2022年6月18日土曜日

岡島レポート・2019 W杯・備忘録 133

             2019 W杯・備忘録 133

  負けたら終わり 〜
 
 トーナメントの試合はリーグ戦の試合とは重みが違う。負けたら終わり、だから、何が何でも勝たねばならぬ… では、どうすれば勝てるのか。
 先週末、スーパーラグビー(以下「SR」)の準決勝2試合とFRAトップ14(以下「Top14」)“Barrage”(仏語で第一義は「ダム」、リーグ戦3位と6位のチームが3位のホームグランドで、4位と5位のチームが4位のホームグランドで戦い、勝者が準決勝に進出し、それぞれ1位・2位のチームと戦う)2試合が行われた。それぞれのリーグの特色が出ていて面白かった。
 
G1SR準決勝 クルセイダーズvsチーフス
G2SR準決勝 ブルーズvsブランビーズ
G3Top14Barrage トゥールーズvsラロッシェル
G4Top14Barrage ボルドーべグルvsラシン92
比較対象として G5:リーグワン決勝 パナソニックvsサントリー
 
 まずは得点  ()内は前半の得点
 
   G1
   G2
   G3
   G4
   G5
勝者
20  (20)
20  (20)
33  (21)
36  ( 8)
18  (10)
敗者
  7  ( 7)
19  ( 7)
28  ( 7)
16  (10)
12  ( 3)
 
 G1G2は雨中戦。G3G4G5は晴天・暑い日の試合。
 G1G2ともに勝者は前半に20点いれ、後半は無得点。偶然なのだろうが…
 前後半で逆転したのはG4のみ。
 
 トライ数は次のとおり
 
   G1
   G2
   G3
   G4
   G5
勝者
   2
    2
    4
    5
    2
敗者
    1
    3
    4
    1
    0
 
 トライが勝利への近道であることは間違いない。
 
 スクラム機会  ()内はPKFKの回数で内数
 
   G1
   G2
   G3
   G4
   G5
勝者
   5 (1)
   5(3)
   7(3)
   6(2)
   6(1)
敗者
  11(2)
   5(2)
   4(2)
   8(1)
   4(3)
 
 スーパーラグビー(=G1G2)も、北半球同様、スクラムでPを狙うようになってきた。G1G2は雨の中の試合ということでスクラム機会が増えていた。
 
 ラインアウト機会  ()内はPKからのもので内数
 
   G1
   G2
   G3
   G4
   G5
勝者
   7(4)
  10(7)
   8(3)
  16(2)
  12(2)
敗者
  11(7)
  17(12)
  12(7)
  12(5)
  15(2)
 
 ラインアウト機会のうちPK由来の比率   (単位:%)
 
   G1
   G2
   G3
   G4
   G5
勝者
   57
   70
   38
   13
   17
敗者
   64
   71
   58
   42
   13
 
 G1G2、ともかくボールが動いてる中で「タッチに蹴り出してゲームを切る」ということが念頭にないようで、その分見ていて面白いのかもしれない。
 
 50:22によるものは、G4・勝者の1回のみ。ルール改正への適応度が高いチームが勝ち進んでいるせいなのかもしれない。
 
 ペナルティ数
 
   G1
   G2
   G3
   G4
   G5
勝者
   13
   12
   11
    9
    6
敗者
    8
   10
    9
    6
    8
 
 G1G4まで、すべて勝者のペナルティ数の方が多い。たまたまかもしれないが、ある種必然の気もする。「つまらない反則」「意味のないP」はある。では、「意味のある反則・P」は存在するのだろうか?「意味がある」か否かは価値観によるだろうが、少なくとも、「リスクを犯してでも…」という心性がチームに勢いをつけている気もする。「Pを減らそう」として「チャレンジ」しなくなれば本末転倒だ。勝つためには「攻め」なければならない。ラグビーにおける「攻め」とは、ディフェンス時にこそ顕在化するのかもしれない。ディフェンス時の「攻め」の行き過ぎがPとなる。それをどこまで気にするのか・制御するのかの塩梅が勝敗を分けるのかもしれない。見ながら、そんなことを考えていた。
 
 G1では、勝者にイエローカードが二回・6番・マテーラ(ARG代表キャプテン)に出されレッドカードに(ローカルルールで20分後に別の選手がプレーできる)。敗者にもイエローカード・1回。
 シンビン中の得点は次のとおり。
カード対象選手
PKの使途
シンビン中の得点
7
敗・7・イエロー
PG
     —
19
勝・6・イエロー
S
23:勝・TG25:敗・TG
31
勝・6・レッド
PKLO
35:勝・TG
(注)「PKの使途」は、カードの対象となったPに係るPKをどう使ったのか
   「シンビン中の得点」の数字はゲームタイム。
 
 この試合、14人のチームが得点している。
 
 G2では、勝者にイエローカードが2回出されている。
カード対象選手
PKの使途
シンビン中の得点
52
勝・2・イエロー
PKLO
57:敗・T
74
勝・7・イエロー
PKLO
76:敗・TG
 
 この試合では、15人のチームがトライを取っている。
 G3G5では、イエロー・レッドは出されず。
 カードが出された時・その後の人数差が生じている時間帯にどう戦うのか、チームの真価が問われる時である。
 
 ゴールラインドロップアウト ()内はドロップアウトで外数
 
   G1
   G2
   G3
   G4
   G5
勝者
   0(0)
   1(0)
   0(1)
   0(1)
   0(0)
敗者
   0(1)
   3(0)
   2(2)
   2(1)
   1(3)
 
 ゴールラインドロップアウト、試合展開にどう影響しているのか、まだまだわからない。
 
 TMO回数
 
   G1
   G2
   G3
   G4
   G5
トライ関連
    2
    -
    2
    1
    2
不正プレー
    2
    2
    -
    1
    -
 
 TMO、いろいろな意見があるが定着してきた感がある。
令和4618

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