2019 W杯・備忘録 215
~ M44 RSA/FRA 7 ~
「想定外」のRSA・15番の22m内でのフェアーキャッチ・瞬時のスクラム選択、FRA・FWは「三々五々」歩いてスクラムポイントへ。各人、何を考えていたのだろうか?通常であれば、相手陣22m内の相手ボールスクラム、前半の残り時間わずかの場面であれば、「押し」の一択のような気もするが… とても、そんな「余力」は残ってなかった!? ピッチサイドを当惑した表情で歩いているFRAスクラムコーチ・セルヴァの姿が映される。象徴的なシーン、これだけでもRSAの「奇手」、実を齎している。
リスクを取ってでも自らスクラムを選択したRSA、こちらの方は「押し」の一択、迷いがない。準備万端。
FRAスクラムの弱点は「4番」。本職がフランカーで、フィールドプレー、ラインアウト(FRAのラインアウトリーダー)などでは出色の活躍をしてきているが、4番に根源的に求められるものに適していたか? 所属クラブの名将・ウリオスは「4番に適していない」と公言していた…
S(RSAが押し・①が崩れ・p・アドバンテージ)9→12:SP~ ⑪~ pに戻る
見ているものの予想通り、RSAが「押し」・FRA左サイドが崩れる。それを予期していたかのように、レフリーは「コラプシング」を取る。前2回のスクラムでは、スクラムが落ちる=組み直しだったのに… こうして、「本気で組んだ」RSAスクラムは滅茶苦茶強い、というイメージが上書き・補強される! 特に、オキーフの心象に。結果論だが、次戦で効いた。
FRA・6番が手を挙げて、何らかの違法プレーがあったとアピールしているが、落ちたサイドの映像は画面に映らない…
RSA、アドバンテージをもらいながら、これまた、デザインしていた通り、9番から12番へパス・ショートパントでFRAバックスディフェンスラインの背後を衝く、も、FRA⑪反応よくカバーディフェンスしボールを確保する。
PK・10~ タッチジャッジがフラッグを上げる、も、⑪・タッチラインの外からジャンプして・キャッチし・タッチラインの内側に着地し:LK~ 9:TK~
それにしても、FRA・⑪番・ビエル=ビアレ(20歳)、本大会前のRSAで行われたU20W杯の主要メンバーであったにもかかわらず・参加せず・FRA本代表の事前合宿に召集され、代表メンバーになったばかり。ちなみに、FRA・U20はビアレ抜きで優勝した。初めての大舞台で「ナイスプレー」を連発する。
l・④(3/7 RSAコンテストせず)→⑨→⑩→⑫・r・⑨→③・r・1がオフフィートのPの笛
③が頬を押さえて痛がり・トレーナーが入ってくる。15分の⑫の「蹲り」は無視されたが、今回はTMOが介入してくる。
TMO:ボールキャリアー③に対して4がヘッドコンタクトの映像が流れる ⇒4・イエローunder review
RSAにとっては、予期せぬ・痛い「カード」のはず!? FRA、「棚ぼた」の3点…
pg・⑮
40分 RSA 19-22 FRA
密度の濃い試合内容、ともかくFRAが「3点リード」でハーフタイム。
この試合の⑥・ジュロンが11月20日付Midolのインタビューの中で次のように語っている。
Q:あの準々決勝戦、どんな記憶が残っていますか?
A:前半が強く頭に刻み込まれています、自分たちが圧倒していた時間帯でした。問題だったのは、彼らのゼロないしはワンパスでの3トライ、これが重くのしかかりました。簡単に防げたのに、やすやすと得点されてしまいました。1v1では優位に立っていたのに、たった3点差しか付けられませんでした。流れが来ている時に引き離せなかったことにフラストレーションがありました。
Q:あの敗戦に関して、レフリングがよく取り上げられていますが?
A:レフリングに関して、これまでも試合後に文句を言ったことはありません。よくよく見れば、試合早々のエツベツのプレー、ノックオンではないとか。率直に、スプリングボックスの方が「賢かった((注)原文は“malin”((小学館ロベール仏和大辞典では)①抜け目のない、悪知恵のある、ずる賢い ②利口な、機転が利く、賢い ③意地悪な、からかい気味の、訳知り顔の ④〘話〙ばかげた、こっけいな)」んです。熟知してプレーするいくつかのチームのように、灰色ギリギリの限界までプレーしてました。彼らを称賛します。それに比べて、自分たちは節度を保ち過ぎました。多分、経験値が足りなかったせいだろうと。
Q:どんな教訓を得ましたか?
A:スプリングボックスをもっと引き離していれば… フラストレーションは大きかったです。でも、再戦なんてありえません、だから、ポジティブに捉えるためにあの試合以外のこと・未来に目を向けるようにしています。自らの運命を嘆いても何の役にも立ちません。
一時期日本サッカー界でよく聞かれた「マリーシア」を思い出す。ウィキ日本版にも項目立てされていて、まず「ずる賢さ」という訳語が出てくる。ところで、スポーツにおいて「ずる賢い」とは、何を意味するのだろうか?そして、「ずる賢い」という価値観は意味があるのだろうか?日本でよく唱えられている「正々堂々と戦う」という呪文をフランスで聞くことはない。フェアープレーという言葉も聞かない。「正々堂々」宗からすれば、「ずる賢い」という忌むべき概念は存在するのだろう。しかし、おそらく、ラテン系の人びとにとって、「正々堂々と戦う」なんて偽善的で無意味という心性があるのでは、と感ずることがしばしばある。ジュロンらオクシタンの人びとも同じ心性であると痛感する。だから、「ずる賢い」ではなく「賢い」と率直に勝者を称賛している。勝たなきゃ、何を言っても負け犬の遠吠え…
前半のFRAのボール保持率:59%、地域支配率:69%、それでいて、「3点差」。骨折り損のくたびれ儲けと考えるのか?
チャンピオンチームに「3点差」のリード、しかも、前半最後の最後での「イエロー」、大切な後半の「入り」からの10分弱、数的優位に立てる、とポジティブに前を向くのか?
ハーフタイム、10分余のロッカールームでの密談の場、両チーム、何が語られ・指示されていたのだろうか。
令和6年3月16日
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