2021年8月16日月曜日

岡島レポート・2019 W杯・備忘録 90

2019 W杯・備忘録 90
 LIO/RSA(3) 

 2021ライオンズRSA遠征・テストマッチ第3戦が87日に行われた。

 試合経過は次の通り。RSAの得点は「○」、失点は「」、得点を逃したのは「×」。

得点
種類
起点となった(リ)スタート

×


×


×





 0
10
14
18


28


35
37



41


 3- 0
 3- 3
 3-10





 6-10



(PG)
PG
PG
TG


(T)


PG
(-)



TMO¹
LIOのキックオフで試合開始。
RSAP(ノックオン・オフサイド)。LIO10が外す。
LIOP(ノットロールアウェイ)。RSA10PG
RSAP(スクラムコラプシング)。LIO22PG
RSAP(ハイタックル)。LIO22がタッチキック⇒RSAゴール前のラインアウト⇒モールを押し込みLIO2がトライ。LIO22G
RSAP(ノットロールアウェイ)。LIO22がタッチキック⇒RSAゴール前のラインアウト⇒モールを押し込む。LIO・7のP(モールサイドエントリー)
LIOP(スクラムコラプシング)。RSA10PG
RSAP(ノットリリースザボール)。LIO22がタッチキック⇒RSAゴール前のラインアウト・RSA4がスチール・RSAインゴールでタッチダウン⇒LIOボールスクラム⇒LIOP(ノットリリースザボール)
ラックへのRSA8の入り方⇒問題なし
×


×

×



46

52
52
56
61
65

68



73
78




13-10
13-13
16-13





16-16
19-16
(PG)

TMO²
(PG)
TG
PG
PG

(T)



PG
PG
LIOP(ノットロールアウェイ)。RSA10ポストに当てて外す。
RSA14が倒れている。LIO22のハイタックルを確認。
TMOでのPRSA10が外す。
RSA14のトライ。10G
RSAP(オフサイド)。LIO22PG
LIOP(ラインアウトモールのコラプシング)。RSA22PG
RSAP(ノットロールアウェイ)。LIO22がタッチキック⇒RSAゴール前のラインアウト・RSAがサック・インゴールでパイルアップ⇒RSAゴール前でのLIOスクラム⇒2回組み直してLIOP(コラプシング)
RSAP(オフサイド)。LIO22PG
LIOP(ノットロールアウェイ)。RSA22PG

 勝敗を分けた一つが、ゴール前ラインアウトの攻防。この試合、LIOは、4回、相手陣でPKを得て、PGを狙える位置にも拘わらず狙わずにPKをタッチに蹴り出し、RSAゴール前のマイボール・ラインアウトを選択した。
① 18分:モールを作りインゴールへ押し込みトライ。
② 28分:モールを作るも割れて、LIO7が横から入りP。(無得点)
③ 37分:ラインアウト・スローをRSAにスチールされる。(無得点)
④ 68分:モールを作る前に引き倒される。(無得点)
 RSA、ゴール前のピンチでも冷静に対処している。②③④と違った対処をして得点を防いでいる。教科書に載せたいバリエーションだ。

 RSAが強いなと感じたのは、残り10分あたりからのベンチの選手の表情。同点に追いつかれても「この試合は勝ったな」という感じがにじみ出ている。これに対して、LIOの面々は悲壮感に溢れた表情をしている。まるで、W杯で負けた試合のオールブラックスのベンチのようだ。

 テストマッチ:3試合合計では、
RSA63得点(4T2G13PG)、LIO47得点(2T2G11PG)。
LIO2トライはペナルティキックを相手ゴール前に蹴り出して、マイボール・ラインアウトからモールを組んで押し込んだもの。これ以外でトライを取り切れなかったのは、攻撃力不足というよりはRSAの鉄壁のディフェンス力という感じがする。

 スタッツで見ると次の通り。
ポセッション(%)            テリトリー(%)

  1
  2
  3


  1
  2
  3
RSA
 48
 50
 37
 39
RSA
 45
 49
 37
 38
LIO
 52
 50
 63
 61
LIO
 55
 51
 63
 62
    ラン・メーター(m)            成功したパスの数

  1
  2
  3


  1
  2
  3
RSA
 276
 179
 210
 296
RSA
  77
  92
  55
 67
LIO
 255
 105
 253
 182
LIO
 120
  85
 119
115
        タックル数                 タックル成功率(%)

  1
  2
  3


  1
  2
  3
RSA
 117
 121
 145
147
RSA
 87
 89
 83
 93
LIO
 100
 107
  68
 74
LIO
 87
 96
 85
 82
(注)一列目、1:テストマッチ第1戦、2:2戦、3:3戦、参:2019W杯準決勝RSA/WALLIOの欄の数字は、WALのもの)

 スタッツだけを見れば、LIOが勝っておかしくない。それでも勝ち切れなかった。
 スタッツだけを見れば、2019W杯準決勝RSA/WALの再来と言えなくもない。
 ガットランド・ラグビーの集大成とも言える。

 4年後、新たなHCの下でライオンズがどんなラグビーを展開するのか、
 12年後、LIO/RSA、どの部分で競い合うのか、楽しみである。

 次回W杯に向けて、フィジカルなRSA、バランスの取れたオールブラックスに対して、他のチームがどのような戦術・戦略で立ち向かうのか、楽しみだ。そもそも、RSANZもこれまで9回の大会で、たった3回しか優勝していない。他のチームが優勝できないわけがない。

令和3814

0 件のコメント:

コメントを投稿