2019 W杯・備忘録 75
~ ルーズベルトゲーム ~
野球では、見ていて面白い試合の代名詞として8対7の「ルーズベルトゲーム」がある。ラグビーで、見ていて面白い試合、どんな要素があればいいのだろうか。
野球との違いは、「表裏」がないこと、得点が1点刻みではなく、3点・5点・7点であることだろうか。
8対7の意味は、①僅差であること ②(投手戦・ディフェンス一辺倒ではなく)ほどほどの打撃戦・点の取り合いであること にあるのだろう。ラグビー的には、①防御側のボーナスポイント内の差であること=5点ないしは7点差以内 ②トライなしではなく2~3トライぐらいの試合というイメージだろうか。
そして、つまらないミスはない方がいいし、逆転シーンも欠かせない。
ネットで「ルーズベルトゲーム」を検索すると、「終盤、4-7から逆転して8-7で勝利する」というのもある。極めつけは「代打」「逆転」「サヨナラ」「満塁」「ホームラン」なのだろうか。2015年W杯:JPN/RSA、ノーサイド直前に交替で入ったヘスケスのトライで逆転した。まさにラグビー版ルーズベルトゲームだった。
今大会の決勝ラウンド7試合の得点差・逆転などを表にすると次の通り。
| QF1 | QF2 | QF3 | QF4 | SF1 | SF2 | F |
得点差 | 24 | 32 | 1 | 23 | 12 | 3 | 20 |
逆転 | 1 (18分) | - | 1 (75分) | - | - | - | - |
同点 | 0-12 | 0- 6 | 0- 5 | 0- 4 | 0- 2 | 0-15 18-20 46-57 66-76 | 0-10 23-26 35-39 |
1~7差 | 12-21 43-47 | 6-14 | 5- 8 12-32 54-80 | 4-49 | 2-40 58-63
| 15-18 20-46 57-66 76-80 | 10-23 26-35 39-46 52-58 60-66 |
8点超 | 21-43 47-80 | 14-80 | 8-12 32-54 | 49-80 | 40-58 63-80 |
| 46-52 58-60 66-80 |
(注)「同点」「1~7差」「8点超」の数字は試合時間。
あらためてこう整理してみて、逆転の少なさに驚く。負ければ終わりの試合での「先取点の重み」が如実に表れているということなのだろうか。
どの試合も面白かった。記憶に残っている。面白さの優劣があるようでないような… 得点差なども面白さの要素なのだろうが、やはり何を競い・奪う試合・大会の重みが大きいからなのだろうか。それにしても、SF2:RSA/WAL、8点差以上開いた時間帯がなく、同点が38分間・7点差以内が42分間と80分間常にどちらも一瞬でリードしうる密度の濃い試合だった。
同様に予選プールのJPNの試合では次の通り。
| RUS | IRE | SAM | SCO |
得点差 | 20 | 7 | 19 | 7 |
逆転 | 1 (39分) | 1 (59分) | - | 1 (26分) |
同点 | 0- 5 | 0-14 | 0- 3 16-24 | 0- 7 24-26 |
1~7差 | 5-44 | 14-22 34-80 | 3-16 24-28 34-54 74-76 | 7-20 26-40 56-80 |
8点超 | 44-80 | 22-34 | 28-34 54-74 76-80 | 40-56 |
僅差のリードを長い時間守り切ったIRE戦、SCO戦。どの試合も楽な試合はなかった4連勝、「勝ち切れる力」を持っていたJPNだった。
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最後のトップリーグの最終ステージが、まもなく行われる。恐れていたコロナ感染者が出たことで、試合が実際に行われるのか心配である。
フランス・トップ14は、2月以降、かなり順調に試合が行われてきたが、直近の2週は7試合中4試合がコロナ感染者出現のため順延となっている。
ここにきて、変異株が猛威をふるい始めたのだろうか。
令和3年5月1日
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