世界的な洋画家藤田嗣治(1886~1968年)が残した大壁画「秋田の行事」の科学調査が16日、所蔵する秋田市の県立美術館(平野政吉美術館)で始まる。1937年に描かれて以来初めての本格的な調査。藤田が当時、どのような材料や技法で制作していたのか注目される。調査は18日までの3日間で、県教委の委託を受けた山形市の東北芸術工科大文化財保存修復研究センターが行う。目視で作品の状態などを確かめた後、紫外線や赤外線を当てて顔料や下書きの有無などを調べる。エックス線による透過写真撮影も行い、作品の内部構造を明らかにする。
「秋田の行事」は縦3.65メートル、横20.5メートルの巨大な油彩画。竿燈まつりや梵天(ぼんてん)、かまくらなど秋田の風物が色鮮やかに描かれている。資産家だった秋田市の平野政吉が美術館建設構想を打ち出した際に藤田に依頼し、約半年間の取材を経て15日間で描き上げたとされる。藤田は乳白色の裸婦像などの作品で知られる。技法は長年謎に包まれていたが、2000年以降の修復作業などで、1920年代や40年代の作品ではベビーパウダーを使っていた可能性が高いといわれている。当時も今もほとんど使われない画材だった。
「秋田の行事」の調査は30年代の藤田作品としては異例で、この時期の技法について解明が進むかどうか関心が高まっている。
研究センターの大場詩野子常勤嘱託研究員(西洋絵画修復)は「どのように作品が描かれたのかを解明するのが目的だが、これまで明らかになっていない藤田の技法の一面も見つけられたらと思う」と話している。
「秋田の行事」は、秋田市中心市街地再開発事業で建設中の新県立美術館に飾る目玉の作品。県教委は他に十数点の藤田作品の調査も依頼しており、結果は2013年秋以降の本格オープンに合わせて開く展覧会で公開する。
河北新報 2011年11月15日火曜日研究センターの大場詩野子常勤嘱託研究員(西洋絵画修復)は「どのように作品が描かれたのかを解明するのが目的だが、これまで明らかになっていない藤田の技法の一面も見つけられたらと思う」と話している。
「秋田の行事」は、秋田市中心市街地再開発事業で建設中の新県立美術館に飾る目玉の作品。県教委は他に十数点の藤田作品の調査も依頼しており、結果は2013年秋以降の本格オープンに合わせて開く展覧会で公開する。
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