八ヶ岳に来てます。 庭仕事もせず 三分咲きに 山桜を眺めています
2019 W杯・備忘録 274
〜 2025六か国対抗 7 〜
チームスタッツ Defenceでは Tackles Made, Tackles Missed, Made Tackle%, Interceptionsの4項目が掲載されている。 今回は このうちの3項目について 取り上げてみる。
(表-1 Tackles Made:2025)
| FRA | ENG | IRE | SCO | ITA | WAL | 1試合当 |
FRA | * | 108 | 187 | 176 | 88 | 181 | 148 |
ENG | 123 | * | 156 | 206 | 97 | 135 | 143.4 |
IRE | 100 | 153 | * | 164 | 129 | 168 | 142.8 |
SCO | 125 | 91 | 99 | * | 131 | 137 | 116.6 |
ITA | 164 | 148 | 171 | 212 | * | 144 | 167.8 |
WAL | 185 | 131 | 133 | 242 | 86 | * | 155.4 |
1試合当 | 139.4 | 126.2 | 149.2 | 200 | 106.2 | 153 | 145.7 |
当たり前のことだけど Possession(備忘録271(表-1))が50%以下のチームの方が 相手チームよりもTackles Made数が多くなっている。
Possessionが両チーム「50」だった試合が3試合あった。Tackles Made数は FRA(181-185)WAL、ENG(123-108)FRA、WAL(131-135)となっている。(カッコ内の数値は Tackles Made数)。
(表-2 Tackles Missed:2025)
| FRA | ENG | IRE | SCO | ITA | WAL | 1試合当 |
FRA | * | 31 | 23 | 30 | 18 | 12 | 22.8 |
ENG | 25 | * | 26 | 35 | 22 | 25 | 26.6 |
IRE | 16 | 33 | * | 25 | 28 | 33 | 27 |
SCO | 16 | 10 | 14 | * | 16 | 17 | 14.6 |
ITA | 34 | 36 | 22 | 30 | * | 20 | 28.4 |
WAL | 27 | 22 | 13 | 33 | 15 | * | 22 |
1試合当 | 23.6 | 26.4 | 19.6 | 30.6 | 19.8 | 21.4 | 23.6 |
SCO 全5試合 すべて「10台」。お行儀のいい・お手本通りのミスの少ないタックルをしている ということなのだろうか。そして 対戦相手はSCOのアタックに「手を焼き」ミスタックルを重ねている。でもSCOは 格上に勝てない…
(表-3 Made Tackle%:2025)
| FRA | ENG | IRE | SCO | ITA | WAL | 1試合当 |
FRA | * | 78 | 89 | 85 | 83 | 94 | 85.8 |
ENG | 83 | * | 86 | 85 | 82 | 84 | 84 |
IRE | 86 | 82 | * | 87 | 82 | 84 | 84.2 |
SCO | 89 | 90 | 88 | * | 89 | 89 | 89 |
ITA | 83 | 80 | 89 | 88 | * | 88 | 85.6 |
WAL | 87 | 86 | 91 | 88 | 85 | * | 87.4 |
1試合当 | 85.6 | 83.2 | 88.6 | 86.6 | 84.2 | 87.8 | 86 |
タックルの優等生 SCO!?
勝敗との関係を見てみると Made Tackle%値が大きいチームが勝った試合が8試合、同値が少ないチームが勝った試合が7試合。ということは Made Tackle%値は 勝敗とあまり関係がない ということだろうか。
興味深いのは 同値・小で勝利した試合は 次の通り。(勝利チーム(Made Tackle%値)敗戦チーム)
IRE(82-86)ENG、IRE(87-88)SCO、IRE(84-91)WAL、ENG(85-90)SCO、
IRE(82-89)ITA、ENG(84-86)WAL、FRA(85-89)SCO
IREは 全5試合 すべて相手チームよりもMade Tackle%値が小さい。IREの鍛え上げられた選手たちが タックルが稚拙だとは思えない(というか タックルが稚拙な選手が このレベルの試合のピッチ上に立てるわけがない)。であるならば チーム戦略として 「飛び込む」のか 「待つのか」が どこまで細部にわたって 浸透しているのかが 鍵だろうと思われる。ディフェンスコーチが代わると ディフェンスシステムが変わる。この大会では ENGのディフェンスコーチの交代の影響が しばしば Midolで取り上げられていた。現代ラグビーの「分業化」の一側面である。
各スタッツは それぞれの各行為の「質」は無視して 各行為を「1」(同等のもの)とカウントしている。その集合としての数値が どれほど意味を持つのか… 少なくとも なんらかの傾向は 出てくる。大切なのは 各チームが試合前に構想していた戦略・戦術が どれだけ実行され・それが結果としてのスタッツに反映しているか ということであろう。そういうものを 結果としてのスタッツから どう読み解いてゆくのか 愉しんで解読してゆきたいものだ。
令和7年5月3日
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