2013年10月17日木曜日

楽しかった夏の思い出の写真から/中田中学校の作品修復


登米市中田中学校玄関内に展示されてある私の作品は、高橋公子先生が購入して、子供達のためにと中田中学に1999年に寄贈して頂いた、タイトル・構成主義に捧げて、レリーフ作品で、1991年制作、材質は材木と布(染色)、大作です。
額装は仙台の小西造型に依頼して作って頂いたガラス入りのケース(高さ2m15cm、長さ2m15cm、奥行き60cm)、今回の東日本大震災でも破損無く、作品もケースも無事でした、只、寄贈展示当時は、2ヶ月に一回、額の扉を開いて空気を入れ替える作業は学校側でキチンと管理して下さって居ましたが、時が経ち、担当の方が替わり、10年も過ぎますと、いつしか額の扉は閉じたまま、湿気も在り、徐々に、染色された布の方にカビが生えて来ました。2年前から、これは危険といつかケースの中の掃除も兼ねて、カビを取らなければと思いつつ、今回、実際にケースの中に入って診ると、布のカビは簡単に取れない、又、14年も経つと太陽光線で染色も多少変色している事も在り、全面的に布の部分を替える事にしました。7月29日、岩井君、木村さんにお手伝いを頂き、作品をすべて取り外して、ガラスケースのガラス拭き、ケース内の掃除も、さて、布を元の色に染色する事が出来るか否か、早速、宮地先生の教え子でアトリエの中心的存在だった松浦さんに相談に、運悪く彼女は腕を痛めていて、難しいと言う事で仕事の出来る知り合いにバトンタッチ、結果は、以前と同じ色の布が出来上がり、9月28日、午前中に岩井君と一緒に岩井君の母校ですから彼も中田中学校の生徒諸君に見て頂きたい一心で、展示作業も無事終了、作品は新作の様に生まれ変わり、除湿剤を左右に置いて、ホッとした瞬間でした。メンテナンスと言う言葉、我々、芸術家仲間には大切な事で、野外の作品も含めて、作品は大切に保管して頂き、色が変色したり剥げたり破損したら、速やかに修復・修正する様に祈っています。パリに戻り、ふと、布に関しては5枚(黄、赤、紺、黒など)づつをセットで10組用意しておけば100年は大丈夫かと、ならば、来年でも用意して置こうかと(既に、布の染色見本用に保管はして在りますが)、すばらしい作品でも一部、破損すると芸術作品とは違う、只のガラクタを見せる危険な可能性を潜んで居るのですから。今頃、中田中学の生徒諸君は新しく成った雰囲気の作品に気がついて、アレ!、と、見て居るかなと思うだけで、嬉しいものです。

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