2025年6月7日土曜日

岡島レポート・2019 W杯・備忘録 279

 梅雨の思い出 思い出の梅雨…   浮かんできたのが 高田みづえ ♪花しぐれ♪                           記憶って なんなんでしょうね

               2019 W杯・備忘録 279

             〜 2025六か国対抗 12 〜

 

エレロ『ラグビー愛好辞典』「ラインアウト」の項は 次のようにはじまる。

『ボールがグランド外に出る。ボールをグランドに戻さなければならない。ラグビーの父は天才だ! 地上戦まみれのラグビーに空中戦を取り入れた!! ラインアウトである。ボールが出た地点に 両チームが二列に並ぶ。フッカーが投げ入れる。大騒動のはじまりだ。大男が展開し・跳び・腕を伸ばす。大きな翼を持ったアホウドリの戦いだ。ラインアウトは ノッポの天国だ。』(p429

 

2025六か国対抗のLineouts Wonを見てみる。

 

(表-1 Lineouts Won2025

 

FRA

ENG

IRE

SCO

ITA

WAL

1試合当

FRA

 *

    9

   12

   16

   15

   14

   13.2

ENG

   10

 *

   14

   16

   16

   13

   13.8

IRE

   18

   23

 *

    6

   15

   13

   15

SCO

   15

   22

   13

 *

   13

   13

   15.2

ITA

    9

   15

   15

   13

 *

   11

   12.6

WAL

    7

   18

   19

   15

   16

 *

   15

1試合当

   11.8

   17.4

   14.6

   13.2

   15

   12.8

   14.1

 

Lineouts Won数が多いチームが勝利したのが 6試合。同数が2試合。少ないチームが勝利したのが 7試合。

 

Lineouts Lost数・Lineouts Steals数は 以下の通り。

(表-2 Lineouts LostLineouts Steals数(全5試合合計))

 

FRA

ENG

IRE

SCO

ITA

WAL

Lost

     1

     6

     7

     8

     7

     5

Steals

     3

     3

     2

     1

     1

     4

 

これらの数値だけで見れば 意外なことに FRAのラインアウトは安定していて IREのラインアウトは ミスが多い ということになりそうだ。ラインアウトの回数は ほとんどの試合で キックオフ・スクラム・ペナルティキックなど他のリスタート機会よりも多い。見方によっては 試合のキーポイントである。

 

それにしても ラインアウト たしかにエレロの指摘どおり リスタートの儀式としては 奇妙なものである。ラグビーを始めた時に 「そういうものである」と教わり 何の疑問も持たずに プレーしてきたが あらためて考え直してみたら 不可思議な感情が湧きだしてくる。スクラムについては その起源めいたものが いろいろと語られてきた。おそらく ラインアウトも そのような伝承があるのだろうが どうも出会った記憶がない… ラインアウト創造者って 一体 どんな人物だったのだろうか。なんとなく 動きの鈍いノッポだった気がするのは チビの僻みなのだろうか…

 

(表-3 ラインアウトの条項)

    平成14年度版

    現行

19条「タッチおよびラインアウト」(抄)

定義:ラインアウトの目的は、ボールがタッチになった後、2列に並んだプレーヤーの間にボールを投入することによって、早く、安全に、公平に試合を再開することである。

18条「タッチ、クイックスロー、および、ラインアウト」(抄)

原則:クイックスロー、および、ラインアウトは、ボール、または、ボールキャリアーがタッチとなった後に、ボールの投入により競技を再開する方法である。

 

平成14年版には 11項「ピールオフ:定義:ピールオフとは、味方のラインアウトプレーヤーによってボールがパスまたはノックバックされるとき、プレーヤーがそのボールを受けようとしてラインアウトから離れることである。」 以下 細則が規定されていた。なつかしい… 現行規則には 「ピールオフ」が存在しない。あれは何だったのだろうか…

 

起源がどうあれ リフティングの合法化で ラインアウトのゲームプランにおける位置づけは 激変した。

 

エレロ「リフティング」の項の末尾は 次のようになっている。

『(ラインアウトの空中戦でボールを獲得するために)規則違反のリフティング技術が改良され続けていた。プロ化の後、1996年 リフティングという規則違反は合法化された、ラインアウトを違法行為の巣から解放するために。今日 ラインアウトでのキープレーヤーは 高く跳躍できる選手ではない… より力強く支え持ち上げるリフターこそがキーになっている。』(p46

 

ラインアウトも 進化し続けている。次のW杯 どうなっているのだろうか。

 

令和767

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