2025年2月1日土曜日

岡島レポート・ 2019 W杯・備忘録 261

SATORUさま

歳のせいなのか  それとも  世間が日進月歩しているからなのか  日に日に 世間知らずになっている

               2019 W杯・備忘録 261

                〜 ベジエ 〜

 

『堅くて凶暴・力と自己犠牲の塊が 相手を徹底的に叩きのめす。勝ち続ける だから 謙虚でもある。』『まるで ロードローラーのように 行く手を阻むなにものをもなぎ倒してゆく。ブレイクダウンの戦略の宝庫であり FW8人の連動性・モールの質・素早い球出しは 他チームの追随を許さない。』『常に進化を探求し 新戦術を生み出す、特に ブレイクダウン・ラック・モール周辺で』

 

RSAのことではない。これまでも しばしば引用してきたエレロ『ラグビー愛好辞典』「ベジエ」の項の一節である。

 

定期的に開催される「大会」において 連覇するチームは いつの時代においても ある種 共通点がある。現在のRSAと他の代表チームの関係性が 半世紀前のフランス「圏」での覇者:ベジエと他のクラブチームの関係性と酷似している気がしている。

 

W杯以前・プロ化以前、ラグビー界は アマチュアリズムを墨守し 対抗戦を重んじ 選手権を忌避していた。そういうイングランド流のラグビー界にあって フランスは 毎年選手権を開催し続けていた(そのこともあって 五か国対抗から「破門」されている時期もあった)。そのフランス選手権での覇権は 60年代のルルドの時代から ベジエの時代に移っていた。1971年から1984年は「ベジエの時代」。フランス選手権で 3年のうち2年は 優勝していた(二連覇し 一年おいて 二連覇の繰り返し)。

 

中島みゆき「時代」が 発売されたのが 1975年 半世紀経ってるんだ…

♪ そんな時代もあったねと ♪

 

以前 「圏」ということに少し触れたが 「圏」と「大会」は ある意味 表裏一体である。フランス「圏」が存在するから・フランス選手権がある。フランス選手権が存在するから・フランス「圏」がある。

同時期 フランス代表チームは 五か国対抗に 毎年参戦していた。五か国対抗が存在するから・五か国対抗「圏」がある。

当時 国内の「圏」で覇権を握っているチーム(=ベジエ)のプレースタイルと五か国対抗でのFRAのプレースタイルは まったく異なるものだった。

ある意味 当たり前のことである。フランス「圏」内での比較優位のポイントが フランス「圏」外=五か国対抗「圏」での対戦では 比較劣位になる。フランスの場合 アングロサクソン(≒対戦相手の4か国)のような「がたいのでかい」ノッポは いない。だから モール・ラインアウトは 弱い。では どうするか? 強力FWを基軸にしたベジエの戦い方ではなく フレンチフレアで。だから 代表選手にベジエの選手が召集されることは 極めて「稀」だった。『後年 フランス代表チームがベジエのプレースタイルをそっくり真似ようとしたことがあった。が 出来なかった。なぜなら そこに至る歴史が異なり・選手のモチベーションが違っていたから』とエレロは書いている。

 

同時期の日本に目を転ずると

日本選手権の覇者は 1971:早大 197273:リコー 1974:近鉄 1975:明大 1976:新日鉄釜石 1977:トヨタ 1978~84:新日鉄釜石である。

そして 日本代表は 協会ホームページ「代表キャップ対象試合」として 19712試合(イングランド) 19723試合(豪州コルツ+アジア大会) 19733試合(ウェールズ・イングランド(U23)・フランス) 19744試合(NZU+アジア大会) 19755試合(ケ大・豪州・ウェールズ) 1976:(NZUほか+アジア大会) 19772試合(オ大・スコットランド) 19783試合(クインズランド・フランス+アジア大会) 19792試合(イングランド・ケ大) 19804試合(NZU・オランダ・フランス+アジア大会) 19811試合(豪州学生代表) 19827試合(カナダ・NZU・イングランド学生代表+アジア大会) 19832試合(オ・ケ連合・ウェールズ) 19843試合(フランス+アジア大会)

当時 日本代表が定期的に参戦していた「大会」は アジア大会だった。

キャップ対象のアジア大会の戦績は

1969(第1回):香港 ○ 24-22 秩父宮

1970(第2回):タイ ○ 42-11 バンコク

1972(第3回):香港 ○ 16-0  香港

1974(第4回):スリランカ ○ 44-6 コロンボ

1976(第5回):韓国 ○ 11-3 ソウル

1978(第6回):韓国 ○ 16-4 クアラルンプール

1980(第7回):韓国 ○ 21-12 台北

1982(第8回):韓国 ● 9-12 シンガポール

1984(第9回):韓国 ○ 20-13 福岡

1986(第10回):韓国 ● 22-24 バンコク

好敵手は韓国 ラグビー日本は アジア「圏」に属するチームだった…

今昔の感…

*******************

今年の六か国対抗がはじまる。Optaの予想では 優勝確率 IRE63% FRA29% SCO5% ENG2% ITA0.5% WAL0.2%。さて どういう展開になるのやら

 

令和721

0 件のコメント:

コメントを投稿