2023年5月13日土曜日

岡島・レポート・ 2019 W杯・備忘録 179

 半世紀以上前 東京に出てきた年の5月の週末 いつも雨でした。
 
        2019 W杯・備忘録 179
        〜  入替戦 〜
 
AUS協会長がスーパーラグビーに「ドラフト制」を導入しようと提案した(もちろん反対意見が出ている)という記事がMidolに掲載された。プロ野球のように昇降がない閉鎖的なプロリーグであれば、リーグ全体の興隆のためにドラフト制を採るのは一案ではある。こんな提案が出るぐらいスーパーラグビーは苦境に立っているのかと思ってしまう。
 
開かれているリーグでは昇降が付いて回る。当然、Yo-yo club(「エレベータークラブ」ウィキ日本版に項目立てされている)が出現する。昇降を賭けた試合、優勝を賭けた試合とは異質のヒリヒリ感がある。先週末リーグワン1部と2部の「入替戦」が、2部のホームグランドで行われた。今週、1部のホームグランドで第2戦が行われる。第1戦の結果は、リーグワンのホームページの表記では次のようになる。
55日:三重H  34-29 GR東葛 (レフリー・滑川 TMO・久保)
56日:S愛知  21-59 相模原DB (レフリー・久保 TMO・滑川)
57日:浦安DR 14-36 花園L  (レフリー・古瀬 TMO・藤)
 
レフリーは誰が務めるのか、気になっていたのだが、現時点でのトップレフリーが順当に割り当てられた。興味深いのは、三重H/GR東葛、S愛知/相模原DB、レフリーとTMOが入れ替わっている。TMOが定着し始めた現状(過渡期)での最善策なのだろうか。では、ついでに浦安DR/花園Lも二人に任せればと願ったが、さすがにそれは無理だったのだろう。その結果(?)、浦安DRの「P」が「19」と群を抜いて多く(三重・10、東葛・11、愛知・8、相模原・9、花園・8)、イエローも「3」(三重・1、東葛・0、愛知・1、相模原・1、花園・0)。浦安関係者が嘆くのも無理はない!? テレビで見ている限り、変な笛はなく・レフリーが見たまま・忖度なく・きちんと吹いていた。おそらく、シーズン中、これらのレフリーは1部の試合を吹き、2部のチームは吹いていなかったのも一因かと思われた。
 
どのチームも上を目指して強化している。チームを強化する秘策なんてない。 「トレード」が存在しない古き時代 新卒で採用し・鍛え上げる途しかなかった。そこに ガイジンがチラホラ現れるようになる。高校・大学にもカタカナ名が現れるようになる。
そして 新時代=プロ化がやってきた。「トレード」が日常時になる。有力ガイジンも大挙してやってくるようになる。
 
入替戦を戦うチーム 1部に定着し・上位を目指していくためには どうすればいいのか。すぐに思いつくのは、短期的には、いいガイジンを呼んでくる・経験値の高い国内選手をトレードで獲得する 長期的には、有望選手を獲得する。
 
現在、「選手のカテゴリ区分/人数について」は以下のように決められていて、これが制約要因となる。
 
選手カテゴリ
カテゴリA:日本代表実績あり/資格あり
カテゴリB:日本代表資格獲得見込み
カテゴリC:他国代表歴あり
 
チーム登録枠
試合23名登録枠
ON THE PITCH
カテゴリA
  80%以上
  17名以上
  11名以上
カテゴリB
BおよびCの合計で10or20%以下
  任意
  任意
カテゴリC
  3名以下
 
では、各チーム、ガイジンをどのポジションに起用するのか、移籍選手の割合、年齢階層がどうなっているのか、以下のような表を作ってみた。
 
(表-1)先発15人の背番号別のカテゴリ
 
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
A
A
a
f
B
a
A
C
a
C
f
f
C
A
F
Ne
A
A
A
A
C
F
A
B
C
A
a
F
B
A
f
A
A
A
C
f
f
A
B
C
C
A
A
F
F
a
Nt
A
A
A
A
B
f
A
C
A
B
a
f
F
F
C
A
A
A
F
c
A
A
C
A
B
A
F
f
a
C
a
A
a
a
C
F
A
F
a
C
a
B
f
A
B
(注)「菱」:三菱重工相模原 「Ne」:NEC 「近」:近鉄 「Nt」:NTT(コムとドコモが合体したもの) 「ホ」:ホンダ 「織」:豊田自動織機
A:漢字名  のカテゴリAで国内での移籍なし(=生え抜き)
F:カタカナ名のカテゴリAで国内の移籍なし
B:      カテゴリBで国内の移籍なし(全員カタカナ名)
C:      カテゴリCで国内の移籍なし(全員カタカナ名)
小文字は、国内での移籍あり
 
たまたまなのだろうけど、6チームすべてで「A」だったのは、2番と7番。2番はある程度予想できたが、7番は意外だった。しかし、少し考えみれば、7番こそが「チームの顔」・体を張ってタックルし続ける、ということなのだろう。
予想通り、8番、1213番はカタカナ名が並ぶ。
 
次に、生え抜き・移籍の割合
 
(表-2)試合登録23名のカテゴリ別人数    
 
  A
  F
  B
  C
  a
  f
  b
  c
  *
 菱
  8
  1
  3
  3
  4
  4
  -
  -
60
 Ne
  9
  3
  2
  2
  3
  2
  2
  -
67
 近
10
  3
  2
  3
  3
  2
  -
 -
75
 Nt
11
  2
  3
  3
  1
  3
  -
  -
80
 ホ
11
  3
  3
  2
  2
  1
  -
  1
85
 織
  8
  2
  2
  3
  7
  1
  -
  -
60
(注)「*」は、生え抜き率:カテゴリA及びBの選手のうち国内での移籍なしの選手の割合
 
NTTは、コミュニケーションが主体になって、ドコモの選手も受け入れて(これらの選手も「移籍なし」と分類した)新たなチームを作ったという特殊要因もあり、生え抜き率が高くなっている。昭和生まれとしては、生え抜き率が高いと、なぜかホッとする。つまらないノスタルジーなのだろうか。
 
そして、年齢階層について、まず、一つ目の区切りとして「30歳」を置いてみて、30歳以上の人数を表にしてみた。
 
(表-3)試合登録中30歳以上のカテゴリ別人数
 
  A
  F
  B
  C
  a
  f
  b
  c
 計
 菱
  -
  -
  1
  2
  2
  3
  -
  -
  8
 Ne
  3
  -
  2
  2
  1
  2
  2
  -
12
 近
  1
  1
  -
  3
  1
  1
  -
  -
  7
 Nt
  4
  -
  1
  3
  -
  2
  -
  -
10
 ホ
  3
  -
  -
  -
  1
  1
  -
  1
  6
 織
  2
  -
  -
  3
  1
  1
  -
  -
  7
 
 
もう一つは、個別チームについて、青(〜26歳)・壮(27歳〜32歳)・老(33歳〜)と置いてみて、それぞれの人数を表にしてみた。
 
 
(表-4)試合登録23名の年齢階層
     ホンダ                  NEC
 
 青
 壮
 老
 
 青
 壮
 老
漢字名
   4
   7
   2
   6
   3
   3
カタカナ
   4
   6
   -
   3
   5
   3
 
     豊田自動織機               三菱重工相模原
 
 青
 壮
 老
 
 青
 壮
 老
漢字名
   7
   6
   2
   7
   4
   1
カタカナ
   3
   5
   -
   -
   8
   3
 
     NTT                   近鉄
 
 青
 壮
 老
 
 青
 壮
 老
漢字名
   6
   6
   -
   6
   5
   2
カタカナ
   1
   7
   3
   3
   5
   2
 
どういうバランスが適切か、正解はないのだろう。気になったのは、「老」。多すぎてもいけないのだろうが、やはり勝つためにもほどほど必要なのだろう。名選手・味のある選手の極みとも思えてくる。
 
来季、1部か2部か、この週末に決まる。これら6チーム、来来季以降、どのような軌跡を描くのか、出来うればすべてのチームが上昇していってほしいがそんなことはありえない。廃部なんてことは起こってほしくない。どうなっていくのだろうか。      令和5513 

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