クマさんたちと どうお付き合いすれば いいのですかね
2019 W杯・備忘録 301
〜 Transition 〜
Transition 手元の英和辞典では「㈰〔…から/…への/…間の〕移り変わり、推移、変遷;〔…からの/…への〕過渡期、変わり目、転換期」とある。
日々 公共放送で 朝から 野球を見ている(見させられている)と どうしても 野球を基準として ものごとを捉えるように 仕向けられてしまう… ラグビーは 野球とは 違うんだ! と 力こぶをいれてみても 詮無い気もするのだが… 違いの一つが Transitionの有無。
Midol(10月27日) 前FRAコーチ:ラビットが『トランジション、近代ラグビーのキーだ』という見出しのコラムで 以下のような解説をしている。
… トランジションは サッカーから導入された考え方だ。そして かつてないほど 現在のハイレベルの試合では 勝敗を分ける決定的な瞬間となっている。アタックへのトランジションは ノックオン/カウンターラック/相手キックをキャッチしてのカウンターアタック/ターンオーバーなどが 起点となる。また スクラム/ラインアウトのセットプレーでも 生じることがある。現在は アタックへのトランジションが トライの源泉となっている。アタックへのトランジションでは 瞬時に相手のポジショニングから どこにスペースがあるか その判断が重要になる。一方 ディフェンスへのトランジションでは その反対に 15人が連携して 瞬時にスペースを埋めることが重要になる。 …
「アタックへのトランジション(以下「AT」)」が一方のチームに生じているということは 同時に 相手チームには「ディフェンスへのトランジション(以下「DT」)」が生じていることになる。この表裏両面のトランジションの反応速度の差が 違いを生む…
なるほど というわけで 先日のJPN/RSA戦を 見返してみる。
JPNが許した9トライの経過は次の通り。
1.「JPNのP⇒RSAのラインアウト」×2で JPNゴール前5mからのRSAラインアウト・モールを押し込まれてトライ
2.「JPNのP⇒RSAのラインアウト」 ・ RSAのノックオンでJPNボールに;JPN9番がロングキック 〜 RSA10番がキャッチしハイパント 〜 JPN10番がハンブルし;RSA10番が胸に収めトライ
3.JPN15番のノックオン⇒RSAスクラム ・ RSA押してAD ・ 6フェーズRSA10番トライ
4.「JPNのP⇒RSAのラインアウト」×2で JPNゴール前5mからのRSAラインアウト・モールを押し込まれて コラプシング=ペナルティトライ+イエロー
( 前半終了 RSA 26-0 JPN )
5.JPNのタッチキックからのRSAラインアウト ・ 6フェーズで RSA18番トライ
6.「RSAのP⇒JPNのラインアウト」 ・ RSAスチール ⇒RSA23番ハイパント 〜 JPN15番ジャンプしてファンブル; グランドに転がるボールをRSA11番拾って・ラン・トライ
7.「JPNのP⇒RSAのラインアウト」 ・ 4フェーズでRSA20番トライ
8.RSAのP ⇒ JPNクイックリスタート〜JPN10番ショートパントが長すぎ RSA15番キャッチ;ビッグゲイン・ショートパント 〜 RSA11番が拾ってトライ
9.JPNのラインアウト・クイックリスタート ・ JPN4フェーズ目RSA9番インターセプト ・ RSA4番のオフロードをJPNパスカット→JPN22番ハイパント 〜 RSA23番キャッチ→11番トライ
やはり というか Pがらみが多い。Pから相手ボールラインアウトになって ゴールラインを割る。この試合 JPNのPが「14」(マイボール・ブレイクダウン:5、ハイタックル:4、ラインアウト:3、相手ボール・ブレイクダウン:1、スクラム:1、 数の多寡も重要なのだろうが 質をどう分析するかも 大切な気がする)。このうち ペナルティトライ・イエローの1回を除いて RSAは 13回タッチキック→ラインアウト。
一方 RSAのPは「11」。JPNは8回タッチに蹴ってJPNラインアウトでの再開。3回は クイックリスタート。1回は 矢崎のトライ。1回は タックルされて相手ボールに。1回は 相手のトライ(上記の8.)に。「超速」とは? という問いが湧いてくる…
もちろん Pを犯さないに越したことはない。ただ Pを犯しても ファンブル・ノックオンなどの小さなミスが重ならなければ 失点に至らない。と言う意味では どこの精度を上げてゆくのか 気になるところである。「超速」という言葉が 一人歩きしている感がある。「超速」アタック・「超速」ディフェンス できれば最高。でも 目指すは 「超速」トランジションでは? という気もしている。
トランジションとの関係では 上記の9トライ中 セットプレーからトライまでの間にトランジションが生じているのが 2.6.8.9.の4回。残りの5回は トランジションなし=一方的に攻め込まれている!? ということなのだろうか。改善点は いくらでもある≒「伸びしろ」は 無限大!?
力の差が大きすぎる両チームの試合。その力の差が 的確に反映された得失点。では 弱者が勝つことは出来ないのか… そんなことはないだろう と ささやかに 願い続けたい。本番で アッと言わせてほしいものだ。
令和7年11月8日
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