらはいずれもT&Sギャラリーでの展示でしたので、異なる空間での展示はこれが初めてでしょう(ただ、展示空間の関係で作品の一部が展示されていません)。
会場は天井高が足りなかったり、一部の壁面に左官作業がほどこされていたりとT&Sギャラリーの空間とはかなり異なっていますので、オリジナルインスタレーションのもつの伸びやかなイメージを再現しているとは言えませんが、また違った雰囲気の中に作品が収まっています。
展示空間が異なれば作品のイメージが変わってしまうのは致し方ありません。このようなインスタレーション作品を再展示する際の限界と言えるでしょう。
複合体「T&Sギャラリーのための」のオリジナル展示は、環境と作品が不可分のインスタレーションとしてT&Sギャラリー内に構成されていましたので、空間もふくめて元通り再現すれば、斎藤先生の知性や感性そのものに触れることができる貴重な作品です。そのための図面・資料(朋優学院デザイン科制作・保管)も残されていますが、再現展示には何かと乗り越えなければならない壁が存在しているのも事実です。しかし展示する側が責任を負うことで再展示の可能性を試みたのが、
今回の「斎藤義重の現場へ ふたたび」展だったのかもしれません。作品自体の所有者は故斎藤史門氏(斎藤義重の次男、彫刻家)の夫人の斎藤泉さんで、作品の保管を箱根菜の花展示室オーナーの高橋台一氏が担当されたようです。展示を担当した高橋氏からは、斎藤義重作品を個人が所有してある意味で死蔵してしまうより、なるべく多くの人の目に触れるようにしたいとのお話を伺いました。オリジナル展示とはかなり異なっていますが、多くの人に斎藤義重作品を公開するという点では共感できるものがあります。インスタレーション作品であるが故に展示が難しく、斎藤先生の代表作である複合体シリーズ作品を目にする機会が失われてしまうことは残念で、避けなければならないことです。何とかT&Sギャラリーという空間と複合体「T&Sギャラリーのための」の共存する景色を見てみたいものだと感じています。  市野泰通 

🙀 市野さんからの写真を拝見して吃驚、👀仰天🙀 作品が壁からはみ出して居る。せめて、TSAで斎藤先生の作品制作や展示を手伝った経験の在る市野さんが立ち会えば違った展示に成ると思いますが。せっかくの作品公開も本当に難しいモノだと思いました。特にインスタレーションは周りの空間も大きな要素に成りますから。確かベルギ王立近代美術館(ブルッセル)で、ユーロバリア’89 日本フェステバルが開催された時に、斎藤先生の作品展示に駆り出され、当時、東京画廊の松本さん、コミッショナーの千葉さんも会場で、斎藤先生の指示に従って作品移動=展示作業をした事を思い出します。インスタレーションの展示は難しいと言うか、その会場によって変化することも多々在り、特に個々の作品が独立して居る中でのインスタレーションは見る側にも楽しみが在ります。今回は実際に鑑賞出来ないのが残念です。

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