冬眠したいものです
2019W杯・備忘録164
〜 記録する 〜
2019年の今頃、「あと半年でワールドカップだ。これまで一体何試合見てきたことだろうか。だけれども、ほとんど頭に残っていない。試合を自己流に記録してみよう。」と思い立った。それ以前から、なぜスクラムは熱く語られるのに、ラインアウトは語られもせず・解説もされないのか、という疑問を持っていた。その根底には、㈰スクラム機会よりもラインアウト機会の方が多そうだ ㈪スクラムからよりもラインアウトからの方がトライに直結している という感覚もあった。では、そもそも、それぞれ1試合に何回行われるのか、それを記録してみよう、と考えた。
そこで、昔・補欠(当時は「水汲み・薬缶運び」でした…)の頃つけた記憶のある「スコアブック」を買ってきた。そこに書き込むのも一案だったが、スクラム・ラインアウトの回数を記することは想定されていない。
じゃあ、自己流の付け方で記録しようと、2019年六か国対抗からメモを取りながら観戦することにした。いざ試合を取り始めて記録、というより、メモを取り始めると、ボールデッドの時にはきちんとメモできるが、インプレーでボールが動いているときはメモしにくい。リスタートは、落ち着いて記すことができる(クイックスローなど例外もあるが)。ということが主因となって、試行錯誤を繰り返し、今のところの到達点は、KSLPFD図である。
これを見ていると、試合の構造の一側面が浮き上がってくる。試合は、いくつかの「行」から構成されている。各「行」は、必ずKから始まり、TないしはPG・DGで終わる(ハーフタイム・ノーサイドの時は、この限りにあらず)。各「行」の中に含まれるS、L、P、F、Dの数・順序はランダムのようでいて、一定の規則性があるかのように見える。
また、見ていると、ゲノムが4種の塩基の並びで構成されているように、ラグビーは6種のリスタートで構成されているかのように見えてくる。
「公式記録」、必要なことが記載・記録されている。でも、何か物足りない。そこに書かれて残るのは結果だけだ。勝敗・得点差・出場メンバーなどなど。当たり前だけれども、表裏一体の勝因≒敗因は記されていない。記憶に残るシーンはどうだろうか。
試合を決するのは、リスタートもあるが、複合的に作用するインプレー中の各プレーヤー・チーム全体の意志、ボールの跳ね方、風向きなどなどの要因だろう。メモしにくく・文字化しにくい要因は記録しにくい。記録に深みを持たせるためには、何らかの改良が必要だ。
また、大相撲であれば、徳俵に足がかかったが凌いだ、とか、野球であれば、ノーアウト満塁で無失点とか、勝因と敗因、表裏一体の「因」は、ラグビーの場合、80分間の至る所に散在している。流れ・Momentumなどは、ノーサイド後・事後的に振り返るときに個人的に記録・記憶されることなのだろう。
おそらく、野球のスコアの付け方はかなり洗練され・確立しているように思える。ネットで見たら「野球のスコアの付け方」というような教科書的な本が何冊も出版されている。それに比べると、ラグビーに関しては未だ未だ試行錯誤がありそうな気がしている。
映像を安易・安価に保存できるようになった現代、文字での記録にどれほどの価値があるのか、それは疑問でもある。しかし、文字による一覧性・時空間の広がりなどは映像とは違った記録法でもあるのだろう。
記録し・記憶する、記録を読み返し・記憶を蘇らせる。文字にしか伝えられないことがある気もしている。
この4年間で進歩しなかったが進化した気がしている。
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フランスラグビー協会の信任電子投票は、26日12時に締め切られ、投票率90.46%、ラポルト会長の提案に対して、賛成票:4097 反対票:4275 「Non」が51.06%で否決された。
27日午前、異例のスポーツ大臣陪席の下、FFR理事会が開催予定。
理事会前にラポルトがFFRからの辞職を表明。これを受けて、理事会前に、スポーツ大臣は「ラポルト辞職を評価し、今後の進め方については、規則に基づき㈰理事会が会長代行を指名し・6月に予定されている総会でラポルトの残任期間の会長を現行の理事の中から選出し・2024年12月の定時総会で次の会長を選出する ㈪理事全員ないしは過半数が辞職し・クラブの総選挙で新会長を選出する という二通りがある。大臣としては、決定権があるわけではないが㈪が望ましい」とジャーナリストに表明。
理事会では、スポーツ大臣の意向とは反対に㈰が選択され、反ラポルト派の理事9名は辞職(理事総数は29名。少数野党の議員だけが辞職したのに類する行為)。
理事会後、反ラポルト派の頭目・グリルは「クーデターが起きた」と発言している。
まだまだドラマは続いていくようだ。
令和5年1月28日
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