梅雨の思い出 思い出の梅雨… 浮かんできたのが 高田みづえ ♪花しぐれ♪ 記憶って なんなんでしょうね
2019 W杯・備忘録 279
〜 2025六か国対抗 12 〜
エレロ『ラグビー愛好辞典』「ラインアウト」の項は 次のようにはじまる。
『ボールがグランド外に出る。ボールをグランドに戻さなければならない。ラグビーの父は天才だ! 地上戦まみれのラグビーに空中戦を取り入れた!! ラインアウトである。ボールが出た地点に 両チームが二列に並ぶ。フッカーが投げ入れる。大騒動のはじまりだ。大男が展開し・跳び・腕を伸ばす。大きな翼を持ったアホウドリの戦いだ。ラインアウトは ノッポの天国だ。』(p429)
2025六か国対抗のLineouts Wonを見てみる。
(表-1 Lineouts Won:2025)
| FRA | ENG | IRE | SCO | ITA | WAL | 1試合当 |
FRA | * | 9 | 12 | 16 | 15 | 14 | 13.2 |
ENG | 10 | * | 14 | 16 | 16 | 13 | 13.8 |
IRE | 18 | 23 | * | 6 | 15 | 13 | 15 |
SCO | 15 | 22 | 13 | * | 13 | 13 | 15.2 |
ITA | 9 | 15 | 15 | 13 | * | 11 | 12.6 |
WAL | 7 | 18 | 19 | 15 | 16 | * | 15 |
1試合当 | 11.8 | 17.4 | 14.6 | 13.2 | 15 | 12.8 | 14.1 |
Lineouts Won数が多いチームが勝利したのが 6試合。同数が2試合。少ないチームが勝利したのが 7試合。
Lineouts Lost数・Lineouts Steals数は 以下の通り。
(表-2 Lineouts Lost・Lineouts Steals数(全5試合合計))
| FRA | ENG | IRE | SCO | ITA | WAL |
Lost | 1 | 6 | 7 | 8 | 7 | 5 |
Steals | 3 | 3 | 2 | 1 | 1 | 4 |
これらの数値だけで見れば 意外なことに FRAのラインアウトは安定していて IREのラインアウトは ミスが多い ということになりそうだ。ラインアウトの回数は ほとんどの試合で キックオフ・スクラム・ペナルティキックなど他のリスタート機会よりも多い。見方によっては 試合のキーポイントである。
それにしても ラインアウト たしかにエレロの指摘どおり リスタートの儀式としては 奇妙なものである。ラグビーを始めた時に 「そういうものである」と教わり 何の疑問も持たずに プレーしてきたが あらためて考え直してみたら 不可思議な感情が湧きだしてくる。スクラムについては その起源めいたものが いろいろと語られてきた。おそらく ラインアウトも そのような伝承があるのだろうが どうも出会った記憶がない… ラインアウト創造者って 一体 どんな人物だったのだろうか。なんとなく 動きの鈍いノッポだった気がするのは チビの僻みなのだろうか…
(表-3 ラインアウトの条項)
平成14年度版 | 現行 |
第19条「タッチおよびラインアウト」(抄) 定義:ラインアウトの目的は、ボールがタッチになった後、2列に並んだプレーヤーの間にボールを投入することによって、早く、安全に、公平に試合を再開することである。 | 第18条「タッチ、クイックスロー、および、ラインアウト」(抄) 原則:クイックスロー、および、ラインアウトは、ボール、または、ボールキャリアーがタッチとなった後に、ボールの投入により競技を再開する方法である。 |
平成14年版には 11項「ピールオフ:定義:ピールオフとは、味方のラインアウトプレーヤーによってボールがパスまたはノックバックされるとき、プレーヤーがそのボールを受けようとしてラインアウトから離れることである。」 以下 細則が規定されていた。なつかしい… 現行規則には 「ピールオフ」が存在しない。あれは何だったのだろうか…
起源がどうあれ リフティングの合法化で ラインアウトのゲームプランにおける位置づけは 激変した。
エレロ「リフティング」の項の末尾は 次のようになっている。
『(ラインアウトの空中戦でボールを獲得するために)規則違反のリフティング技術が改良され続けていた。プロ化の後、1996年 リフティングという規則違反は合法化された、ラインアウトを違法行為の巣から解放するために。今日 ラインアウトでのキープレーヤーは 高く跳躍できる選手ではない… より力強く支え持ち上げるリフターこそがキーになっている。』(p46)
ラインアウトも 進化し続けている。次のW杯 どうなっているのだろうか。
令和7年6月7日
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