仙台で24日行われた楽天の優勝パレードに、地元出身の斎藤隆投手(43)は万感の思いだった。5台用意されたバスの2号車にスタンバイ。パレードが始まると、沿道に集まったファンに向けて目いっぱい手を振った。約30分間のひとときを振り返り、「興奮冷めやらぬというか、そういう気持ちですね。僕らが日本一になれたのはこれだけのファンの方々、またそれ以上の声援があったからだなと実感しました。うれしいですね」と喜びに浸った。
生まれ育った地で夢のような時間を過ごした。宮城県庁から東二番町通を1・5キロ、ゆっくり進んだ。慣れ親しんだ通りや風景も、この日ばかりは違った。「実は昨日も歩いたところなんですけどね。明らかに違う景色で、道路を埋め尽くしていただいて、感謝でいっぱいです」。ファンの笑顔が何よりうれしかった。
被災地への思いも強かった。一昨年の3月11日に東日本大震災が起きてから、2年8カ月。「忘れてはいけないことですし、皆さんもずっと覚えていてほしい」と訴えかけた。その上で「僕らも野球というスポーツを通じて、何かできることはないか、これからもそういう思いを持ち続けてプレーしていきたい」と言った。仙台、そして東北を今以上に盛り上げるため、43歳の右腕はまだまだ懸命に腕を振る。【斎藤庸裕】[2013年11月25日10時47分 紙面から]
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