大谷選手のような日本人ラグビー選手が出現したら どんなプレーで 驚かしてくれるのでしょうか?
2019 W杯・備忘録 199
〜 敗因 2 〜
負けるのは、何かが足りないからである。
ある1試合に負けたのは、何かが欠けていたからかもしれない、たとえば主力選手をケガで欠く、とか… しかし、4年間の準備期間を経てのノックアウト・ステージ、そんな言い訳は通用しない。
前回は、『起点でもあり終点でもある「POSSESSION」、チーム力が同等と思われる対戦では、50%未満のチームが勝っている。「たまたま」ではない。』として、パスとラックのリスクについて見てみた。
今回は、POSSESSION ⇒ TERRITORY ⇒ KICK について見てゆく。
(表-1 POSSESSION WHOLE GAME)
QF2 NZ/IRE | QF4 RSA/FRA | F RSA/NZ | QF1 ARG/WAL | QF3 ENG/FIJ | SF1 NZ/ARG | SF2 RSA/ENG | |
勝者 | 45% | 40% | 40% | 56% | 49% | 57% | 44% |
敗者 | 55% | 60% | 60% | 44% | 51% | 43% | 56% |
(表-2 TERRITORY WHOLE GAME)
QF2 NZ/IRE | QF4 RSA/FRA | F RSA/NZ | QF1 ARG/WAL | QF3 ENG/FIJ | SF1 NZ/ARG | SF2 RSA/ENG | |
勝者 | 41% | 37% | 47% | 58% | 45% | 54% | 51% |
敗者 | 59% | 63% | 53% | 42% | 55% | 46% | 49% |
フランスのHC:ガルティエは、就任から3年間は目標として、「非・POSSESSION(=50%未満)」+TERRITORY50%以上を唱えていた。これはこれで理にかなっている。
であるはずなのに、主要3試合では、POSSESSION50%未満+TERRITORY50%未満のチームが勝利している。RSA、NZともにディフェンスの乱れがなく・カウンター攻撃に秀でていることの現れでもある。
TERRITORYで劣るチームは、挽回するために、KICKを多用する!? それとも、KICKを攻撃の手段として使う?!
(表-3 KICKS FROM HAND)
QF2 NZ/IRE | QF4 RSA/FRA | F RSA/NZ | QF1 ARG/WAL | QF3 ENG/FIJ | SF1 NZ/ARG | SF2 RSA/ENG | |
勝者 | 33 | 27 | 38 | 34 | 30 | 36 | 29 |
敗者 | 20 | 24 | 34 | 25 | 20 | 22 | 41 |
KICKは、精度・意外性も求められる。
NZ/IRE戦後、NZ・HCが記者会見で「IREの攻撃はコピペのように同じパターンの展開を繰り返してくるので守りやすかった」というようなことを言っている。たしかにIREがボールを持って攻撃しても既視感を覚えるように意外性が感じられない。その一因がキックの使い方にある気がする。
(表-4 METRES FROM KICKS)
QF2 NZ/IRE | QF4 RSA/FRA | F RSA/NZ | QF1 ARG/WAL | QF3 ENG/FIJ | SF1 NZ/ARG | SF2 RSA/ENG | |
勝者 | 878 | 736 | 1002 | 1384 | 705 | 1007 | 837 |
敗者 | 696 | 770 | 1022 | 744 | 633 | 660 | 961 |
(表-5 KICKS IN TOUCH)
QF2 NZ/IRE | QF4 RSA/FRA | F RSA/NZ | QF1 ARG/WAL | QF3 ENG/FIJ | SF1 NZ/ARG | SF2 RSA/ENG | |
勝者 | 14 | 13 | 12 | 9 | 14 | 19 | 10 |
敗者 | 9 | 2 | 16 | 6 | 12 | 10 | 15 |
「タッチに逃げる」のか、選択的に「タッチを切る」のか、質の問題が残る。
そして、彼我のラインアウト力が影響してくる。
(表-6 LINEOUTS)
QF2 NZ/IRE | QF4 RSA/FRA | F RSA/NZ | QF1 ARG/WAL | QF3 ENG/FIJ | SF1 NZ/ARG | SF2 RSA/ENG | |
勝者 | 8/8 | 5/5 | 6/10 | 10/10 | 11/11 | 18/19 | 15/19 |
敗者 | 13/15 | 12/12 | 20/22 | 6/10 | 17/19 | 10/12 | 7/10 |
(表-7 LINEOUT STEALS)
QF2 NZ/IRE | QF4 RSA/FRA | F RSA/NZ | QF1 ARG/WAL | QF3 ENG/FIJ | SF1 NZ/ARG | SF2 RSA/ENG | |
勝者 | 2 | - | 1 | 2 | 2 | 2 | 2 |
敗者 | - | - | 4 | - | - | 1 | 2 |
(表-8 MAULS WON)
QF2 NZ/IRE | QF4 RSA/FRA | F RSA/NZ | QF1 ARG/WAL | QF3 ENG/FIJ | SF1 NZ/ARG | SF2 RSA/ENG | |
勝者 | 3 | 1 | 2 | 6 | 3 | 8 | 5 |
敗者 | 4 | 4 | 3 | 2 | 2 | 3 | 4 |
近年のトライの方程式≒相手のP + PKでタッチキックを蹴り・相手ゴール前に迫り・マイボールラインアウト + モールを組みゴールラインを超える。
NZ/IRE、38分・63分と、この方程式通り、IREは2トライを取っている。しかも、63分のトライはペナルティトライと認定され、NZは14人で戦うことに。その数的有利の状況下の70分、第2項までは方程式通りに進むも、第3項相手ゴールラインを超えるところでNZ・12番にタッチダウンを阻まれる。結果的には、勝敗を分ける大きなポイントになった。
NZ・12番のビックプレーが光ることは事実だが、敗因という観点からはIREの「稚拙さ」が際立つ。
令和5年11月18日
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