2023年12月23日土曜日

岡島レポート・2019 W杯・備忘録 204

             2019 W杯・備忘録 204

~ M42 NZ/IRE 4 ~

 

数的不利のNZのキックオフで後半がはじまった。数的有利なIREがどんな攻撃を仕掛けるのか… 数的不均衡によって、必ずしも試合が「つまらなくなる」わけではない。

 K15~ ⑫・r・⑨:BK~ 1511R10BK~ ⑨→⑦→⑤・r・⑨→③→⑩→⑮:LK~ 15TK

 L63/5)→⑨→⑩→⑧→⑭:GP~ ディフェンスの足に当たって 12R146R1012HP~ 11R103R1012HP~ ⑮フェアーキャッチ

  NZ12HP(ハイパント)をNZ11がキャッチする(=キックボールのマイボール化)。この試合、キックの精度・キャッチャーの技術などでは、NZが勝るシーンが目についた。

 F・⑮:LK~ 1215SP~ ⑪がタップ・④・r・⑨→②→⑩→⑬→⑭:P

  IRE・⑭の絶妙なキックで50:22IREに大チャンスが訪れた!

 l・50:22・⑤(4/7)・モール・⑨→⑫・r・⑨:HP~ ⑥NZゴールライン前でノックオン

  相手陣22m内でのラインアウト、強いランナー⑫を当ててのラックで意表をついた⑨のゴールライン際へのハイパント。惜しくも⑥がノックオン。事前に準備していたセットピースからの一連のプレー。わずかにトライにならず… IREの精度の問題なのか、NZの反応力なのか…

 S1012R1015TK

 l・⑭クイック→⑮→⑬・r・⑨→④→⑩→⑫・r・⑨→⑦→⑩→⑮→⑪・r・⑨→⑩→⑦→①・r・⑨→⑩→④→⑭:SP~ ②タッチライン際でノックオン

  IRE、再び、キックしたボールを取り切れず…

  NZ9in。結局、後半開始からの6分間の数的不均衡で点数は動かなかった。IRE攻めきれなかった or NZ守り切った。

 S-pPKTK

Pを取られたIRE・①が怒りまくっている!(もっともな気がする) こういうところ、レフリーとうまくコミュニケーションを取ろうという発想がないような、というか、IRE全選手にバーンズへの不信感が深く根付いているような…

 L64/5)・モール・91013R92R912R9411R11R135R9156R9R85R8R96R97R91012R・ ①ターンオーバー→⑫→⑬→⑮→⑪・r・⑨→⑧→⑭→③・r・⑨→⑬→⑮→⑦→⑪・r・⑨→⑬→⑧・r・⑨→⑩→⑬・r・⑨→⑥・r pIRE・⑥ノットリリース(NZ8ジャッカル)

  NZ13フェーズでターンオーバー、この間のパス数「14」、IRE6フェーズでP、この間のパス数「16」。フェーズを重ねるにしても、ラックに至る過程(どのボールキャリアーが相手にぶつかるか)が対照的な両チーム。見ごたえ満点。

 PKTK12

 L42/4)→91030mラン)→1430mラン)・T G12

  NZ10mライン付近でのラインアウト、FW4人を並べて(残りの3人はバックスの間に位置し)グランド中央付近で展開することを予想させるNZ。そうしてライン際を手薄にさせて、電光石火、9からパスを受けた10が直進する。2022世界最優秀選手IRE・⑦の左肩数cmを疾走する。30m走って、ここしかないタイミングで14にパス。至極の芸術作品。セットピースから一発で取り切る! IRE各選手の立ち位置・弱点をみごとに衝いている。

 52分 NZ 25-17 IRE

  シュミットの自伝(Joe SCHMIDT “Ordinary Joe” 2019)第13The Gameの中にStrike Playsという節があり、次のように書き出されている。

Strike plays directly from a scrum or lineout, where players knew where they were going and could predict where opposition players were likely to be, have often been a point of difference for us in tight games. (p192)

  彼が、高校教師として自校のコーチングをはじめた頃の回想であり、その後スーパーラグビーのプロコーチになると事情が変わる。

Super Rugby is loose and fast, with numerous turnovers, and the teams that played best from broken play tended get the best results.

  そして、コーチングの内容も変わってくる。

One thing that I became increasingly convinced about was that it wasn’t which play you opted to play but rather how well you played it that made it count.

I think coaching is really about helping players to understand the ‘why’ and ‘how’, which can potentially elevate them beyond the ‘what’ and ‘when’.

  そうでありながら、

On some big days, set plays have helped decide results. (p193)

として、IRE/NZ2016)・IRE/NZ2018)・IRE/RSA2014)・IRE/SCO2015)・IRE/ITA2016)でのIREを勝利に導いたセットピースからのプレーを詳述している。今、シュミットの自伝を改訂するなら、この試合のトライも書き加えられるであろう。

 

手塩にかけたIREを知り尽くしたシュミットの最高傑作が試合を決めた。

 

令和51223

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