2011年3月31日木曜日

外村 孝史 さんからのメールです、No5


みなさま
こんばんは、原発事故が新たな段階を迎えたような気がします。メディアの解説では比較的楽観論が多かったのですが、近くの水から1000万倍の放射�能が計測されたという事は、圧力容器の中の燃料棒が傷つき、メルトダウンで容器を破損(可能性高い)、そして最後の砦の格納容器も傷がついて、そこから水蒸気と共に濃い放射能物質が流れ出した証拠です。
原発事故の3大原則「止める」「冷やす」「封じ込める」で「止める」だけは成功しましたが、残りの「冷やす」「封じ込める」が完全ではないようですね。これで完全にスリーマイル島のレベル5(経産省保安院の認識)を超えてレベル6(海外の認識)に入ったとみています。この濃度の高い放射能の検針で、現場での作業が更に困難になり、放射能は大気中に
出し続けます。電源の工事もなかなか進展せず、原子炉がどの程度傷ついているのか、はっきりつかめません。目くら運転している現状は、非常に危険な状態で我々は更に憂鬱になります。
本来は原子力の代替燃料の話が活発に出ても良い時期ですが、何一つ出てこないのはメディアに出てくる学者も、原子炉を作った、あるいは現場の隅々まで見てないので、下手な事(一言の影響が大きいので、、)は言えないため、話を聞いていても頼りがないように感じます。それくらい原子力は人間のコントロールを外れたら暴走するという事です。私もシステム・エンジニアの端くれですが、福島原発の設計思想に欠陥があった事は業界では誰でも認めるところです。東京電力の企業理念がいずれ問われるでしょう。原子力以外のシステムだと、すぐ解決できるのですが、原子力は人間が管理できなくなると、暴走して凶器となり、大きな犠牲が出ます。
 この事故で、日本は、これからは原子力分野から撤退(保守は残りますが、新規は無理)しますが、思えば、スリーマイル島の事故でアメリカは原発から撤退、それを継いだのが日本でした。まさに、今からこの産業で世界に打って出ようとした矢先の事故でした。東芝は、ここ数年アメリカの原子力企業を買収してきました。そして半導体と原子力を柱に集中と選択をしてきました。原子力に半端でない投資をしてきましたから、投資を回収できない可能性があり、これから厳しい経営を強いられますね。日立も原子力のウェートが高いし、三菱重工も力を入れているところですから、日本の基幹企業が大きな痛手は、日本経済に大きく悪影響し、立ち直るのにかなりの時間がいると思います。それは、我々市民生活にも目に見えて影響してくると思います。
さて、最後に私が一番危惧していることが御座います。原子力産業(原子爆弾開発含め)は、アメリカそして日本(平和利用のみ)とその技術が受け継がれてきましたが、これから何処の国が引き継ぐかです。恐らく北朝鮮、イラン、イスラエル、インド、パキスタン、中国などと名乗りを上げてくるかもしれません。これらの国で共通しているのは、何処かといつも紛争を起こしている(又は国内問題)ところです。彼らは、平和利用と言って原発に力をいれ原子爆弾への開発を促進して行くという口実を与えてしまったような気がして心配しています。(この部分は私の独断と偏見ですが皆様はどう考えられるか?)今回の原発事故は、思いもよらぬ方向へ行くような気がしてなりません。

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