半世紀以上前 東京に出てきた年の5月の週末 いつも雨でした。
2019 W杯・備忘録 179
〜 入替戦 〜
AUS協会長がスーパーラグビーに「ドラフト制」を導入しようと提案した(もちろん反対意見が出ている)という記事がMidolに掲載された。プロ野球のように昇降がない閉鎖的なプロリーグであれば、リーグ全体の興隆のためにドラフト制を採るのは一案ではある。こんな提案が出るぐらいスーパーラグビーは苦境に立っているのかと思ってしまう。
開かれているリーグでは昇降が付いて回る。当然、Yo-yo club(「エレベータークラブ」ウィキ日本版に項目立てされている)が出現する。昇降を賭けた試合、優勝を賭けた試合とは異質のヒリヒリ感がある。先週末リーグワン1部と2部の「入替戦」が、2部のホームグランドで行われた。今週、1部のホームグランドで第2戦が行われる。第1戦の結果は、リーグワンのホームページの表記では次のようになる。
5月5日:三重H 34-29 GR東葛 (レフリー・滑川 TMO・久保)
5月6日:S愛知 21-59 相模原DB (レフリー・久保 TMO・滑川)
5月7日:浦安DR 14-36 花園L (レフリー・古瀬 TMO・藤)
レフリーは誰が務めるのか、気になっていたのだが、現時点でのトップレフリーが順当に割り当てられた。興味深いのは、三重H/GR東葛、S愛知/相模原DB、レフリーとTMOが入れ替わっている。TMOが定着し始めた現状(過渡期)での最善策なのだろうか。では、ついでに浦安DR/花園Lも二人に任せればと願ったが、さすがにそれは無理だったのだろう。その結果(?)、浦安DRの「P」が「19」と群を抜いて多く(三重・10、東葛・11、愛知・8、相模原・9、花園・8)、イエローも「3」(三重・1、東葛・0、愛知・1、相模原・1、花園・0)。浦安関係者が嘆くのも無理はない!? テレビで見ている限り、変な笛はなく・レフリーが見たまま・忖度なく・きちんと吹いていた。おそらく、シーズン中、これらのレフリーは1部の試合を吹き、2部のチームは吹いていなかったのも一因かと思われた。
どのチームも上を目指して強化している。チームを強化する秘策なんてない。 「トレード」が存在しない古き時代 新卒で採用し・鍛え上げる途しかなかった。そこに ガイジンがチラホラ現れるようになる。高校・大学にもカタカナ名が現れるようになる。
そして 新時代=プロ化がやってきた。「トレード」が日常時になる。有力ガイジンも大挙してやってくるようになる。
入替戦を戦うチーム 1部に定着し・上位を目指していくためには どうすればいいのか。すぐに思いつくのは、短期的には、いいガイジンを呼んでくる・経験値の高い国内選手をトレードで獲得する 長期的には、有望選手を獲得する。
現在、「選手のカテゴリ区分/人数について」は以下のように決められていて、これが制約要因となる。
選手カテゴリ
カテゴリA:日本代表実績あり/資格あり
カテゴリB:日本代表資格獲得見込み
カテゴリC:他国代表歴あり
チーム登録枠 | 試合23名登録枠 | ON THE PITCH枠 | |
カテゴリA | 80%以上 | 17名以上 | 11名以上 |
カテゴリB | BおよびCの合計で10名or20%以下 | 任意 | 任意 |
カテゴリC | 3名以下 |
では、各チーム、ガイジンをどのポジションに起用するのか、移籍選手の割合、年齢階層がどうなっているのか、以下のような表を作ってみた。
(表-1)先発15人の背番号別のカテゴリ
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | |
菱 | A | A | a | f | B | a | A | C | a | C | f | f | C | A | F |
Ne | A | A | A | A | C | F | A | B | C | A | a | F | B | A | f |
近 | A | A | A | C | f | f | A | B | C | C | A | A | F | F | a |
Nt | A | A | A | A | B | f | A | C | A | B | a | f | F | F | C |
ホ | A | A | A | F | c | A | A | C | A | B | A | F | f | a | C |
織 | a | A | a | a | C | F | A | F | a | C | a | B | f | A | B |
(注)「菱」:三菱重工相模原 「Ne」:NEC 「近」:近鉄 「Nt」:NTT(コムとドコモが合体したもの) 「ホ」:ホンダ 「織」:豊田自動織機
A:漢字名 のカテゴリAで国内での移籍なし(=生え抜き)
F:カタカナ名のカテゴリAで国内の移籍なし
B: カテゴリBで国内の移籍なし(全員カタカナ名)
C: カテゴリCで国内の移籍なし(全員カタカナ名)
小文字は、国内での移籍あり
たまたまなのだろうけど、6チームすべてで「A」だったのは、2番と7番。2番はある程度予想できたが、7番は意外だった。しかし、少し考えみれば、7番こそが「チームの顔」・体を張ってタックルし続ける、ということなのだろう。
予想通り、8番、12・13番はカタカナ名が並ぶ。
次に、生え抜き・移籍の割合
(表-2)試合登録23名のカテゴリ別人数
A | F | B | C | a | f | b | c | * | |
菱 | 8 | 1 | 3 | 3 | 4 | 4 | - | - | 60 |
Ne | 9 | 3 | 2 | 2 | 3 | 2 | 2 | - | 67 |
近 | 10 | 3 | 2 | 3 | 3 | 2 | - | - | 75 |
Nt | 11 | 2 | 3 | 3 | 1 | 3 | - | - | 80 |
ホ | 11 | 3 | 3 | 2 | 2 | 1 | - | 1 | 85 |
織 | 8 | 2 | 2 | 3 | 7 | 1 | - | - | 60 |
(注)「*」は、生え抜き率:カテゴリA及びBの選手のうち国内での移籍なしの選手の割合
NTTは、コミュニケーションが主体になって、ドコモの選手も受け入れて(これらの選手も「移籍なし」と分類した)新たなチームを作ったという特殊要因もあり、生え抜き率が高くなっている。昭和生まれとしては、生え抜き率が高いと、なぜかホッとする。つまらないノスタルジーなのだろうか。
そして、年齢階層について、まず、一つ目の区切りとして「30歳」を置いてみて、30歳以上の人数を表にしてみた。
(表-3)試合登録中30歳以上のカテゴリ別人数
A | F | B | C | a | f | b | c | 計 | |
菱 | - | - | 1 | 2 | 2 | 3 | - | - | 8 |
Ne | 3 | - | 2 | 2 | 1 | 2 | 2 | - | 12 |
近 | 1 | 1 | - | 3 | 1 | 1 | - | - | 7 |
Nt | 4 | - | 1 | 3 | - | 2 | - | - | 10 |
ホ | 3 | - | - | - | 1 | 1 | - | 1 | 6 |
織 | 2 | - | - | 3 | 1 | 1 | - | - | 7 |
もう一つは、個別チームについて、青(〜26歳)・壮(27歳〜32歳)・老(33歳〜)と置いてみて、それぞれの人数を表にしてみた。
(表-4)試合登録23名の年齢階層
ホンダ NEC
青 | 壮 | 老 | 青 | 壮 | 老 | ||
漢字名 | 4 | 7 | 2 | 6 | 3 | 3 | |
カタカナ | 4 | 6 | - | 3 | 5 | 3 |
豊田自動織機 三菱重工相模原
青 | 壮 | 老 | 青 | 壮 | 老 | ||
漢字名 | 7 | 6 | 2 | 7 | 4 | 1 | |
カタカナ | 3 | 5 | - | - | 8 | 3 |
NTT 近鉄
青 | 壮 | 老 | 青 | 壮 | 老 | ||
漢字名 | 6 | 6 | - | 6 | 5 | 2 | |
カタカナ | 1 | 7 | 3 | 3 | 5 | 2 |
どういうバランスが適切か、正解はないのだろう。気になったのは、「老」。多すぎてもいけないのだろうが、やはり勝つためにもほどほど必要なのだろう。名選手・味のある選手の極みとも思えてくる。
来季、1部か2部か、この週末に決まる。これら6チーム、来来季以降、どのような軌跡を描くのか、出来うればすべてのチームが上昇していってほしいがそんなことはありえない。廃部なんてことは起こってほしくない。どうなっていくのだろうか。 令和5年5月13日
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