いよいよ 決勝戦
3位決定戦も 充実した内容の試合でした
ラグビーの神髄を見たいものです
2019 W杯・備忘録 196
〜 NZ/RSA 〜
決勝戦、順当に(!?)両雄が戦うことになった。
今週月曜日のMidolに「決勝戦の勝敗は、誰がレフリーを務めるかにかかっている」という見出しで、エディー・ジョーンズのインタビューが掲載された。
(以下、拙訳)
記者:決勝戦、どう見ておられますか?
EJ:最高の2チームが決勝戦で戦うことになった。どっちが勝つかを聞きたいのだろうけど、もしウェイン・バーンズが笛を吹くなら((注)インタビューの時点では決まっていなかった。後日、バーンズが主審に指名されている。)ニュージーランドが勝つだろう。もしブレイクダウンなどのコンテスト局面で厳格に吹かないレフリー((注)暗に、準々決勝・準決勝と「1点差」の試合を吹いたオキーフを想定している気がする。)であれば、南アフリカにもチャンスが出てくるだろう。試合結果を予想する上で重要なポイントだ。審判団の判断スタイルが影響してくる。
記者:2チームの違いをどう見ておられますか?
EJ:ニュージーランドは、ランに秀でた攻撃的なチームだ。そして、オールブラックスには経験値が高い選手が揃っている。ホワイトロック:152キャップ、アーロン・スミス:130キャップ、ブロディー・レタリック:108キャップ、ボーデン・バレット:121キャップ。これは貴重だ。リッチー・モウンガは、まだこのレベルに達していないがどんどん成熟してきていると診ている。これらは決勝戦の舞台で生きてくる。しかし、彼らに比べてあまり取り上げられないが、他の選手が気になっている。
記者:えっ? 誰ですか?
EJ:ジョーディー・バレットだ。私から見ると、彼が今大会最高のインサイドセンター・12番だ。試合の洞察眼・ディフェンス・ボール捌きは驚異的だ。なんというプレーヤーだろう!心底、感心している。
記者:南アフリカについては、どう見ておられますか?
EJ:私から見ると、このチームのDNAは「コンテスト」にある。彼らはラックなどの局面で強みを発揮する。そして一般的に言って、よく組織されており、試合の多くの局面で安定感を齎している。それから、多くの人びとと同じく、リザーブに強い印象を受けている。とても充実していて、試合終盤を有利に進めることに多大な貢献をしている。
記者:それから?
EJ:新しい選手もやってきている、でも私はよく知らない、発見しているところだ。例えば、マニー・リボック、ダミアン・ウィレムセ、カートリー・アレンゼだ。彼らの存在によって、カウンター・アタックが格段に良くなった。
記者:しかし、彼らは貴方のかつてのチーム・イングランドに手古摺りましたよね。
EJ:そうだね。イングランドにとって最高のコンディションが揃ってた。彼らは100%活用した。長い間で最高の試合をしたよね。残念ながら、リザーブが投入されたけど、試合終盤の圧力に抗えなかった。
記者:どうしても、「またしても」であり「いつも」南半球が北半球に比べて強いと感じてしまいます。どう見ておられますか?
EJ:その見方には賛成できないね。フランス、アイルランド、イングランドは南半球のチームと同等に強いよ。ただ、決勝に残った2チームに比べて、ほんの僅か経験が足りていない。HCの私の眼から分析すると、決勝に残った2チームは、それに加えて具体的な強みを持っている。最良のカウンター・アタックであり、強圧の中でプレーを完遂する能力だ。これらが両半球の違いを生んでいる。
***********************************
南アフリカの8人のリザーブ=”Bomb Squad” 、2019大会ではFW:6人+BK:2人だったが、より過激化(?)・進化して、FW:7人+BK:1人とするケースが出てきた。大会直前の練習試合、8月25日に行われた対NZ戦(以下の表の「㈵」)、そして今大会予選プール対IRE戦(㈼)、これらとの比較として準々決勝対FRA戦(㈽)、準決勝対ENG戦(㈿)のリザーブ8人の交代したポジション・時間を表にしてみた。
表-1 交代したポジション
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | |
㈵ | 2 | 1 | 3 | 4 | 5 | 6 | 11 | 8 |
㈼ | 2 | 1 | 3 | 4 | 5 | 6 | 8 | 9 |
㈽ | 6→2 | 1 | 3 | 5 | 7 | 9 | 10 | 15 |
㈿ | 6 | 1 | 3 | 4 | 8 | 9 | 10 | 15 |
表-2 交代した時間
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | |
㈵ | 46 | 46 | 46 | 46 | 46 | 46 | 62 | 46 |
㈼ | 64 | 48 | 62 | 48 | 48 | 51 | 48 | 75 |
㈽ | 46 | 51 | 63 | 45 | 75 | 45 | 45 | 51 |
㈿ | 51 | 49 | 56 | 46 | 51 | 43 | 31 | 44 |
8月25日のRSA/NZ、いろいろな意味で「とんでもない」試合だった。前半、NZに3枚のイエロー:同一人にイエローが二度出てレッド化し38分で1人欠いて試合をすることに。それだけではなく、一方的にRSAに押された感があり、前半終了時点で21-0。そして後半開始早々:46分、RSAはFW7人を一気に交代させる。その後2トライ・2ゴールを追加し、35-0。NZは70分に1トライ・1ゴールを返すも35-7とRSAの完勝。
これで好感触を得たのか、W杯に入って、予選プールの天王山、対IRE戦でも同じようなリザーブ構成に。結果としては、IREに13-8で敗れた(この試合のレフリーはオキーフ(NZ)。準々決勝・準決勝もオキーフ)。決勝ラウンドは、ケガ明けのスタンドオフ・ポラードの復活という特殊要因もあり(?)、準々決勝:FRA戦、準決勝:ENG戦はFW:5人+BK3人で構成していたが、決勝戦、またまたFW:7人+BK:1人に。吉と出るか凶と出るか。先発15人で見ると、8月25日の試合と違うのは、NZ:2・4・6番の3人、RSA:2・10・11・12・13の5人。
雨が降りそうな天気予報、どんな試合展開になるのやら。
それにしても、ケガでの交代が一度もない。南アフリカの選手って、試合中は絶対にケガしないのかなぁ…
令和5年10月28日
0 件のコメント:
コメントを投稿