太陰暦で暮らすと どんな感覚になるのでしょうかね
毎夜毎夜 お月様と向き合っていると 感傷的になるのですかね
2019W杯・備忘録165
~ ホーム ~
先週末、全勝・パナソニックがキャノンに辛勝した(21-19)。ノーサイドのホーンが鳴り響いた後、パナ・10番・松田がコンバートを決め逆転勝利をものにした。勝因・敗因、いろいろと語られているが、ホーム・熊谷スタジアムの影響も大きかった気がしている。風が強く独特に吹くスタジアム、他のスタジアムに比べて広いインゴール、これを味方につけた。ホームアドバンテージを生かした。残念ながら、観客は満員に程遠かったが。少しずつ、ホームアンドアウェイに馴染んできているのかもしれない。リーグワンに移行したポジティブな一面だ。
2005年4月、萩本ジャパンのアドバイザーに就任したエリサルドとジョルダが、日本国内のラグビーシーンを初めて観戦して驚いたのが、試合がホームアンドアウェイで行われていないことだった。おそらくグローバルスタンダードはホームアンドアウェイなのだろう。
ちなみに先週末までリーグワン36試合が戦われ、ホームチームの24勝22敗2引き分けとなっている。ホームだから勝てるわけではないのは当然だろうけれど、まだまだ「地の利」を生かすまでには至っていないのかもしれない。リーグワンがどう進化していくのか、楽しみである。
国際レフリー・オーウェンスの自伝『The Final Whistle』の中に、彼のテストマッチ100試合目の結果について、「My 17-year as an international referee came to an end with my 100th test match. France versus Italy in Paris. A comfortable home win, as you might expect for one of the strong favourites for the 2023 World Cup.」という一文があった。テストマッチもホームアンドアウェイであり、ホームチームが勝利することはcomfortableなのだ。
そもそもWRのランキングの持ち点もホームチームとアウェーチームでウェイトを付けている。
今週末からはじまる六か国対抗、昨年グランドスラム・全勝のFRAは難敵IRE、ENG戦がそれぞれ敵地で行われる。過去を振り返っても、この順の年の成績は振るわない。さて、どうなることか。
W杯にもホームタウンデシジョン、ホームアドバンテージが存在する。FRA目線で瞬時に思い出すのは、1995年準決勝の対RSA戦、2011年決勝の対NZ戦、いずれも開催国に有利な笛で負けた(と信じている)。かく言うFRA、自国開催の2007年大会では、ホームタウンデシジョンの恩恵に預かることもなく(=地力がなかった)三位決定戦でも無様に負けた。
開催国と優勝チームを表にすると次の通り。
Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵ | Ⅶ | Ⅷ | Ⅸ | |
開催国 | NZ | ENG | RSA | WAL | AUS | FRA | NZ | ENG | JPN |
優勝 | NZ | AUS | RSA | AUS | ENG | RSA | NZ | NZ | RSA |
順位 | 優勝 | 2位 | 優勝 | 8強 | 2位 | 4位 | 優勝 | 圏外 | 8強 |
(注)4行目「順位」は開催国の順位。
書いていて思い出したのが、2003年決勝、ENG/AUS戦の後半最後のENGのスクラムでのP。あれは「ひどい笛だ」(=ホームタウンデシジョン)と見ていて感じ記憶に残っていた。このPGをAUSが決めて・同点に追いつき・延長戦になり・ENGが勝った試合。
この試合について、Bill BEAUMONT現WR会長(元ENG代表・キャプテン)は自伝の中で、観戦していたこの試合について次のように書いている。
Elton Flatley(注:AUSのゴールキッカー) took full advantage when England conceded penalties. As many of those came from the scrummage area, I must admit to a degree of puzzlement because we had the strong scrum and I could see no reason why we would keep infringing. But the scrum is a dark world and refereeing interpretations do vary.(p346)
エディー・ジョーンズ自伝(『エディー・ジョーンズ わが人生とラグビー』高橋功一訳 ダイヤモンド社 2021年)では、次のように書かれている。
『テストマッチは、アウェーで勝つのは難しい。これまでの歴史が示すように、レフリーは無意識のうちに、どちらかと言えばホームチームに有利な判定を下しがちだ。スタジアムに大勢のイングランド人がいて、応援歌の『スイング・ロー・スイング・チャリオット』が地鳴りのように響いていた。だがワラビーズのホームであるのに変わりはなく、満員の観客席は明らかに白よりも金色で占められていた。2大会連続で決勝戦を担当する南アフリカ出身のレフリー、アンドレ・ワトソンも、いくつかの場面では多少オーストラリアに有利な笛を吹いていた。後半、我々はイングランドを無得点に抑え、エルトン・フラットリーは3本のペナルティーゴールを決めた。』(p202)
2019・JPNも、「笛」に、かなり助けられた。語り継ぐべき大切なことだ。
これまで開催された9回のW杯、開催国が優勝したのが、3回。すべて南半球での開催。
さて、今年のW杯、どうなるのだろうか。
令和5年2月4日
0 件のコメント:
コメントを投稿