2011年4月30日土曜日

各地で四十九日の法要が営まれ、明日に向かって!

 鎮魂の行脚 栗原の僧侶10人 宮城・南三陸

「鎮魂」と書かれたのぼりを手に被災地を行脚した僧侶たち=28日、宮城県南三陸町
 宮城県南三陸町で28日、栗原市の曹洞宗の僧侶10人が犠牲者を追悼し、被災地を行脚した。戸倉地区にある海蔵寺から7キロの道のりを経を唱えて一心に歩き、亡くなった人々の魂を鎮めた。
犠牲者の四十九日に合わせた行脚は、栗原市の火葬場で読経奉仕をする通大寺の金田諦応住職(54)が、いとこの海蔵寺住職に呼び掛けて行った。
一行は海蔵寺で般若心経を唱えた後、「鎮魂」と書かれたのぼりと灯明、鈴(れい)を手に出発。津波で壊滅した戸倉小近くでは、行方不明者がいるとみられる志津川湾に向かい祈りをささげた。
途中、がれきに残る写真に涙を抑えきれない僧侶もいた。同行した海蔵寺総代長代行の阿部寿男さん(70)は「皆さんの心配りに感謝するばかり。み霊の慰めになったと思う」と頭を下げた。 行脚を終えた金田住職は「一歩一歩犠牲者の無念をかみしめた。彼らの思いを受け継いで生きたい」と話した。
                               --------------------------------------------------------------
                              悲しき海に手を合わせ 名取・閖上

手を合わせ、犠牲者を悼んだ住民ら=28日午後2時46分、名取市閖上の日和山
宮城県名取市閖上地区の津波犠牲者を慰霊する地となっている日和山で28日、避難所などに身を寄せる閖上地区の住民ら約300人が参列し、四十九日の法要が営まれた。午後2時46分に黙とうをささげ、曹洞宗宮城県第4教区青年会に所属する名取、岩沼両地区にある寺院の僧侶ら18人が読経した。海を見下ろす高台には、「一人じゃない」「みんなで手を取って」などと書かれた標柱が幾つも立ち並んだ。強風の中、参列者は青々とした太平洋の白波をじっと見つめた後、静かに手を合わせ、犠牲者の死を悼んだ。  閖上地区では津波で約800人が死亡、約200人が行方不明となった。

気仙沼・道の駅大谷海岸 きょう再開 5ヵ所の“仲間”応援

直売センターの再開に向け、商品を確認する従業員ら=28日、気仙沼市本吉町の道の駅大谷海岸
 大津波の被害を受けた宮城県気仙沼市本吉町の道の駅大谷海岸は29日、農林水産物直売センターの営業を再開する。同日販売するのは、地域の農家や業者が持ち寄った野菜や塩蔵ワカメ、ヒジキの乾物など。来場者には豚汁を無料で振る舞う。
 30日は登米、石巻両市の5カ所の道の駅が応援に駆け付け、農産物や雑貨を販売。全ての売り上げを大谷海岸に贈る。
 道の駅津山(登米市)の西條孝一駅長(62)は「仲間が困っているのを見過ごせない」と話す。
 道の駅大谷海岸は震災当日、高さ15メートル近い津波に襲われた。従業員や客は逃げて無事だったが、建物は骨組みだけになった。直売センターは修復して利用できるようになったが、レストランが入る「はまなすステーション」は復旧していない。
 運営する本吉町産業振興公社の菅原和幸社長(59)は「仲間の応援はありがたい。直売センターの再開を地域の復興の足掛かりとしたい」と語った。営業時間は午前8時半~午後5時。    河北新報/2011年04月29日金曜日

0 件のコメント:

コメントを投稿