2023年10月7日土曜日

フランスにて・岡島便り - 5

 ナントにやってきました

スタジアムそばのホテルに 金・土と 泊まり 日は 市内のホテルに泊まる予定です
月曜日午後 TGVで パリに行く予定です

日々 予想もしなかったことが起きる それが 旅の醍醐味…
10月1日(日) ナントから 1時間半 在来線特急に乗って ラ・ロシェルへ 駅で ジャン・ピエール・エリサルド(以下「JP」)が 迎えてくれる 4年前 「レストラン はじめたよ」というメールをもらい 今回 「行くよ」とメールしたら 「迎えに行く ホテルも用意しとく」と 二つ返事 JPのやたら犬臭い車(フランスで よくあること JPが不衛生ではなく フランス標準)に乗って 市内観光方々 ラグビー・スタッドロシュレ(2年連続で欧州クラブ選手権を制覇した現・強豪チーム)のスタジアムへ そのスタジアムからの通り 20mのところに JPの生家が 隣は(当時)パイヨーグさんちで パイヨーグ父はJPのチームメート パイヨーグ息子は 元フランス代表・トゥーロン所属の現役選手 JP曰く 「この通りは 代表選手通りだ」と誇らしげに言う その通りの1番地が 現在 JPが経営している BAR AUX VIEUX CRAMPONS (直訳すると バー「古いスパイク」) かつては ホテルも経営していたようで その1号室が あてがわれる 横丁を曲がると JPの両親がやっていた魚屋さん(現在は 他者が他業態に) JP・スタジアムの子であり 父は スタッド・ロシュレ中興の祖 本人は代表選手・現解説者 息子ジャン・バチストは 元代表選手(2007W杯準々決勝・NZに勝利した時のキャプテン)・2019W杯フランスチーム・コーチ・現モンペリエ・コーチ 3代にわたってラグビーを軸に生活が回っている… 夜は 4番目の奥さん、イバイという20kg超の犬と イタリア・レストランで 夕食 「明日からは5時起きだ」と 二人は 口々に言う こうして 予想もしなかった「BAR居候生活」が はじまる
BAR 日本にはない業態・日本の「バー」とは違うもの このBARは 平日:朝6時半から昼過ぎ15時までが 営業時間(ラ・ロシェルの試合のある日は 開店) そんな朝早くから 人びとは 何をしに来るのか
翌朝(月曜日) 8時過ぎに起きて BARに行くと 人びとが 話し込んでいる 観察していると 他愛もない話をしに来るのが主目的で 「木戸銭」的に 1.60ユーロ(地元有力紙:1.50ユーロ、スポーツ紙レキップ:2.30ユーロ)の小カップのコーヒーを注文する この朝の最大の話題は 正体不明の日本人の出現 と言うことで 来る人ごとに JPが紹介してくれ その度に 立ち上がって・「はじめまして」と日本語で言い・お辞儀をして・握手をする JPがみんなに「昨日 駅に迎えに行ったら 汽車が定刻に着いた!」というと 「ブラボー」「奇跡だね」… 人びとに なぜ フランス人は 他国同士のW杯の試合の観戦に来て 無関係のラ・マルセイエーズを歌い・歌いおわると拍手喝采するのか と 尋ねると おそらく 考えてもみなかったことなので 自虐的な思いつきの回答をしてくれる 曰く「カラオケ代わり」「手持ち無沙汰」「はしゃいでるだけだよ」 「それしか知らないんだよ」 でも きっと彼らも 同じ状況に置かれたら ラ・マルセイエーズを歌うだろうと確信する… 常連客が 「ここは 8時から11時まで 俺たちのオフィスなんだ」と お客の多くは 70歳前後 みんなが顔馴染みで 声を掛け合い・冗談を言い合う そして 11時前に 三々五々去ってゆく
JPの奥さんは 早朝から 昼の料理の仕込みをし 若者2人が調理をし(立派な調理場がある) ランチタイムがはじまる BARと別のレストラン空間があり 50席ぐらいある ちゃんとした 定食を 安価に提供していて 繁盛している ランチタイムが終わり 人びとが 帰っていくと 閉店 これが このBARの一日
そして フランスのBARに欠かせないのが 番犬役の大型犬 フロアに寝そべり 思いついたように 巡回する イバイくんも その例にもれず 惰眠を重ねている そして お風呂に入れてもらってないのか やたら 体を掻いている だからか 撫でてあげると 擦り寄ってくるようになる 朝食のクロワッサンを食べる前に撫でるのは 勇気がいったが やはり 撫でてしまう…
毎朝 BARにいると 必ずしも みんながみんな 毎日来ているわけでもない でも 来ると どこに座るか・どこに立っているか(このBAR 奥に8人がけのテーブル席 他に フローに 4人がけの席がいくつか そして フランスのBARに必ずあるカウンターの立ち席)指定席のように 決まっている そして 自ずから いくつかのグループが形成され JPは スナックのママさんみたく あっちでおしゃべり こっちで聞き手 と 座を盛り上げ コーヒーをサーブし お勘定を受け取ったり 「大変なんだ」と言っていたのが理解できる とはいえ 常連からは 「ずっと ぶらぶらしてて 太り切って 最近働きはじめたばかりだから」と 揶揄われている 「揶揄いあう」馬鹿話をする:笑いの絶えないグループ(これは 関西人のノリそのもの)と 静かに話し合うグループ それを聞き流しながら 新聞を読んでる人 この構図が 日々繰り返されている
5日(木)夜 いつもは閉店しているBARが 毎月第1木曜日だけは スタッド・ロシュレOBの夕食会場となる 90歳ぐらいが最年長で JP(69歳)が最年少 18時過ぎ 三々五々 BARにやってきて ビールを飲みながら 立ち話が始まる 19時に レストラン空間に移動し 夕食開始 この日は 30人余が集まる 昔話・W杯の見通し ラグビーが話題の中心 21時過ぎ 最年長者から 年功序列的に 去っていき散会
6日(金)朝 BARに彼らの仲間のキキが マダガスカルから戻ってきて 顔を出す マダガスカルで 食糧援助のNPO活動してきて その話をみんなが 真剣に とはいえ 茶々も入れながら 聞いている そのキキに 駅まで 送ってもらう 居候から 元の旅人へ
1時間半 在来線特急に乗って ナントへ トラムでスタジアムそばのホテルへ
明日:ジョージア・ウェールズ戦 明後日:日本・アルゼンチン戦 観戦予定
この週末 夏が戻ってきたように 暑くなるとの予報 これが どう影響するのか
来週 日本に戻る予定です

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