「聖火」が フランス本土を 移動し始めました. 夏の祭典 どんな展開になるのやら…
~ 23人 3 ~
ボールを確保しているチームが「ボールを相手ゴールに近づける」=陣地を前進させる・能動的な手段としては、ラン・パス・キックがある。ラン・パスは ボールを保持し続けられる(可能性が高い)が、キックは 相手にボール保持を渡すことになる(なりやすい)。 選手は ボールを持ったら ラン(相手を抜くか・ぶつかるか の 二択)・パス・キックのいずれかを選択する。
ここまで ラン・パスを見てきたが キックについては どうなっていたのか。ラン・パスに比べて キックの大きな特徴が 特定の選手が 蹴っていることである。
まず チーム全体のスタッツから ランメーター・キックメーターの関係を見てみる。
(表-1 ランメーター・キックメーター)
| NZ | IRE | RSA | FRA |
ランメーター | 467 | 633 | 424 | 524 |
キックメーター | 878 | 696 | 736 | 770 |
計 | 1345 | 1329 | 1160 | 1294 |
キックの割合 | 65.3% | 52.4% | 63.4% | 59.5% |
いずれのチームも、陣地獲得の過半はキックである。「キックメーター」「計」 NZが 一番である。NZ/IRE ボールがよく動く試合であった。
次に パス回数とキック回数の関係を見てみる。
(表-2 パス回数・キック回数 割合・比)
| NZ | IRE | RSA | FRA |
パス回数 | 137 | 325 | 82 | 156 |
キック回数 | 33 | 20 | 27 | 24 |
計 | 170 | 345 | 109 | 180 |
キックの割合 | 19.4% | 5.8% | 24.8% | 13.3% |
P/K比 | 4.2 | 16.3 | 3.0 | 6.5 |
パスを多用する(≒「手間暇かける」)IRE、「あっさりと」蹴っちゃうRSA、好対照である。NZが 一番 キック回数が多い。
では どのポジションの選手がキックを蹴ったのか?
(表-3 ポジション別キック数)
| NZ | IRE | RSA | FRA |
スクラムハーフ | 6 (18.2%) | 5 (25%) | 6 (22.2%) | 13 (54.2%) |
スタンドオフ | 8 (24.2%) | 4 (20%) | 10 (37.0%) | 3 (12.5%) |
両センター | 4 (12.1%) | - | 3 (11.1%) | - |
両ウィング | 1 ( 3.0%) | 6 (30%) | 2 ( 7.4%) | 4 (16.7%) |
フルバック | 13 (39.4%) | 5 (25%) | 6 (22.2%) | 4 (16.7%) |
FWでキックを蹴ったのは NZ・8番・サベアが自陣ゴール前から蹴りだした1回のみ。
興味深いのは、①もちろん「たまたま」なのだろうが、センターが一度も蹴らなかったIRE・FRAが負けている ②FRAのキックの過半は 9番・デュポンが蹴っている。よくも悪しくもデュポンのワンマンチーム化していた試合だった ③キック回数が頭抜けて多かった(=「13」)NZ・15番・Bバレット、FRA・9番・デュポン、いずれも世界最優秀選手に輝いている⇒キックスキルも(≒は≒が)重要⇒ラグビーフットボールは フット(≒キック)を如何に効果的に使うか を 競うゲームでもある…
(表-4 スクラムハーフのスタッツ)
| NZ | IRE | RSA | FRA | ||
| スミス | ギブソン | マレー | ライナー | デクラーク | デュポン |
出場時間 | 69 | 61 | 19 | 45 | 35 | 80 |
ランメーター | 25 | 20 | 8 | 4 | - | 29 |
パス数 | 67 | 77 | 47 | 24 | 29 | 76 |
キック数 | 6 | 3 | 2 | 4 | 2 | 13 |
P/K比 | 11.2 | 25.7 | 23.5 | 6 | 14.5 | 5.8 |
スミスがイエロー=シンビンで10分間退場=10分間の休憩 「ケガの功名」に思えてくる。
(表-5 スタンドオフのスタッツ)
| NZ | IRE | RSA | FRA | ||
| モウンガ | セクストン | リボック | ポラード | ジャリベール | ラモス |
出場時間 | 80 | 80 | 45 | 35 | 72 | 8 |
ランメーター | 78 | 6 | 32 | 10 | 40 | ? |
パス数 | 21 | 73 | 2 | 3 | 19 | ? |
キック数 | 8 | 4 | 8 | 2 | 3 | ? |
P/K比 | 2.6 | 18.3 | 0.25 | 1.5 | 6.3 |
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RSA・10番・リボック キックマシーンと化したかのようだった=RSAの戦術の落とし込み方の凄さの象徴である。そして リボックの魅力はラン 機を見て敏 この試合も自陣ゴール前の大ピンチをランで凌いだ。次回大会 どのようなプレーを見せてくれるのか 今から楽しみである。
(表-6 フルバックのスタッツ)
| NZ | IRE | RSA | FRA | ||
| Bバレット | キーナン | ウィレムセ | ルルー | ラモス | ビアレ |
出場時間 | 80 | 80 | 51 | 29 | 72 | 8 |
ランメーター | 77 | 68 | 16 | 5 | 48 | ? |
パス数 | 6 | 22 | - | 2 | 7 | ? |
キック数 | 13 | 5 | 6 | - | 4 | ? |
P/K比 | 0.46 | 4.4 | * | * | 1.75 |
|
NZ・15番・Bバレットの「当たっている」試合だった。対面キーナンは 成長途上 新たなフルバック像を 作ってほしいものだ。
令和6年5月11日
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