2024年11月23日土曜日

 岡島レポート・2019 W杯・備忘録 251

 先週行われた丹後駅伝(第86回関西学生対抗駅伝)          ・ 1位 京産大(3時間4752秒)… 以下21校が順位づけられ その後に「オープン 青学(3時間4630秒)」と記録されています。いやはや…

            2019 W杯・備忘録 251
                                                 〜 ANS 2024 〜
 
いつの頃からか ラグビー界では 海外遠征が習慣化し そのうちに 時期が固定化し 初夏は 北半球が南半球に 晩秋は 南半球が北半球に 遠征するようになってきた。
晩秋については 2021年からは 六か国対抗組織が 放映権などを一括管理する方式になっている。そして 六か国対抗構成国とは 実力的に対戦できない他国も 武者修行の場として 欧州に集まるようになってきている。W杯出場国が 次回大会から 4か国増加することもあり 秋の欧州の場の意味合いが これまで以上に 重くなってきた。
 
ANS 2024」は 六か国対抗構成国が 南半球4か国+非・六か国対抗構成国と戦う試合をワンセットの商品として「束」にしたものである。(だから 先週末行われた JPN/URGは WR Internationals で あっても ANS 2024の試合ではない)
主催者(六か国対抗構成国)から見れば 今年の対戦相手は 次の通りになっている。
 
 
Round 1
Round 2
Round 3
Round 4
Round 5
IRE
 
NZ
● 13-23
ARG
○ 22-19
FIJ
AUS
FRA
 
JPN
○ 52-12
NZ
○ 30-29
ARG
○ 37-23
 
SCO
FIJ
○ 57-17
RSA
● 15-32
POR
○ 59-21
AUS
 
ENG
NZ
● 22-24
AUS
● 37-42
RSA
● 20-29
JPN
 
ITA
 
ARG
● 18-50
GEO
○ 20-17
NZ
 
WAL
 
FIJ
● 19-24
AUS
● 20-52
RSA
 
 
ここまでの試合を見ていると 「前回のW杯時に比べ 観客志向のルール改正・運用変更が 行われた」と言われているが なるほど こんな風に変わってきているのだ というのが 実感できる。いくつかの点をあげてみる。
 
大リーグに ピッチクロックが導入されたように ショットクロックが 導入されるなど ボールアウトの時間を削減することが 目指されている。「時は金なり」 資本主義の深化が ラグビー界にも及んでいる。これまで ラックに関しては 競技規則第1517.で『ラックにおいて、一方のチームによってボールが明らかに獲得され、ボールがプレー可能となったら、レフリーは「ユーズイット」とコールし、その後5秒以内に、ボールがラックから離れてプレーされなければならない。 罰:スクラム』と規定されていた。そして 規則に則って 「ユーズイット」のコールは しばしば耳にしたが 5秒のカウントは 曖昧なままだった⇒5秒を過ぎて 相手ボールスクラムになったケースを見た記憶がない。そこに 人間クロックが 導入された。レフリーが 「use」と声を出し しばらく間をおいて 「two」と叫び しばらく 攻撃側が ボールを動かさないと 突然 笛が吹かれ 守備側スクラムになる。(FRA/NZ 62分など)。興味深いのは 「two」の次に 「one」のカウントをしないレフリーが 大半であること。ところが ENG/AUSの主審:オキーフさんとSCO/PORの主審:滑川さん(おそらく ANSの試合で吹いた 初めての日本人レフリー)は律儀にも 「two」…「one」とカウントしていた。(滑川さん主審の試合は 2023W杯でも主審を務めたピアースさん(ENG)がタッチジャッジを務めていた。ひいき目からもしれないが いい笛を吹いていて 嬉しくなった…)。ともかく 世相を反映して 世知辛くなってきた気がしている。はてさて これから 国内の試合でも どう適用されていくのだろうか。
 
ハイパントのチェイサーの進路を妨害する行為は 厳しく見張られるようになった。ENG/NZ では 主審:ガードナーさんが ハイパントが蹴られるたびに 「access」と 叫んで 注意喚起していた(⇒ そのせいか この試合での オブストラクションはゼロ)。他の試合では オブストラクションのPが 散見された。厳格化によって ハイパントは キャッチャーとチェイサーがジャンプしての 1v1になる可能性が 大幅に高くなり 攻撃における ハイパントの重要性・有利性が 増してきた。とともに 個々のハイパントのキャッチ能力の重要性が増してきた。
 
「パス」は 手・腕で 投げるものなのだろうけど これは 「前に投げてはいけない」という 大きな制約がある。「キックパス」は 「前に蹴れる」。おそらく 50:22が 導入されたことによって これを 防ぐため 多くのチームは 複数人をロングキックに備えて 自陣深くに ポジショニングさせざるを得なくなった⇒タッチライン際が 手薄になる⇒精度の高いキックパスを蹴れば 通る確率は高い⇒自陣で パスを回すより キックパスが 効率的だ。なるほどなぁ と 感じ入ってる。センチメートル単位での キック精度が求められる。いずれ ミリメートル単位に!? こういうのも 世相を反映しているような…
 
キックオフのボールを 出来るだけ 高く蹴り上げ=落下点で チェイサーがコンテストするシーン これまでは 試合最終盤 逆転を狙うチームだけの 定石だった気がするが どの時点での キックオフでも こういうシーンが 増えてきた。(数年前 日体大が こういうキックオフを蹴っていたことを思い出す)。ENG/AUS戦 AUSは 8回のキックオフで 6回はコンテストし うち3回は チェイサーがタップしてマイボール化 1回(79分)のキックはENG10mライン上で ENGノックオン⇒AUSボールスクラムとなり・83分に逆転決勝トライに結びついた。英語版の解説者は「AUS13番(身長190cm超)がリーグ出身で リーグのチェイスラインを走ってる」と話していた。似て非なるリーグラグビー(13人制ラグビー) ディフェンスだけでなく いろいろな面で 切磋琢磨して 進化していくのだろう。
 
総じて キックを縦横無尽に使う≒求められる戦術的・戦略的意味が 格段に 広がったようだ。ただし キックの回数が 眼に見えて増えているわけではない。キックの精度の重要性が増してきた。
 
スクラムでのフリーキック これまでは スクラムの組み直しを選択するチームが大半だったけど スクラムは選択できなくなった。で ENG/NZ 56分 ENGは NZ22mライン付近で得たフリーキックを NZゴールライン間近に ハイパント あわやトライに(結果は インゴールヘルドアップ=NZのゴールラインドロップアウトで再開)。マンガ的展開に思えた。
 
令和61123

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