2025年9月13日土曜日

岡島レポート・2019 W杯・備忘録 293

 昨日から 突然 寒くなったような…

                 2019 W杯・備忘録 293

                 〜 キック 〜

 

先週末 ザ・ラグビー・チャンピオンシップ(これから「TRC」と記す)2試合とアサヒスーパードライ・パシフィック・ネーションズ・カップ(「PNC」)2試合が行われた。

この4試合と 例の「モノサシ」と比較してみる。

 

項目

モノサシ

TRC

PNC

AUS

ARG

NZ

RSA

JPN

USA

FIJ

SAM

得点

  36.4

  18.6

  28

 

  24

  24

 

  17

  47

 

  21

  29

 

  15

Po(%)

 

  59

  41

  48

  52

  51

  49

  56

  44

Te(%)

 

  

  

  40

  60

  43

  57

  47

  53

Tries

   3.6

   4

   2

   3

   2

   7

   3

   4

   2

M.G.

407.6

392

392

195

258

556

257

297

393

Carries

118.8

145

102

  95

  96

133

119

 99

  80

D.B.

  23.5

  25

  16

  25

  22

  25

   8

  25

  27

Passes

167.0

197

134

125

103

172

137

130

119

Offload

   7.5

   6

   6

   5

   3

  10

   4

   3

   2

Tackles

145.7

109

198

146

109

163

154

109

109

Kicks

  30

  27

  20

  34

  31

  24

  18

  23

  18

RuckW 

  89.5

117

  65

  75

  82

  77

105

  78

  62

MaulW

   4.3

   3

   1

   1

   4

   1

   1

   8

   5

S.W.

   4.7

   6

   6

   4

   6

   6

   4

   5

   4

LO.W

  14.1

  11

   9

  12

  14

  13

   9

  14

  12

LO.L

   1.1

   1

   0

   3

   4

   -

   6

   1

   4

Penalties

   9.7

  10

  12

  10

  10

  12

   9

  12

  17

Y.C.

   0.5

   -

   1

   -

   1

   -

   1

   -

   1

R.C.

   0.1

   -

   -

   -

   -

   -

   -

   -

   1

 

それにしても たまたまなのかもしれないが この4試合(も) キック数が多いチームが勝利している。他の多くの項目は 数の多寡と勝敗が ばらばらである。一方で この4試合は イエローカードを突き付けられたチームが負けている。こういうのは たまたまなのであろうが…

FIJ/SAM戦 主審:滑川! 頑張っている!! W杯のピッチに立ってほしい!!!

一口に キックと言っても 誰が・どこを目掛けて(落下地点として)・どのような意図で蹴ったのか? こういう「質」は 上記数値には表れていない。

では 誰が蹴ったのか? テレビ画面で映ったものから 個人的に カウントしてみた(したがって 必ずしも 上記 公式サイトの数値とは整合していない)。

 

 

  AUS

  ARG

  NZ

  RSA

  JPN

  USA

キック数

   27

   20

   34

   31

   24

   18

うちS.H.

    9

    6

   16

   14

    4

    6

  S.O.

    9

    5

    7

    8

   10

    2

 

TRC2試合は ハーフ団 特に スクラムハーフが多く蹴っている。NZ/RSA戦は ボックスキックの蹴り合いと なっている 雨の影響もあったのだろうが。

そして ボックスキックの「質」(=精度≒落下地点が 相当前進していて かつ 味方選手がコンテスト出来ている)が 極めて高い。手元カウントでは NZRSA両チームのボックスキックの過半は コンテスト出来ており かつ その半数弱は マイボール化に成功している。

これに比べると JPN まったく異次元のチーム。そもそも スクラムハーフ 前半の福田は ボックスキック「0」 後半の藤原は 一度試みて チャージされていた。W杯で どんな「質」のキックを使うのか 興味深い。

 

戦略・戦術に 好悪があるのは 当然だろう。それは「カラスの勝手」みたいなものだ。だけど 「バカとハサミは使いよう」 使用が認められているプレーを 使わない手はない。

ラグビーは 得失点差で 勝敗を決する。勝敗を決する大きな要因の一つが 「陣取り」である(ただし 単なる「陣取り合戦」でないことは テリトリー50%超のチームが 必ずしも勝利していないことに 表れている)。

ボールキャリアーは ラン/パス/キックの三択のうちの一つを瞬時に選択しなければ タックラーの餌食となる… 「回せば」ボールを前に進めることが出来るというのは 願望・幻想に過ぎない…

ボクシングのボディーブロー 派手ではないが 着実・確実に打ち続けることによって ノックアウトを取る確率が上がる。なんとなく スクラムハーフのボックスキック 似ている気がしてきている。派手さは まったくない。むしろ「つまらないプレー」である。が これを 愚直かつ正確に蹴り続けることが 直接ではないにせよ トライに結実する!?

そもそも ラン/パスだけでは グランドを2次元でしか 使用できていない。キックによって はじめて グランドが3次元化する!?

キックはキックで「奥が深い」と実感する3試合であった。

令和7912

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